最近よく問題になっているのが、官僚の長時間労働と職場環境です。
国会対応中は中央省庁で勤務する公務員は長時間労働をさせられていることと、職場環境が悪いということで、官僚を目指す学生が非常に少なくなってきたとのこと。
私も元税務職員(国家公務員)です。
部署によるかもしれませんけど、その原因となるものがなくならない限り問題はいつまでも残り続けると思っています。
ちなみに私のいた税務署は、基本的に残業もなく定時で帰れました。
しかし、その上の国税局や国税庁・財務省に行くと改善はされていない現状があります。
長時間労働になる原因
国会議員との対応
今問題となっているのは国会議員の対応に時間が割かれることのようです。
国会答弁の資料を官僚が作成しているとのこと。
おそらくですが、官僚でも若手が一番大変なんじゃないでしょうか。
パソコンで実際の文章を作る若手官僚、それをチェックする上司ー。
国会議員もご自身の意見で発言していただければいいのにと思うのですが。
職員も大変です。
国会待機中は仕事もなくダラダラと残っているそうですが、いざ何かあるといけないから帰ることもできないみたいです。
仕事のできる人に案件が集まってしまう
仕事をしていると仕事をする人・しない人がはっきりしてきます。
特に公務員は極端な話、事件を起こさない限り辞めさせられることがありません。
出世しなくても幹部とそれほど変わらない給与をいただいている人も多いです。
下手に出世して責任を負わされるより、適当に仕事していたほうがいいや!という職員が非常に多いです。
そんなやる気のない職員に仕事をもし任せてしまったらどうでしょうか。
- 一から教えなければならない(そもそも仕事をやったことがないから)
- 文句を言ってくる(なぜやらないといけないのか)
- 時間がかかる(どうでもいいと思っているから)
最後の時間がかかるというのが大問題で、急ぎで!といくら言っても関係ないのでまったくのマイペース。
そんな人を先輩に持ったりすると大変です。
上司からしたらその先輩の仕事の遅れを誰かに助けてもらわなければなりません。
そうなると必然的に仕事の処理が早い職員につけが回ってくるわけです。
もし自分が中堅職員だったとしたら先輩の仕事もあり、若手への指導もあって無意味な残業が増えたりしてしまいます。
そりゃ辞めたくなるわなと。
決裁手続きが複雑化・細かすぎる
文書を作成する機会が非常に多く、その都度上司に決裁をいただく必要があります。
その決裁を省略できることはなく、最近ではさらに細かくなってきています。
もちろん大切なことではありますが、あまり意味ないよねというものも。
電子決裁も導入されてはいますが、正直使いこなせていないのかなと。
私が退職する少し前から文書発送をするときに、中身を別の職員がチェック後上司が確認してから封を閉じるという方法になりました。
誤発送が一時期多かったからなのですが、「うーん、めんどくさすぎるよ」とずっと思っていました。
紙の書類でのやり取りが多すぎるからこんなことになるんだろうと。
わざわざ周知用のパンフレットや案内文書まで送らなくてもいいですしその中身までダブルチェックするのは無駄だなと。
お客様にとって本当にお伝えしたいものだけ文書を確認すればいい話だなと今になって思います。
職場環境が悪い
古臭い「扱いの差」
もともと国税職員は、高卒職員しかいなかったですが、徐々に大卒職員の採用も多くなってきて今では大卒職員が多くをしめるようになりました。
しかし、いまだに高卒職員が国税組織のメインです。
高卒職員だとしても優秀な職員はたくさんいらっしゃいます。
働きながら大学を卒業され大学院まで行かれた方もいらっしゃいますし、そうでなくても仕事のすごくできる職員はたくさんいらっしゃいます。
しかし、ごく一部には大卒職員を馬鹿にしている人もいます。
- 大卒なのにできないのか
- 高卒のほうが気が利くわ
と言われたことも。
年配の高卒職員ほどちょっと敵対心を持っているという印象です。
ちなみに私は何とか高卒職員の先輩と仲良くさせていただきました。
でもやっぱり国税局以上になるといまだにこの差別というものがあるような気がします。
飲み会の多さ
飲み会が非常に多いのがどの職場でも言えることなのかなと。
コロナ禍でずいぶんと飲む回数が減ったようですけど、緊急事態宣言中でも官僚が飲食店で深夜まで酒を飲んでいたというニュースもありました。
私はまったく驚かないんです。
なぜならたぶんほかにもやっていると思うから。
あんな大人数じゃないけどおそらく4人くらいなら大丈夫だろうと。
2次会禁止っていうことにはなっていますけど、まず守らない。
正直私は下戸ですしそもそも飲み会が苦手ですので、早く帰れないかなと思ってしまうのですが、上司が帰らないという以上は付き添うのが原則です。
上司が酔いつぶれたら自宅まで誰かが送り届けます。
ある人は、ちょっと飲んだ後に仕事に戻って朝方に帰宅し早朝にまた出勤という生活をしていたことがあると聞きました。
融通が利かない
組織である以上は柔軟な対応がまったくできません。
いまだ電話でしか連絡は取れません(FAXも禁止です)。
メールすら使えないのはやっぱり問題じゃないかなと。
紙の書類が多すぎることや、処理文書も多いし細かい。
もっと柔軟な対応ができたら仕事も減るのにと思うのですが。
今までは誰かが尻拭いをしてきたから
ここ最近になって官僚の長時間労働などがニュースに出てくるようになりましたが、これまでは職員数も多くて誰かが尻拭いをさせられてきたんだと思うんですね。
しかし、団塊世代が大量退職して人手不足が明るみになってくると、仕事のできる人に仕事が集中してしまいます。
仕事のできる人はほかの仕事でも充分やっていける人。
どこかでアホらしくなって退職していくでしょうね。
できる人がいなくなるとどうしても時間がかかる、ミスが多発する。。
人手不足だから大量採用すればいいや、はまた違うと思います。
いくら大量に人を増やしてもその仕事にやりがいを感じ、このままずっと続けていける職場にならない限り人はどんどん流出していくでしょう。
サービスの質を見直す前に人間を見直そう
「サービス向上に努めます」という言葉は、役所でもよく聞かれています。
しかし、仕事に忙殺されストレスがかかった状態で長時間いるとどこかで爆発します。
サービスの質を見直す前に、自分の仕事についてもっと考えたほうがいいんじゃないかなと。
自分の仕事の進め方に違和感がないか。
誰かに任せられないか。
そもそも仕事を減らせられないか。
上司や後輩を巻き込んでもいいと思います。
中から変えていかないと変わらない。
まとめ
よく国税庁ホームページを見るのですが、パンフレットの正誤表が退職する数年前から一気に増えたんですよね。
以前からすごく気になっていて、ひょっとしたら仕事が忙しすぎて対応できていないのかなと。
パンフレットにする前に上司のチェックは入らないのかなとか思ったり。
組織全体忙しいのかもしれませんね。
退職した今だからこそ職場環境の改善を含め公務員がいい職場になってもらえたらいいなと感じています。
では。
[事務所お知らせ]
編集後記
実は、先週から体調不良が続いています。
社労士の相談業務がとてもつらくて。
そのことを考えるとしんどくなってきて夜眠れないのです。
希望したはずなのに実際やってみないと分からないものです。
先ほど連絡をしてキャンセルしました。
今後どうするのかしばらく考えます。