11/22に所属している社労士会支部の研修が行われ、登録してまもない私が研修講師をさせていただきました。
研修講師自体は税務職員のときに何回かはあります。
しかし、同業者向けに講師をするというのはもちろん初めて。
正直私よりはるかに実務経験も豊富な社会保険労務士の方ばかり。
講師のご依頼をいただいたときに、さてどうしようかとまず考えました。
社労士向け?社労士が持つお客様向け?
テーマは「インボイス制度と年末調整について」でした。
税理士会で説明会も行われていますし、社労士会でも問題になっているインボイス制度。
時期的なこともあって年末調整についても取り上げてほしいということでした。
ただ、研修相手は社労士ですのでどこまでのことをお話したらいいのか正直分かりませんでした。
インボイス制度に関しては社労士県会からもパンフレットと動画を見ておくようにという指示もなされており、社労士ご自身ですでに勉強されているかもしれません。
すでに知っていることをまた説明するのもどうなのかなと思ったり、でもお忙しくてそもそも理解がまだという社労士もいらっしゃるかもしれませんし。
また、年末調整についても社労士の関与度合いによって変わってくるのかなと。
基本的には税理士が年末調整を行いますけど、給与計算を社労士がやっていると一緒にされていることも多いです。
一方で、社労士自身ではなくお客様から質問されたときに概略だけでもお話できるようにしたいという方もおられます。
インボイス制度も税理士にお任せ、年末調整も業務で関与していないとなるとお客様にいかに説明するかだけ考えればまあなんとかなるなという場合もあります。
正直どこをターゲットにしてお話をすればいいのか非常に悩みました。
注意点を中心にお話する
結局私が出した結論は、社労士向け研修だから注意点を中心にお話してみることにしました。
インボイス制度に関しては社労士会で配布されている資料を、年末調整については国税庁ホームページにある資料をもとにしてパワポ資料を作ることにしました。
パワポ資料には、資料の該当ページを記載して注意点をピックアップして箇条書きにしておきました。
なんのひねりもないパワポ資料です。
今回の研修で私に与えられた時間は1時間しかありませんでした。
2つのテーマのすべてを取り上げるのは困難でしたので、税務職員時代の経験や今回新たに勉強した点を踏まえてポイントをかいつまんでお話することにしました。
工夫したところ
パワポ資料は正直まったくひねりはありません。
箇条書きにしただけなので。
ただ、インボイス制度についてはもともとあった社労士会の資料の順番を入れ替えて自分なりに重要そうだなと思うところを抜粋して資料化しました。
インボイス制度の注目点は免税事業者に与える影響です。
社労士会の資料では後半にありましたが、あえて最初に持ってきたり…。
あとは自分なりにまとめたフローチャートを入れてご理解いただければいいなと思っていたのですが。。
研修終了後の質問
研修自体は予定していた1時間より若干早く終了しましたので、質問をお受けすることにしました。
やっぱりインボイス制度そのものについて不満を述べられる方がいらっしゃいました。
- 請求書等に記載された登録番号が正しいのかどうかいちいち確認をしないといけないのか
- 登録番号がないと税務調査ですべて否認されてしまうのか
- 手続きが面倒
など。
確かに登録番号を確認しながら仕入税額控除になるかどうかを判断する時間や余裕があるのかどうか。
登録番号を検索するサイトが国税庁ホームページにあるという説明はさせていただきましたけど。
やっぱり一番気になるのは税務調査への影響についてでした。
登録番号がないからその請求書を仕入税額控除に含めていたら即否認されてしまうと。
まあ考えられなくもないでしょうけど、そこは正直わかりませんよね。
調査官本人次第ということもありますし。
ただそういう制度になった以上、登録番号についても確認するほかないのかなと思ってその旨ご説明させていただきました。
そして、しれっと簡易課税制度を適用している事業者はインボイス制度の影響はあまり受けない旨を説明をしたところ、そもそも簡易課税制度を知らないという方がいて…。
私の説明もよくなかったんです。
「簡易課税制度なら相手先から請求書等を受け取り支払う場合、仕入税額控除を請求書から拾い上げて計算しないので影響がない」と言えばよかったんですけど。
言葉足らずで逆に混乱させてしまった感があります。
簡易課税制度からご説明する必要もあったのかなと反省しております。
(あえて簡易課税制度のことを省略してもよかったのかなと)
ただ最後支部長にまとめていただいたので質問会は終了することができました。
帰り際、年末調整の扶養の判定時期でご質問をいただきました。
皆さんやっぱり疑問点はそれぞれおありなんだなと思いましたね。
講師をやって質問をお受けすると勉強になる
今回改めて感じたのは、講師をやってみてただお伝えするのではなく後から出てくるご質問にお受けして意見や疑問点をお伺いするのも勉強になるなと思ったんですね。
生の意見や疑問点です。
ご自身の身の回りで起こっている問題や、この研修をお聞きになって違和感を覚えたことをご質問いただくことで、私も気づくことがあります。
今回も反省すべきところがたくさんありました。
疑問点が出てくるということは、そこがもっと知りたかった・教えてほしかった部分なのかなと。
帰宅後すぐにOneNoteに研修の感想とお受けした質問について整理しておきました。
ただ前に出て一方的にお話するのはまだ気楽です。
「質問しないで!」と心の中で思うのは私だけでしょうか?
でも、ご質問をいただくことで自分の勉強にもなるんですよね。
新たな発見もできましたから講師をお受けしてよかったです。
まとめ
今回は研修講師をやって感じたことを書いてみました。
人前で話すことすら苦手だった私が講師をやっているのも不思議な感じです。
でも税務職員中に何度もやらされましたので慣れてしまいました。
話している最中はまったく緊張しませんし。
しかし、その後の質問対応はいつも緊張しますね。
今回は特に社労士向けでしたので、するどい質問が飛んできそうでひやひやしていました(実際ありましたし…)。
そんな経験を踏んでいくことで自分の勉強になっていくのかなと改めて感じました。
では。
[事務所お知らせ]