20歳前傷病の障害年金の仕組み

最近、年金事務所や街角の年金相談センターで受ける障害年金の相談でよく見かけるのが20歳前傷病の障害年金の請求です。

そもそも、20歳前傷病の障害年金って何?

そして、どんな病気が対象で、どのような要件を満たさないといけないの?

今日は導入部分を書いてみたいと思います。

障害基礎年金と障害厚生年金がある

日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての方は国民年金に加入しており、会社員や公務員などお勤めされている方はさらに厚生年金に加入しています。

20歳以上60歳未満の国民年金には第1号から第3号まで種類があります。

  • 第1号被保険者:自営業や学生などで第2号や第3号以外
  • 第2号被保険者:会社員や公務員など
  • 第3号被保険者:専業主婦(主夫)など第2号に扶養されている配偶者

障害基礎年金は、初診日が国民年金第1号や第3号被保険者の期間や60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間にあれば受け取ることができます。

障害厚生年金は、初診日が厚生年金の被保険者期間にあれば受け取ることができます。

では、20歳未満でお勤めをされていない場合、国民年金・厚生年金どちらの年金にも加入していないことになってしまいますよね。

この場合、20歳前の加入していない期間(未加入期間)に初診日がある方が請求できるのが、20歳前傷病の障害年金と呼ばれます。

初診日とは、その病気ではじめて医師の診療を受けた日をいいます。

どんな病気が対象か

障害年金は、知的障害や発達障害を含めほとんどの傷病が対象となります。

実際は傷病名で決まるものではなく、病気による日常生活や仕事への支障の程度で判定されます。

ただし、パニック障害や不安障害・強迫性障害・適応障害などの人格障害は原則対象とされていません。

請求が前提&書類審査

老齢年金のように一定の年齢になって年金の請求書が届くのではなく自分で請求をしないと障害年金はもらえません。

なので、障害年金をもらえる程度の病気を負っているにもかかわらず障害年金の存在を知らずに請求していない方が多いのが実情です。

また、障害年金は、提出された書類だけで支給がされるかどうかが決まります。

3つの条件を満たすか

障害年金の請求するためには、

  • 初診日要件:初診日が明確であること
  • 保険料納付要件:保険料を一定期間払っていること
  • 障害状態要件:障害の状態にあること(障害認定日=初診日から1年6か月後の障害状態で審査)

の3つをすべて満たす必要があります。

しかし、20歳前傷病の障害年金には例外があります。

20歳前傷病の障害年金は、20歳より前に初診日があり、障害等級1級または2級の障害状態にある方が対象となっています。

  • 初診日要件:初診日がいつかはっきりと特定することは求められていない
    →12歳頃、平成25年頃などおおよその時期でOK
20歳以降の障害年金は国民年金や厚生年金への加入がまたがっていることや保険料を納めなければならないのに納めていないことが明らかです。なので基本的に初診日は年月日まで特定をしないといけません。
  • 保険料納付要件:納付要件は問われない
    →国民年金未加入期間に初診日があるため
  • 障害状態要件:①20歳到達日(誕生日の前日)②初診日から1年6か月後のどちらか遅い日を障害認定日とする
    →知的障害の場合は生まれた日を初診日にしますので①になります

等級は手帳とは異なる

障害等級1級か2級にあたるかどうかですが、精神障害者保健福祉手帳や身体障害者手帳の等級とは異なります。

主に医師が記載した診断書をもとに判断されますが、請求者本人が申し立てる病歴や就労歴なども併せて審査されます。

まとめ

今回は20歳前傷病の障害年金の概要を書いてみました。

次回以降は、障害年金を請求するまでの準備や手続の方法についても書いてみたいと思います。

では。

 

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