記帳指導は業種の研究もかねている

毎年税務署より個人事業主の記帳指導を担当させていただいています。

この記帳指導を担当することでお客様の業種の研究や仕事内容についてしっかりお話をお聞きすることで今後の自分の仕事に役立つのではないかと考えています。

【事務所お知らせ】  

国税時代に経験していない

個人事業主の記帳指導を初めて担当したのは3年前です。

税務署勤務時代は法人課税部門で源泉所得税担当が長かったこともあって個人事業主相手に仕事をするという経験がありませんでした。

なので、最初は何を指導するのかがよくわかっておらずとても不安だったのを覚えています。

税務署より全4回の指導事項の指示がありましたので、それにそって自分でレジュメを作ることにしました。

ただそのレジュメを作るにしてもどうすればいいのか。

書店で個人事業主の経理や以下の本を複数冊購入して研究しました。

私が記帳指導におけるバイブルとなっている本です。

事前に相手と連絡を取ってどういうところでお困りなのかをお聞きした上で指導日当日を迎えるわけですが、ここからは業界の研究です。

業種の研究をする意味

業界の研究とは、個人事業主の業種についてどんなところが確定申告時にポイントとなっているのかを調べておくことです。
そもそも業種について理解が乏しいと会話にならないこともありますし、経理の仕方も多少異なることがあるからです。
例えば、飲食業なら現金取引が多いとか、農家だったら勘定科目が特有だよな、建設業や製造業ならモノを作る観点で製造原価・完成工事原価の集計があるな、とか。
製造業ですと鉄くずの売却収入の計上がもれているケースがあるとか、美容師なら現金収入の計上がもれているとか、注意してほしいポイントというものがあるわけです。
これらは事前にネットで調べておきます。
深追いはしません。サラッとです。
なぜなら、結局指導当日にお話を聞いてみないと仕事内容はわからないからです。
経理状況もわかりませんからね。

記帳指導後 自分の仕事にプラスになっている

記帳指導が終わるころには、その業種については何となく理解できてきます。

1回目は経理の状況や仕事内容をお伺いするのですが業種のお話までお聞きしますし、回を重ねるにつれお客様からの悩みや困りごとを調べる機会が増えてきます。

その都度お客様から教えてもらう、という感じですね。

私が税務署で税務調査を担当しているとき、会社にお伺いしたらまず業種や仕事の内容をしっかりお聞きするように、と言われていました。

帳簿を見るよりもまず会社の状況を把握するため代表者からしっかりと話を聞くというところにありました。

その会社のことを知る・業種を知ることで、その税務調査だけではなく今後同じような業種に調査に行くときに応用できる可能性があるからです。

実際、仕事の流れは会社によりまちまちです。

同じ業種でも会社が違えばこうも違うのかとびっくりした経験があります。

そんな中で、結局仕事の流れを理解しないと経理、いや確定申告の流れまで理解できないのではないかと思うわけです。

当時税務署に帰ってきてから上司に口酸っぱく指導されていたのが業種の研究をすることでした。

今記帳指導を担当させていただくようになってから業種は様々です。

その都度自分なりにポイントを考えて、指導中に仕事の流れを教えていただくことで自分の仕事に活きてくるのではないかと思っています。

まとめ

初めて記帳指導を担当したときは試行錯誤の連続でした。

心掛けていたのは、業種について研究をしておくこととお客様の話をよく聞いて仕事をなるべく理解することかなと。

自分の身になっていくのを実感できるのが記帳指導の魅力かもしれませんね。

では。

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