確定申告期間が終わると「税務署は暇なんじゃないの?」って思われそうですが、そんなことはまったくありません。
むしろ忙しいくらい。
ただ部署により異なるというのがホンネです。
私は税務署内部も調査部門も経験しているので、私が知る限りでの税務署の様子を書いてみようと思います。
確定申告書の処理
提出された確定申告書は管理運営部門で入力・データ処理されます。
書類提出されたものは一度審査を通してから入力することになりますが、e-Taxで提出されたものはデータを連携します。
このいわゆる「後処理」と呼ばれるものに非常に時間がかかります。
これをしないと申告データがまったく反映されませんので仕事が進んでいかないのです。
この時期は管理運営部門の最も忙しい時期になります。
還付金の処理も遅れてしまいますと還付加算金が発生してきてしまう(還付金にも利息がつきます)ので期限が実質決められているようなもの。
また、この後処理が終わってからは個人課税部門では誤りがあったり訂正が必要な個人の方に連絡を入れてきます。
これは贈与や譲渡申告を取り扱う資産課税部門でも同じように連絡を入れてきます。
【事務所お知らせ】法人税調査は再開
法人課税部門の職員も、確定申告期間は個人課税部門の勤務をすることが多いです。
これは税務署にもよりますので住んでいる個人が少なければ個人課税部門の仕事を手伝うことはありません。
確定申告期間中は基本的に法人税調査は中止しています。
基本的にと書いたのは例外がありまして、
- 税理士が関与しているところには行かない(税理士が関与していないところは通常通り調査はできる)
- 調査が継続中の場合は確定申告期間中もできる
ということがありますけど。
ただ、確定申告期間が終わったら6月上旬まで法人税の税務調査は行われます。
個人の税務調査も同じように行われますけど、後処理の関係もあるので件数的には少ないかなと。
忙しい部署とそうでない部署がはっきり
先ほど事務処理を担当する管理運営部門が忙しくしているのが今ごろ。
個人の確定申告だけならまだしも、申告書の入力・処理全般をこの部署が担当します。
申告書って所得税だけではなくて法人税・消費税・贈与税もあるわけですね。
さらに源泉所得税などの納付データの処理もあります。
還付の処理もあります。
申告書を個人課税部門や法人課税部門へ回付する作業もあります。
提出された確定申告書の控えの送付作業まで。
特に個人の確定申告書の処理は4月いっぱいまでにめどをつけないといけません。
なぜか?
住民税の課税に影響してくるからです。
住民税は前年提出された所得税の確定申告書をもとに各市区町村が税額を計算し6月から翌年5月まで通知をしてきます。
各市区町村でも5月にはデータがそろっていないと住民税の計算ができませんので、まず税務署側の処理が終わるのを今や今やと待ち構えているのです。
そのため、管理運営部門にいくと進捗状況が逐一管理されていたりします。
処理割合が今日何パーセント!今週の目標は○○件!
とか書かれてありました。
部署内は殺伐とした雰囲気で話しかけづらかったですね。
一方で、調査担当をする法人課税部門は調査の指令があればその準備をして調査に行く感じですから通常通りの勤務に戻る形です。
まとめ
ちなみに徴収部門はこの時期確定申告で税金を納められない方のご相談に応じているようです。
私がいた源泉所得税担当は源泉所得税未納者の督促業務の真っ只中かなと。
まあ管理運営部門の忙しさとは比べ物になりません。
では。