先週、納税協会と税務署が主催する年末調整説明会に参加してきました。
家業で年末調整事務をやっているのと、当日家族が参加できなくなったため代理で行ってきました。
源泉所得税担当のときは説明をする側だったのでいまだに客席から見ている自分が不思議に思います。
当日の感想
当日は年末調整の流れの説明動画を見てから補足説明という流れでした。
この流れは毎年同じです。
今年は定額減税の話がありましたので動画は70分程度ありました。
「令和6年分年末調整のしかた」というパンフレットが配布され、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引き」のパンフレットは配布されませんでした。
動画には給与所得の源泉徴収票の話もありましたので配布されてもよかったんじゃないかなと思いました。
ただ今回の説明では、税務署が補足説明として年調減税(定額減税)についてパワポを作成して説明されていました。
この中には年調減税で気をつけてほしいところや、源泉徴収票における定額減税の記載方法について書かれてありましたのでわかりやすかったです。
私がやっていた時にはパワポ資料など使わずに口答で注意点だけを一方的に話すだけだったような気がします…。
終了後には質疑応答時間が設けられ担当職員が各席に回って対応されたりしていましたね。
不明点や疑問点があれば事前予約をしておけば税務署で個別に相談に応じる旨も説明されていたのでずいぶん親切だなと思いました。
問題点
年末調整説明会のよかった点もあれば悪かった点もありました。
動画の説明だけで理解できない
今回の動画は国税庁ホームページにある「令和6年分年末調整のしかた」の隣にある動画と同じです。
年末調整のしかたにあるのは細切れで再生できるようになっていますけどぶっ通しだったため一回聞いただけでは理解できないだろうなと。
用語も連発ですし用紙の名称も長いため聞いていて疲れてきてしまいます。
あと、動画とパンフレットがリンクしておらずどこを説明しているのか分からなくなりますがこれは例年と同じです。
なので、一度視聴しただけでは理解できないものであることは注意したいところです。
記載例がない
これは私が税務署で源泉所得税担当をしていたころから思っていることなのですが、各年末調整で使う用紙の記載例がパンフレットにほぼありません。
今年は改善されているかなと思い、扶養控除等申告書の記載例を探しましたがパンフレットにはありませんでした。
基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除等申告書(以下、基・配・所)や保険料控除申告書の記載例もありません。
かろうじてですけど、「年末調整のしかた」のパンフレットP42~43に源泉徴収簿などへの記入例ということで以下のように載ってあります(細かい…)。
しかし、扶養控除等申告書の記載例はありませんでした。
用紙の記載例については年末調整のしかたのパンフレットP8にQRコードを読み取れば見ることができます。
ただ、実際記入をするのは従業員ですがこのパンフレットを見る従業員は少ないかなと。
なので、このパンフレットだけを読んでもイメージがつかみづらいです。
改善してほしいこと
ここまでの問題点を踏まえて私が特に改善してほしいなと思うことを書いてみます。
それは、年末調整のしかたのパンフレットに、各申告書の内容説明が終わったらその記載例やチェックポイントを入れてほしいこと。
例えば、
- 扶養控除等申告書の内容の説明が終わったら、その記載例やチェックポイント記載
- 基・配・所の内容の説明が終わったら、その記載例やチェックポイントを掲載
- 保険料控除申告書の内容の説明が終わったら、その記載例やチェックポイントを掲載
ですね。
では、この記載例やチェックポイントはないのかというと別のところにあるんです!
記載例については、国税庁ホームページの令和6年分年末調整のしかたのところにある、
「給与所得者(従業員)の方用情報」に各種申告書の記載例がPDFで上がっています。
そして、先ほどパンフレットP42~43の源泉徴収簿への記入例について詳しく説明したのが「源泉徴収義務者の方用情報」にあります。
「1.源泉徴収簿及び年調計算表を使用した年末調整の手順」に扶養控除等申告書から源泉徴収簿への記入の手順が書かれているんです。
このほか、源泉徴収義務者の方用の情報には、先日ブログでもご紹介した年末調整チェック表やQ&Aもあります。
このチェック表の内容をチェックポイントとして用紙に記載すればいいんじゃないかなと思うわけです。
たしか以前は年末調整のしかたのパンフレットは、源泉徴収義務者方用と給与所得者(従業員)用の内容が入っていたのですが明確な区別は特にありませんでした。
そのため、あえて年末調整のしかたのパンフレットは概要説明だけにとどめているのではないかと思うんですが結果中途半端になってしまっている感じがします。
まとめ
ここまでの話を踏まえて年末調整の事務を担当される方や専門家の方には、以下をダウンロードまたはプリントアウトいただくことをおススメします。
- 令和6年分年末調整のしかた
- 令和6年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引き
- 源泉徴収義務者の方用情報の一括ダウンロード
-
給与所得者(従業員)の方用情報の一括ダウンロード
結局授業員から提出された申告書内容をチェックするのは担当者ですから従業員情報もダウンロードしておくといいでしょう。
私もこの4つをダウンロードして対応したいと思います。
では。