資格試験を目指すときや、仕事に取り組むときに私が意識しているのは、アウトプットを意識してインプットをする、ということです。
資格試験なら合格するためにどうするか。
仕事であれば仕事を早く終えるためにどうするか。
その流れをいつも確認しておくようにしています。
普通はインプット➡アウトプットだけど…
通常、資格試験でも仕事でもテキストやマニュアルをまずインプットして、それが終わってから問題集を解いたり実際手を動かしてみたりしてアウトプットをします。
もちろんそれでもいいのでしょうが、いつまでインプットし続けるのか。
正直キリがないような気がします。
特に、資格試験ですと合格というものを目指すのが優先ですし、仕事でも該当する部分の仕事がとりあえず終わればいいわけです。
何が最終目的なのかを常に考えるようにしています。
具体的には、アウトプットからインプットの内容を考えています。
資格試験ですと「試験合格」という目的があるのであれば、まず問題が解けるようになることです。
過去問を見てどういう傾向があるのかを把握したり、問題集を解くためにどのようなテキストを選ぶのかを検討します。
つまり、テキストを選ぶのは合格をするための「手段」の1つにしかすぎません。
また、仕事をするうえでも同じことが言えます。
例えば税務調査。
調査官としての目的はいかに納税者を指導させるか、不正をしている事実を突き止めるかということです。
そのためには、実際に申告書や決算書を確認して怪しい数字や項目を把握したうえで、条文や内部マニュアル・質疑応答事例などを読みます。
このように問題点を把握してからテキストやマニュアルを読んだほうが理解に役立ちます。
これは人それぞれだと思いますが、私の場合は最初からテキストやマニュアルを渡されても安心してしまい一切見なくなってしまうのです。
「手元にこれがあるからもう安心だ」と思っちゃうんです。
そしていざ問題点にぶち当たっときにあわててまだ読んだことのないテキストなどを見てあたふたする羽目になってしまうのです。
過去の失敗談 「源泉徴収のあらまし」
私が源泉所得税の審理担当をしていたときのこと。
正直事務の経験年数はありましたが、内容を審査したり問い合わせに根拠をもってお答えするということは初めての経験でした。
とにかく不安で仕方なかったので、先輩にどうしたらいいかを尋ねたところ、「『源泉徴収のあらまし』を隅から隅まで確認していれば大丈夫だよ」と教えていただきました。
「源泉徴収のあらまし」とは、税務署で無料で配布されている源泉所得税の小冊子ですが、情報量が大変多くてバイブルのようなもの。
もちろん誰でももらえますし、国税庁ホームページでも公開されています。
その日から職場に1冊、自宅に1冊、通勤時間で読む用に1冊の計3冊をもらってどこでも読めるようにしたのです。
しかし、このあらましはあくまでテキスト。
実際に事例がないとイメージがわいてこないのです。
例えば、届出書の書き方や計算書など実物を確認してみないとわからないところもあるのです。
ただ文章を読んでいるだけですので、とにかく眠い。。
頭に一切入ってこなかったのです。
そうしているうちに読まなくなってしまったのです。
そしていざ職場で質問を受けたりするとよくわからないし回答できずに先輩に対応してもらうようになりました。
いくら調べようとしてもあらましのどこを見ていいのかすらわからないのです。
そりゃそうですよね、読んでないんですから。
どこを確認していいかわからないのに条文などの根拠をいくら探そうとしてもわかるわけがありません。
そうしていくうちに自分の不甲斐なさが嫌になってきて仕事がちっとも楽しくなくなってしまいました。
希望して異動した審理担当でしたがすぐ挫折しました。
いくら読んでも実践しないと意味がない
資格試験の勉強はアウトプット重視で過去もやってきていました。
しかし、いざ仕事となるとその逆をやっていたのです。
私にはそれがまったく合わなかったなと気づいたのは退職した後でした。
あまりに遅い気づきです。
インプットばかりやっても私の記憶にはほぼ残っていません。
実践をやって気づいてからインプットに戻ったほうが理解は深まると思っています。
特に今ちょうどその時期である社会保険の算定基礎届や年度更新申告書。
試験では勉強していても未経験なところでもあります。
もちろんマニュアルに目を通そうとダウンロードしましたし、社労士会の研修も受講しましたが、実際に経験してみないとわからないなと思ったのです。
事例にあたってその都度マニュアルに戻って確認する。
「習うより慣れろ」の精神です。
アウトプット重視ですので最初は間違いが多くなるのは仕方ないことかもしれませんが、インプット部分を確認する作業を繰り返すことで実力が身につくと思っています。
ほかにも、何か調べ物をしたいときには質疑応答などから似たような事例を探してから条文などの根拠法令にあたるようにしています。
事例から入るほうがイメージしやすいというのはありますね。
資格試験でもテキストに文章だけでなくて設例や具体例が掲載されているものを優先的に購入するようにしています。
まとめ
もし事例が不足しているなと思ったり、経験不足だなと思ったらネットで探してみるとか実際に経験者に相談してみて教えてもらうといいかもしれません。
ちなみに私は今、実際に社会保険労務士から仕事を教えてもらったりしていますし、税理士会や社労士会から依頼される相談業務はできる限り参加するようにしています。
実践の場所がないといつまでたっても先に進みません。
そのことに気づいたのが遅かった私。
もし私のような失敗をしたくないとか、インプットしただけで満足している人はアウトプット重視に切り替えてみるのもいいかもしれませんね。
では。
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