確定申告書をパソコンやスマホで提出できるようになりましたが、それでもなお税務署に行って教えてもらって提出するとおっしゃる方がいらっしゃいます。
税務署へ行けば職員さんがチェックしてくれるから正しい・大丈夫ということのようですが果たして本当でしょうか?
税務署の行列は少なくなってきている
確定申告期間は2月17日から始まっていますが、その翌日隣にある納税協会にて確定申告相談の当番がありました。
開始2日目ですから税務署も行列ができて混雑しているのかなと思いきや意外と人は少なくてびっくり。
これも年々e-Taxの利用を促している税務署とすれば望みどおりなのかもしれません。
【事務所お知らせ】確定申告期間中の税務署の状況
税務署へ行って確定申告書を作成し提出をする場合、今現在は手書きで申告書を作成するということはなくスマホを操作しながら自分で作成するのが原則となっています。
で、現場にいるのは職員だけではなく非常勤職員(いわゆるアルバイト)もいます。
なので操作方法を教えてくれた職員にいくら質問をしても正しい回答かどうかはわかりません。アルバイトの場合もありますので。
また、対応してくれた職員が所得税に詳しい職員かどうかもわかりません。
なので職員に相談をしたところで正しい回答は得られないと思ったほうがいいです。
そしてやっぱり人の行列はできないまでも混雑はしていますのでじっくり相談対応をしていただける雰囲気では決してありません。
スマホの操作ですらなかなかうまくいかない可能性だってあります。
チェックするのは確定申告が終わった後
実際、申告書の内容を改めてチェックをするのは確定申告期間が終わった後です。
明らかに集計誤りとか入力誤りがあれば連絡は来るとは思いますけど、基本は提出してもチェックされるのはかなり後になります。
そしてこの申告書は提出時にいた職員がチェックするわけではありません。
先ほども書きましたけど、この時期の税務署にはアルバイトや国税局から派遣されてきた職員や所得税担当ではない職員などいろいろな職員が対応をします。
その職員がたまたまチェックをしたとしてもおそらく数字が転記されてきているかとか送信されているかのチェックくらいで、内容まではタッチしていません。
なので、正直税務署まで行って提出をすることに意味はありません。
税務署での相談が間違っていたとしても…
では、税務署に行って職員に相談をしたので正しいと思っていたら実は間違っていたとします。
後日、税務調査が来た時に争えるのかというと厳しいと思われます。
裁判例を見ると税務署での税務相談とはこのように書かれており納税者側が敗訴になっています。
- 行政サービスの一環として、納税者の申告の一助となるように設けられているもの
- 相談者の提示した資料やその説明の範囲内で検討して、納税額や手続等を指導ないし助言を行うもの
- 税務署長など一定の責任ある者の正式見解の表示ではない
したがって、
ということです。
最終的にどのように申告をするのかは納税者の判断と責任にゆだねられていると裁判では結論づけられています。
税務署へ行き「職員に相談しながら作成した申告書は誤りなく大丈夫」と結論づけてしまいそうですけどそこまで言い切れないというのがこの判決からもわかるところです。
まとめ
今回は久しぶりに裁判例も出しながら書いてみました。
税務署へ提出に行って職員に教えてもらったので正しいから大丈夫だと比較的年配の方ほどこういう考えをお持ちのように感じます。
では。