税務調査は税務署からの事前通知が終わったあと調査当日までの間に税理士などと打ち合わせをします。
できるだけ早く調査を終了させたいところですし、できるだけ調査官から指摘を受けることなくスムーズに調査が進むように対応すべきです。
そこで、事前通知のあと税務調査当日までの打ち合わせでどんなことを税理士と確認すべきなのかについて今回は書いてみたいと思います。
現時点での問題点を把握
事前通知があったらなるべくすぐに税理士との打ち合わせをしましょう。
税務調査に挑むにあたっては問題点が複数出てきます。
法人や個人事業主・税理士も人間ですのでミスもあります。
今ある問題点を解決したうえで税務調査に臨むべきです。
安心したいですし書類を再度見返してみることで納得して税務調査を受けるほうが落ち着いて対応できます。
【事務所お知らせ】税務調査で必要になる書類などの整理
税務調査で必要な書類として、契約書や領収書・請求書などがあります。
税務署の調査官から事前通知のときにどのような書類を準備してほしいか指示があると思いますので中身を見て整理をしていきます。
実際に領収書や請求書など適当に並べてつづっておけばいいという方もいらっしゃいます。
見づらくしておけば調査官も諦めるだろうと。
しかし、私は逆効果だと思っています。
そもそも面倒だからという理由でチェックを止める調査官はいませんし、その場で調査をせずに書類を借りて帰って税務署内で確認をすることもできます。
むしろ、書類の整理ができていないという理由で「きっと間違いは出てくるはず」と調査官の意欲がわいてしまう恐れがあります。
それよりも見やすく整理されたほうが「この会社・個人事業主は大丈夫かもしれない」と思ってもらえるため調査が早く進む可能性があります。
税理士との打ち合わせでやるべきこと
調査日当日までに税理士と打ち合わせをするときにやるべきことを挙げておきたいと思いますので参考になさってみてください。
指摘されそうなものを洗い出す
確定申告書や元帳・請求書や領収書、過去に提出した届出書を準備して、売上や仕入れの計上や固定資産台帳にある資産の状況・組織図などをチェックしておきます。
こういうリスクを事前に考えるためには税理士の力が必要になったりします。
ご本人だけではミスの発見を見逃す可能性があります。
一定金額以上・異常な取引のチェック
業種によりますが、経理をしていくうえで金額が大きな取引・普段はないイレギュラーな取引があれば問題はないか、その取引に関する書類がそろっているのか確認します。
特に売上や仕入・外注費・棚卸資産については金額も大きくなったりしますので請求書や領収書などと照らし合わせて正しく処理されているのかどうかをチェックします。
もし領収書や請求書を紛失している場合には先方に再発行を依頼してみましょう。
契約書・議事録等の見直し
印紙が貼られているのかどうかや、契約内容の確認のチェック、議事録に関しては役員報酬の確認を行います。
机の中・机の上・金庫などの整理
会社や事務所にあるものは基本的に事業に関連するもののはずなので調査官が見たいと言ったら見せないといけません。
もしプライベートなものが事務所内にある場合には、すべて持ち帰るなど整理整頓をしておきます。
事務所内にかかってあるカレンダーもチェックしておきましょう。
カレンダーから確定申告書に載っていない取引先が発見され脱税を指摘した案件も見聞きしたことがあります。
プライベート空間に足を入れられないようにするために事務所の一か所に資料などをすべて集めておくといいのかなと思います。
リハーサルをしておく
税務調査では、会社の代表者や個人事業主に必ず質問する事項があります。
これまでの経歴や職業・開業日・従業員数などありますのでよく聞かれそうな部分を税理士などに確認をしてリハーサルをしておくと安心です。
チェックして明らかに間違っていたら修正申告を
チェックして明らかに間違っていた場合には、事前に修正申告をすることで加算税という罰金を少なくできる可能性があります。
争点を妥協できるかどうか
問題点のチェックをしているとどうしても調査官ともめそうな部分(争点)が見えてくることがあります。
その場合にはどこまでなら妥協できるのかを事前に税理士と打ち合わせをしておき妥協案も考えておきます。
まったく誤りなしということはほぼありません。
調査官から少なからず指摘を受けると思っておいたほうがいいです。
そのときに自分が正しいといって争うより「それくらいならまあ仕方ないな」という妥協点を見つけるのも調査を効率的に進めるポイントです。
もちろん納得ができないようなことを調査官が指摘してきたら自分の意見はきちんと伝えることも大切です。
まとめ
私が税務調査の打ち合わせでお話しているものをご紹介してみました。
結局のところ事前の打ち合わせをしておくことで税務調査への心構えができるかと思います。
書類のチェックも行うことで事前にミスを減らすことも可能になります。
そのために「事前通知から調査当日まで2週間以上空けておく」というのは理にかなっていると思います。
では。