発売前から気になっていた本を購入しました。
有名なハンドブックタイプの「税務ハンドブック」や「税務インデックス」のような感じの本なのかなと思って一度見てみたいなと思いました。
この大蔵財務協会の「税務必携タックスファイル」。紹介文としてこのようなことが書かれてあります。
事業経営者や経理従事者等にとって、税と社会保険の知識は必要不可欠であり、幅広い知識が求められます。本書は、体系的かつ簡潔明瞭に、「各税を網羅的に解説した見やすい書籍」、「携行できるコンパクトな書籍」というコンセプトで、主に税務大学校研究部に勤務経験のある税理士が集まり、「知りたいことがすぐわかる」ように編纂しました。また、主要な租税(所得税、相続税、贈与税、法人税、消費税及び地方税)について、原則的に「1納税義務者」「2課税物件」「3課税標準」「4税額算出方法・税率」「5申告・納付」を共通項目として整理し、単体での理解だけでなく、体系的な理解ができるように構成されています。
ポイント。
「税務大学校研究部に勤務経験のある税理士が集まり」作成されたこと。
今まで国税OBが集まってこういうコンパクトな書籍を作ったことがなかったような気がするのです。(おそらく)
私は税務職員のころからコントロール社の「税務ハンドブック」を使っていました。
その後、社労士に合格してからは清文社の「税務労務ハンドブック」と両方使っています。
税務署内部で参考図書として購入できるのは、税務研究会の「税務インデックス」のほうでした。
今回、「税務必携タックスファイル」を購入し気づいたことを書こうかなと思います。
見やすい・整理されている
表形式になっているところが多く、体系的に整理されています。
課税要件等一覧(横串表)なるものがあり、主な租税について共通項目ごとに整理されています。
概要や計算方法納税義務者や課税標準・申告納付など。
アウトラインがつかめるのでとても分かりやすいです。
また、本題の各税目についてもやはり税務大学校研究部(教授)でいらっしゃった方だからか、随所に税務大学校で使われているテキストの引用がなされています。
税務大学校とは、国税職員として採用された新人職員が研修をするところです。
そこで使っているテキストは、これら税務大学校研究部に所属する職員(教授といいます)が毎年作成しています。テキストは「税大講本」といい、ホームページでも見れます。
新人職員向けに書かれているために分かりやすく図解も豊富です。
こちらのものはその表現や図解を取り入れているため、経験が少ない会計事務所職員の方や税務署職員にも理解しやすい本だなと思いました。
【事務所お知らせ】他のハンドブックより詳しいところがある
他のハンドブックよりページを割いて説明されているところがあります。
特に、以下の3つは詳細に書かれています。
- 国税通則法
- 国際課税
- 税務調査等
国税通則法は、基本となる税目ですが知らないことが多いものです。
国際課税もここまで深く書いてあるものはないのではないかと。
税務調査の傾向やポイントがまとめられてあるのもないと思います。
前にこの本を参考に税務調査の傾向について書かせていただきました。
また、所得税の年末調整の際に使用する「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」もこの本には収録されています。
他のハンドブックでは見ないので。
逆にざっくりなところも
他の税目では所得税と地方税があっさりまとめられています。
おおまかな把握とか計算式や数字のチェックにはいいと思いますが。
所得税の税額表も収録されていますが、給与の月額表と日額表はあるものの、賞与の算出率表は収録されていません。
源泉徴収関係は収録が少ないです。(報酬料金の源泉徴収、非居住者の源泉徴収はありません)
他のハンドブックとの併用で解決
もちろんハンドブックですので全てを網羅するなんてできるわけがありませんし、それは求めてないです。
ただ、自分が実務でどう使っていきたいか、どの情報が必要か自分で選択すれば済むのかなと
そう思ったので、購入した本を裁断してバインダーに閉じ、そこに他のハンドブックの内容を整理して書きこみしたりルーズリーフに貼り付けて鋏み込むようにして、自分の資料を作りました。
前から作っていた税務調査や確定申告書作成のチェックシートなどもそのバインダーへ。
そして、1冊の自分だけのまとめノートができました。
もちろんエクセルなどでまとめているのもありますが、1冊くらいは紙のものもあっていいのかなと。
まあいくつかあるハンドブックの寄せ集めですけどね。(苦笑)
まとめ
今回は、最近購入した「税務必携タックスファイル」について書きました。
私は裁断などして自分のまとめノートとして使っています。
ハンドブックは読み物ではないというのが普通かもしれませんが、この本は読めます。
経験の浅い方も読みやすいのかなと。
体系立ててあるのが一番魅力的かなと思ったりします。
では。
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