最近では電子申告・提出が多くなってきましたけど、いまだに、
「窓口にいる職員に見てもらって提出してきたから大丈夫!」
とおっしゃる方がいます。
窓口で提出する=職員が見てくれる=正しい、とは限らないということを今日は書いてみたいと思います。
窓口の職員は担当職員ではない
税務署を例にとってお話をしてみます。
税務署ですと総合窓口にいるのは、通常非常勤職員といってアルバイトの方です。
職員はというと奥にいます。
またこの職員は「管理運営部門」という職員で、あらゆる税目の書類処理をしています。
なので、もし法人税関係の提出物ですと、いったんこの部門で受け取った後で法人課税部門という別部署の職員が確認することになります。
窓口と管理運営部門はあくまで受付担当、と考えておいていただけたらと。
もちろん最低限のところ(氏名や住所がない、税額の記載がない)とかは確認していますけど、中身までは確認していません。
提出時にすべて判断できるわけではない
先ほども書きましたけど、名前の書き忘れとかなら気づく職員はいますけどそれすら気づかない職員もいます。
窓口の込み具合などを考えたらなかなかそこまで手が回らないかなと。
なので、提出後に不備があれば後日連絡があると思いますので、無視はしないように・また驚かないようにしましょう。
「税務署から電話」というだけでびっくりするものです。
不備はその場で指摘されるのではない
不備は窓口部門である「管理運営部門」から電話が来るとは限りません。
判断に迷うことがあれば各税目ごとの担当部署から連絡がきます。
提出時には職員は何も判断できない、という認識を持つ必要があります。
紙での提出をやめる
紙で書類を提出するときは、お住まいの住所(納税地)を管轄する税務署へ持参することになります。
職員と対面したい場合はこの方法によりますが、窓口で対応した職員に聞いても正しいかどうかわからないのならわざわざ紙で提出する必要はありません。
方法としては2つあります。
- 郵送で提出
- 電子申請する
郵送で提出する場合、令和3年7月から方法が異なっていますのでまずここから説明してみたいと思います。
内部事務センターの開設
令和3年7月以降、内部事務を集中的に処理するセンターが開設されています。
従来は、提出された各税務署で処理を行っていましたが、複数の税務署分の書類をこのセンターで集中的に処理していくことになります。
対象となる税務署は国税庁HPに記載されています。
国税庁HPには、申告書や申請書等を提出する場合の方法についてこう書かれています。
・e-Tax(データ)により提出する場合は、従来どおり所轄税務署へ送信願います。
・書面により提出する場合は、郵送でセンターへ送付願います。
(注1)所轄税務署の窓口及び時間外収受箱へ提出することも可能ですが、センターへの郵送に御協力願います。
(注2)書面の申告書、申請書等を、センターへ直接持ち込むことはできません。
・電話による税務相談や申請書、申告書等の送付依頼は、従来どおり電話相談センター又は所轄税務署までお問い合わせください。
引用:国税庁HP 税務署の内部事務のセンター化について
電子申請は所轄税務署へ送信する
一方、電子申請の場合は所轄税務署へ送信すればOKです。
というのは、電子ですとすでにデータとして入力されており機械的にチェックが可能なので、所轄税務署でも行えるというわけです。
電子申請をすれば書き間違えや入力もれは少なくなる
では、紙で提出するか電子で提出するか。
結論としては電子申請をおススメします。
正直紙ですと書き間違えや入力もれが多発しそうですが、電子申請ですと完全ではないですけどかなりミスは減らせます。
もし入力もれがあったとしても、紙のように訂正してとかはなくてデータ補正すれば終わりです。
もちろん内容的な部分まで提出時はわかりませんけど、明らかな記入漏れなどは事前に入力する段階で防ぐことができます。
郵送ですと封筒に切手を貼って、控えが必要なら2部作成して返信用封筒を同封して…と手間ばかり増えてしまいます。
それを考えると電子では送信だけすればあとは提出時の控えをPDFで残すことができますので、手続き的にも楽になります。
これは申告するときも同様で、電子のほうが明らかに手間はなくなります。
まとめ
今回は、
- 提出時に職員がチェックしていたら正しいのかというとそうではない
- 紙提出を行う場合は、内部事務センターへ送付しなければならないことがある
- 紙提出より電子申請がおススメ
ということを書きました。
窓口で職員がチェックしていても結局は各担当職員が判断します。
窓口に行こうが行かまいが関係ないということです。
では。
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