税務署からいきなり電話「税務調査をさせていただきます」ー。
労基署や年金事務所から調査の文書が来たー。
調査の連絡は突然やってきます。
「きっと調査なんて来ないよ!」と言っていると後で大変な目にあいます。
私がいつもお話しているのは、いつ調査が来てもおかしくないという意識を持つとともに、常日頃から対策を練っておくことをおススメしています。
まずは日々の確認から
税務調査ですと、確定申告書や決算書などをもとに請求書や領収書などとの数字の確認に時間を割くことになります。
また、労基署調査や年金事務所調査ですと事前に依頼されている書類を持参するという方法が一般的です。
基本的にどの調査もそうですが、「書類をきちんと作成していて、数字に根拠があるか」ということが確認されます。
- 請求書や領収書を破棄したけど元帳に経費として計上していた
- 時間外労働をするための労使協定書を労基署に届け出ていない
- 被保険者資格取得届を提出していない
など、数字に根拠もなく書類を適切に提出していない。
こういうところは役所は本当に嫌うところで、追及される原因のひとつです。
すべての調査に罰金が科されますが、一番厳しいのが追加で負担すべきお金が多額になることです。
税務調査では、追加でかかる本税が不正行為をしてしまうと7年間さかのぼりで負担することになります。
労基署調査では、もし残業代の未払いが発覚したら2年間(改正で3年間)さかのぼり。
年金事務所調査では、もし保険料の未納があればその年さかのぼって負担をする。
指定された期間だけですが、相当な金額になってしまうことも考えられます。
「とても払えない」と嘆く事業者も多くいます。
口々に言うのはきちんと書類を作成しておけばよかった、数字をきちんと計上しておけばよかったということ。
書類を作成するとか数字を計上するというのは日々の経理や労務管理などで確認をしておくことで予防できると思っています。
もちろん毎日の確認のほか、1か月・半年・1年など数回に分けて確認をすることも大切です。
決して1回だけ確認をすればいいというものではありません。
根拠資料の保管は絶対
請求書や領収書・賃金台帳・出勤簿など、書類を作成したり数字を計上したりするうえで必要な根拠となる資料があると思います。
それらの根拠資料を捨ててしまって何も残っていないとなるとどこからその数字を持ってきたのかという説明ができなくなります。
もちろんその証拠に代わるものがあればいいのですが調査官から目をつけられることになります。
「根拠資料の保管なくして説明責任は果たせない」というくらい、根拠資料を保管しておくことは大切です。
ではいつまで保管するのかということですが、税務関係と労務関係では細かく言う違います。
しかし、一般的には、
- 税務届出書や申請書:永久保存
- 確定申告書や請求書・領収書、賃金台帳や出勤簿など:7年間
が基本です。
しかし、ただ漠然と書類を保管するのでなくある程度整理整頓をしておくことは必要です。
領収書や領収書なら各月ごとにまとめておく、データであればフォルダに適切に保存しておく(来年からデータ取引によるものはデータで管理することになります)。
まとめてやるから大変なんですよね。
日々の経理や管理で毎日少しづつやっておけばまだ忘れていませんし、定期的な見直しの精度も上がってくるかと思います。
迷ったら事前に税理士・社労士へ相談する
事前に確認すると言ってもなかなかすべてうまくいくとは限りません。
こんな書類の書き方でいいのか、これどう処理すればいいんだろうか。
そんな不安は悩まずすぐに解決しておくべきです。
役所に問い合わせるということもできますが、事前に予約を求められます。
いざ役所に行ったとしても資料がないとダメだとか答えていただけないことがあります。
原則どおりの処理方法しか教えてもらえません。
税制上の優遇措置を使いたいと思って税務署へ相談に行ったらダメだと言われた。
でも後で確認したら使えたのにということも。
もし不安なことがあるならその都度税理士や社労士に相談するのが近道です。
相談もできるうえ、調査の際の対策方法や当日の調査立会い・その後の処理までお任せできる場合があります。
しかし、依頼されるとなるとどうしても料金がかかってきてしまいます。
ちょっとしたことで相談したいなと思うなら個別相談に申し込むをというのも手ですが、それでも料金は発生してくるのが普通です。
ただ私が思うに、「無料相談」「無料○○会」は正直怖いなと考えています。
無料というからには裏があります。
他のところから利益を得る仕組みになっているとか、お答えできる範囲が限られている・一般的な回答しかしないために自分の事例に当てはまらない。
もちろん親身になってお答えしていただけるところもあるかもしれませんが、私ならお金を出して相談したいと思います。
お金を支払うということは、先方はサービスをきちんと提供しなければならないという義務が発生しますので、しっかり対応しないとという気合いが入ります。
税理士や社労士の専門家にも、調査を専門にしている方やそうでない方もいます。
もし顧問の税理士や社労士がいればその方に相談をする、いないならネットで検索してみるといいでしょうね。
費用を事前に確認できる事務所もあったりしますし、税理士や社労士としての活動や事務所の特徴をホームページから確認することができます。
できれば複数の事務所を比較してみるのがおススメです。
まとめ
調査対策って私が調査官だったからというのもあるのですが、しようと思えばいくらでもできるかなと。
しかし、絶対に外してはいけないのが今日取り上げた日々の確認と根拠書類の保管だと考えています。
あくまで日々の積み重ねがあるから調査対策が活きてくると思います。
一気にやると失敗します。
コツコツとやっていきましょう。
では。
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