共済組合の年金請求とワンストップサービスの注意点

平成27年10月、公務員や私学職員の共済年金が厚生年金に一元化されました。

このため、共済年金を請求する場合など一部の手続きは年金事務所で行うことができるようになっています。

いわゆる「ワンストップサービス」といいますが、この仕組みと注意点について今日は書いてみようと思います。

【事務所お知らせ】    

ワンストップサービスの対象となるものとならないもの

共済年金の請求は、年金請求書により行います。

年金請求書は今加入しているまたは最後の加入していた共済組合から、支給開始年齢の誕生月の1か月~3か月前に送付されてきます。

ワンストップサービスの対象となるものとして、

  • 厚生年金や共済組合の期間がある方の年金請求書(老齢と遺族)
  • 年金選択届
  • 氏名変更届

などがあり、各共済組合ではなく年金事務所でも提出することができます。

一方で、ワンストップサービスの対象とならないものとして、

  • 単一共済年金加入者の年金請求
  • 共済加入期間に初診日がある方の障害年金請求
  • 警察職員や消防職員の支給開始年齢の特例に該当する人の年金請求
  • 65歳時点の年金請求書(はがき)、扶養親族等申告書、加算開始事由該当届

は、年金事務所では受け付けてもらえません。

従来どおり加入していた共済組合へ提出する必要があります。

単一共済者と混在者

単一共済者とは、

国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・日本私立学校振興共済事業団などそれぞれ同じ共済組合のみに加入していた方

です。

国家公務員と地方公務員はお互いを通算することができますので、両組合に加入していたとしても単一共済者になります。

一方で、混在者とは、

共済組合に加入していた方が民間の厚生年金や国民年金の保険料を納めた期間もある

です。単一共済者以外の方ですね。

混在者の方で65歳前の支給開始年齢の手続きは、男性は1回・女性は2回の手続きが必要だというのがポイントです。

女性は厚生年金と共済年金の支給開始年齢が異なっています。

女性の共済組合期間分は男性の厚生年金支給開始年齢と同じです。

そのため、女性が民間の厚生年金の支給開始年齢でまず1回目の年金請求書が送付され、共済組合期間分の支給開始年齢で2回目の年金請求書が送付されます。

男性の混在者は、厚生年金と共済年金の支給開始年齢が一緒なので1回の年金請求です。

混在者の場合、年金請求書は加入した共済組合でも年金事務所でもどちらでも提出することができます。いわゆるワンストップサービスです。

ワンストップサービスの注意点

年金相談の窓口で共済年金の請求をされる際の注意点をまとめてみます。

共済単一者は年金請求書を受け付けてもらえない

共済単一者の方の年金請求書は年金事務所で受け付けてもらえません。共済組合へ送付することになります。

共済組合へ回付するため時間ロス

最終的な審査は共済組合で行います。

年金事務所で提出いただいた場合は共済組合に書類を回付したうえで審査されます。

そのため、直接共済組合へ提出するよりも時間がかかってしまいます。

年金の見込み額が提示できない

共済組合で加入されていた分を含めた年金の見込み額が出せません。

厚生年金と国民年金の年金見込み額は提示できますが、共済組合分は出せませんのでトータルの年金見込み額がいくらかはお伝えできません。

実際、年金相談の窓口では送付済みの直近のねんきん定期便のデータでご案内させていただくしかないので、実際の年金支給額と異なる結果になることが多いです。

まとめ

私がよく年金相談員で入っている街角の年金相談センターは年金事務所の出張所の扱いですので、共済組合に加入していたことのある方がよくお越しになります。

ワンストップサービスと言いながら受付作業のみで共済組合へ回付して審査という形なので時間がかかってしまったり正確な年金見込み額を提示できません。

本当にこれでいいのかなと思ったりはします。

では。

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