12/17、税理士試験の合格発表がありました。
私は税務署勤務をしながら受験していましたので、合格発表日も普通に仕事をして土日の結果通知が届くまでドキドキしていたものです。
簿記論と財務諸表論に合格して税法科目は勉強したものの法人税と消費税は不合格に終わり、その後勤続年数による税法科目免除により税理士になりました。
では、今もし税理士試験を受験したとして、税法科目は何を選択していただろうなと思うところを書いてみたいと思います。
実務重視か試験重視か
そもそも論として、税理士試験にも「2つの戦略」があると考えています。
正直私はどちらも理にかなっていると思っていて、実務ではどっちみち勉強はしないといけません。
ただ1年でも早く合格することに越したことはありません。
なので両方の視点で考えてみたいと思います。
実務重視なら国税4法
実務重視なら、国税4法(法人税、所得税、相続税、消費税)のうち3つを選択するでしょうね。
国税4法は必ず使います。
ただ、試験と実務は別物だということ。
正直試験で問われることはごく一部ですし、範囲もまったく異なりますので。
ただ、私なら相続税はこの中では優先度高めです。
なぜなら、税理士試験でしか選択できない科目だからです。
どういうことかというと、法人税・消費税・所得税は公認会計士試験の租税法で勉強できるため、公認会計士でも勉強はしてきます。
もし差別化を図っていくのなら相続税は外せないかなと。
でもあくまで試験ですから自分で相続税の勉強をするとか実務を積むということはできるかなと思います。
私は正直実務でも経験がなく自信がありませんので、今のところ相続税業務はやっておりません。
試験重視なら所得税をメインに
税法科目のうち、法人税と所得税はどちらか1科目は必ず受験しなければなりません。
正直どちらも受験したいなと思うところですが、私なら所得税を選択していると思います。
なぜなら、法人税より所得税のほうが自分の生活に密着しているのと、法体系がとても整理されていると感じるからです。
要は勉強していて理解しやすい。
さらに、試験合格を考えると住民税も選択しているでしょうね。
住民税は所得税を計算したうえで賦課されてくるものですので、所得税と重複するところがあり勉強ボリュームはかなり少なくなります。
所得税・住民税ともTAC税理士講座で勉強していて、住民税のボリュームの少なさに驚きました。ただ受験自体はハイレベルな戦いになるんだろうなとも思いました。
また試験合格重視とはいえ、所得税と住民税を知っておくというのは意外と有利だと思っていて、今実務をやっている税理士の多くは法人税を選択しています。
受験生の多くは所得税を選択しないんですよね。
私は正直法人税は大手の会社を除きそれほど複雑な処理は要求されないと思っていて、それよりも所得税のほうが重宝される時代が来ると考えています。
誰もやらないところに目をつけるというのもありかなと。
あと1科目は消費税か相続税のどちらか。
試験重視だとしてもどちらかは選択しておきたいかなと思います。
私なら所得税、住民税、消費税か相続税ですね。
税理士試験に何年も費やすのか
ずっと勉強はし続けなければなりません。
私も試験合格をしていないことにコンプレックスを持っていて、TAC税理士講座や実務講座で税法科目の授業を受講していたことがあります。
もちろん理解できましたし勉強して損はなかったのですが、やっぱり実務で触れないと身につかないことが多い。
結局、今はテキストより実務書、特に事例集を読み込んだりしています。
税理士試験は5科目合格までかなりの年数を費やされている方が多いようです。
仮にどうしても実務優先の科目を3科目選択して10年かかった場合、最初に受験した税法科目の内容を忘れてしまわないか心配なんですよね。
もちろん会計事務所等でお勤めで普段から実務でも使っているのならいいんでしょうけどすべての人がそうではないと思うのです。
忘れるくらいならとっとと試験に合格してあとでじっくり実務を積んでいったほうがいいような気もします。
あとは、将来設計ですね。
早く独立したいのなら試験を優先するでしょうし、勤務も含めていずれ独立したいと考えるのなら実務重視でしょうし。
まとめ
今回は私が仮に今税法科目を受験するなら何を選択しているのかについて書いてみました。
実務重視か試験重視か正直決めきれませんでした。
ただ早く独立する前提なら試験重視で、所得税+住民税+相続税を選択しているかなと。
私が住む地域では所得税が理解できていないと仕事にならないです。
あとは消費税と贈与税。
逆に法人税のご質問はほとんどありません。
もちろんお仕事されている規模によって変わりますし一概には言えません。
なのでこれからの確定申告期は特に気合いが入ります。
では。
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