うつ病と診断されてからも税務署勤務を続け、休職復職を繰り返しながらでしたが15年間勤務を続けることができました。
当初体調不良になったときには誰にも相談できませんでした。
「そもそも体調が悪いってどういうことだ!」という雰囲気だったのは確かです。
迷惑をかけたくなかったですし。
でもこんなにも長期間勤務できたのは、ある時期うつ病であることを公表できたからだと思っています。
うつ病を公表してはいけない雰囲気
まだそれほどメンタルヘルスに世間の目が行きついていない時期でした。
税務署も例外ではなく、メンタルヘルス関係で休職することはとても厳しいものでした。
休職することで昇給や昇進はそこで終了ですし、復職してもたいした仕事はできません。
できるだけ公表しないでおくというのが定説でした。
私の先輩も、体調不良で入院されていたときもあえて有給休暇を取って特に公表しなかったようです。
なので私がうつ病であると公表したときには周りから驚かれました。
しかし私はその逆で黙っているのが苦痛だった。
なぜならこの職場環境と人間関係が改善すればきっと回復するだろうと思っていたのもありますし、自分の状況を知っていただきたいと思っていましたから。
ある上司や先輩から、
「出世あきらめるのか?」
「休職だなんて恥ずかしい」
と言われ続けましたが、主張できない職場の雰囲気を作ったのはそういう人たちです。
なのでその人達の言葉は無視し続けました。
公表してよかったか?
正直公表してからは周りのサポートは変わりました。
国税局のメンタルヘルス科への通院もそうですが、定期的に職場で面談をしていただき上司と仕事の方針や人間関係について話をさせていただくようになりました。
仕事もずいぶん配慮していただくようになりました。
一時期は電話対応もなしにしていただきましたし、トラブルの多い職員の席の近くには座らせないようにもしていただきました。
時短勤務もできたり、上司によっては休憩を取るように言っていただいたこともあります。
しかし、どこかで申し訳ない気持ちはずっとありました。
仕事に制限をかけるということは誰かに仕事のしわ寄せが来るからです。
自分のせいでほかの人たちの仕事が圧迫しているのではないかと。
なので、勤務時間内はなんとかこなすように心がけていました。
もちろん職員のなかにはメンタルヘルスに関心がない人もたくさんいます。
仕事を休むことすらいいように思わない方も。
でもそんな職員ほど普段はさぼっていて迷惑をかけています。
それを知っているから私は無視していましたし、話半分に聞いていました。
とにかく上司の言うことを聞くこと。
あとは上司に相談しながらでいいやと。
芽生えた職場への違和感
徐々に年数をかさね中堅職員となりました。
後輩もできましたが、私は正直自分のことで精いっぱい。
メンタル不調も相まって正直毎日しんどいなと思っていました。
でも後輩からしたら身近な先輩に仕事の質問をしたいもの。
なので無理に断るわけにもいきません。
上司からも後輩の指導くらいはできるだろうと判断されて、知らない仕事を引き受けることもありました。
指導するのはまあなんとかできていましたが、その業務を見守る=監督することが苦手でした。
それは上司の仕事だろうと考えていましたが、あまり機能していませんでした。
徐々に65歳で定年延長をした再任用職員の態度が嫌になっていったのと、若手職員が多くなりすぎて自分の時間が持てなくなり気力がなくなっていきました。
ここ10年前から職場の雰囲気は大幅に変わりました。
再任用職員と若手職員の増加により、中堅職員に大きな負担がのしかかってきている状況です。
今後もその傾向が強くなるんだと思うと、もうここにはいないほうがいいなと考えるようになりました。
体調もよくなることはありませんでした。
どこかで嫌気がさしていたのでしょう。
朝から「もう休もう!」と何度も思いながら出勤していましたし機嫌が悪い。
毎日イライラもしていましたので、このままこの職場にいたら本来の自分を取り戻すことはもうできないなと思って退職を決意しました。
公表することで働きやすくはなるが…
公表したことで勤務自体はやりやすくなりました。
無理なことはさせてはならないと思っていただけるからでしょう。
しかし、これはあくまで原則。
急ぎの仕事があるときはほとんど考慮されません。
残業禁止といっても実際はやってましたし。
先輩の仕事が遅いと手伝ったりすることもあります。
上司がいつもすぐそばにいるわけではないので、他部署の上司や先輩から陰湿ないじめを受けたこともあります。
働きやすくはなるけど、職員全員が歓迎しているかというとそうではないということ。
あいつは使えない
ずっと休んだらいいのに
と言われたこともあります。
みんなが味方だとは決して思わないようになりました。
まとめ
うつ病を公表していなかったらきっと数年で退職していたでしょうね。
なんとか続けられたのは公表したことで症状にご理解いただける方が増えたこと。
いい上司や先輩・後輩に恵まれたことも大きかったです。
もし特に自分に変化がないのならそのまま勤務を続けていてもよかったかもしれません。
人間ですから、共感していただける人とそうでない人はいます。
共感できる人を味方につけたら勤務を続ける可能性が増えてきます。
では。
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