年金相談をしていますと、今勤務している会社などを退職して年金で生活をしていきたいという方のご相談をお受けすることがあります。
その際、年金の受け取りの流れを説明させていただくついでに税金の話をさせていただくと驚かれることがあります。
退職したら年末調整してくれないの?
実際によく相談を受けるのが、「退職したけど会社で年末調整をしてくれない」というものです。
年末調整は基本的に1年間在籍した従業員に対して行いますので、年の途中で退職をした場合には年末調整をしません。
年金請求をされる際、年内中に勤務先を退職または退職予定だという話を聞くと、私は「退職したら給与は年末調整されないので確定申告が必要ですね」とお伝えしています。
そうすると、「えっ⁉」とビックリされる方が多いんです。
年末調整がされていないということは、給与から天引きされる所得税(源泉所得税)を多く引かれてしまっている可能性が高いです。
年末調整は給与から天引きされる所得税と、1年間で給与から計算した所得税との差額を調整する作業です。
これと同じ作業をするのが確定申告です。
年末調整が「ミニ確定申告」と言われる所以ですね。
年末調整がされていないということは差額の調整がされていませんので、確定申告をしないと税金を納めすぎてしまっている可能性が高いです。
この給与のほか公的年金等の分も合わせたところで確定申告を行うのが一般的です。
【事務所お知らせ】どうやって確定申告をしたらいいの?
年金相談においては退職した年の確定申告について質問されたとき、
- 退職した勤務先からもらった給与の源泉徴収票
- 公的年金の源泉徴収票
- 国民健康保険料や介護保険料の控除証明書
- 生命保険料の控除証明書
- 医療費の証明書
- 配偶者や扶養の情報
などを最低限整理して準備しておくようにお伝えしています。
毎年勤務先に扶養控除等申告書など年末調整関係書類を提出されていたかと思いますが、退職後は自分でその資料を収集して確定申告を自分で行います。
勤務先がかわって確定申告をすることはありません。
これまで年末調整だけで終わらせていた方がはじめて確定申告をする場合どうしたらいいか不安になるかと思います。
その場合、毎年確定申告時期に行われる税理士会の確定申告無料相談会や税務署へ相談に行くことをおススメします。
実際、今年の確定申告無料相談で定年退職後年金収入だけになったご夫婦がお越しになりました。
確定申告書を一から作成するのがめんどくさいとか確定申告の仕方がよく分からないという方は税理士へ依頼されるといいかもしれません。
今は国税庁ホームページにある確定申告書等作成コーナーで確定申告書を作成してe-Taxで電子で提出することができます。
数字を入力したら自動で計算をしてくれますので記入ミスがなく安心です。
最初はみんな悩む
定年退職するまで確定申告をしたことがない方ってけっこういらっしゃいます。
給与以外に公的年金を受け取れるようになりますと基本的に確定申告をしていただくわけですがその案内をすると顔を曇らせる方が多いです。
めんどくさい・どうしたらいいのかわからない・税金払いたくない…。
ただ、実際確定申告書を作成してみたら意外となんとかなったという方が多いです。
特に、年齢とともに医療費がかさむ傾向がありますから医療費控除を申告して還付を受けたいという方が増えてくるかと思います。
最初は誰だって不安です。
いや、何年やっても不安は消えないでしょう(これは税理士でも一緒です)。
まずはやってみて疑問点があれば税務署や税理士にサポートを受けてみるというのも大事なんじゃないかなと思います。
まとめ
11月以降、各所で無料税務相談会が行われますし税務署でも事前に連絡をしておけば相談対応をしていただけます。
特に確定申告時期が始まる2月以降は混雑しますので事前にわかっていることは質問をして少しでも解消しておくことをおススメします。
では。