先日、出版社から本を買わないかというパンフレットが送られてきました。
それは「10年職歴」。
一般的になじみのない本かもしれませんが、在職している税務職員が過去10年間にどこに・どの職種で在籍していたかが分かるものです。
なぜこの本が必要になるのか。そのことから書いてみようと思います。
税務調査の時に使う
一番の使い道として、税務調査の時に調査官の経歴を知っておくということがあります。
過去10年間の職歴ですから、
- その調査官が新人かベテランか
- 国税局にいたかどうか
- 調査経験が長いのか
- 過去にいた部署に特徴があるか
を判断する材料に使われます。
実際、税務調査で事前に私の経歴を知っている税理士はいらっしゃいました。
気にしているのは税理士だけ??
ただ私が思うにそこまでこだわる必要はないのかなと。
事前にどんな人かって実際に会ってみないとわかりませんし、その経歴を知ったところでその仕事にどれだけ従事していたかはわかりません。
また、この10年職歴は国税局ごとに発行されていますので、全国対応しようと思うと何冊も必要になってしまいます。
あと、税務調査に入る事業所の規模にもよると思うのです。
例えば、大法人の場合などはしっかりとチェックしておくのもいいとは思いますが、比較的小規模法人や個人事業主までチェックしておく必要があるかというと微妙。。
実際、私が調査官の時は、現場を担当する事務員はまったく興味がなくどちらかというとその所長である税理士が気にしていた印象です。
事前に知っていたのか態度がガラッと変わる税理士もいて、横柄な態度を取ったりなめられてため口でずっと対応されたりしてつらかったことを思い出します。
職歴なんて…と思うけど
職歴はあくまでそこに在籍していたという話で、実際にその仕事に従事していたかどうかまでは正直分かりません。
また新人職員であっても調査能力に優れた職員も多いですし。
ただ参考になる部分もあって、例えば2人で調査に来た場合。
2人ともが同列の職員ではないはずです。
1人はベテラン・1人は新人だったりしますから、その人たちのことを知っておくというのは意味があるような気がしますね。
1人の場合はあまり参考にならないような。。
職歴だけで仕事ができそう・できなさそうと判断しない
これは気を付けたいところですが、職歴だけで人を判断しないことです。
仕事ができそうだからと構えたり、できなさそうだからと上から目線で話したり。
実際は会ってみたり話してみないと分からないものです。
昔調査先でとある税理士にこう言われたことがあります。
「新人だから何もできないと思ってた」と。
うれしいけどちょっと馬鹿にされたような複雑な気持ちになったのを覚えています。
職歴を見てしまうと先入観を持ってしまいがちになりますので、私はあまり見たくないかなと。
正直その職歴が分かったところで税務調査がうまく進むかどうかなんてわかりませんし。
まあ税理士と職員の話のネタにはなります。
特にOB税理士ですとこれで話が盛り上がったりしますから。
話を逸らす意味でのネタ作りで使っている税理士もいらっしゃるかもしれませんね。
調査官より上司の経歴のほうが気になる
正直私は今すぐ必要かと言われたら不要な気がします。
ただ現場に来る調査官よりその上に立つ上司(統括官)がどんな人か・経歴は気になります。
結局調査を仕切るのはその上司ですから、その判断に左右されることが多いです。
その上司が過去の調査経験が長いのかそうでないのかは意外と重要だと思います。
調査経験が乏しい上司ですと方向性がぶれてしまい調査が長引いたりします。
その場合はこちら側から「急がす」ように持っていきたいものです。
一方で調査経験の長い上司ですと、調査の進捗が早い一方でしっかり見られる傾向があります。
そんなことを考えると私ならきっと上司のほうをチェックしますね。
まとめ
今日はあまり聞きなれない本である「10年職歴」について書いてみました。
正直今すぐ買おうとは思ってません。
ただ規模の大きなところの調査立会いの依頼が来たら買ってもいいかなと思ったりしますけど。。
では。
[事務所お知らせ]
編集後記
税理士試験が終わったらもう今後の日曜日が社労士試験なんですね。
資格試験がこの時期に集中するのは仕方ないことなのでしょうか。
会場の問題とかあるんでしょうけど、もっと分散させてもいいような気もします。
特に夏に行われる試験は、外は猛暑で中はクーラーがガンガン効いて寒いくらいという状況になりますよね。
天候も変わりやすくて、豪雨に見舞われたことも過去あります。
受験生のことを考えたらもっと時期をずらすとか対策はできる気がしているのですが、どうなのでしょうか。