今回提出・納付した所得税の確定申告書。
その申告書の内容が市区町村に伝わることで住民税や事業税が計算されることになります。
そのほか、健康保険をかけていない自営業者などにはその申告内容をもとに国民健康保険料(税)も計算されることになります。
所得税の確定申告が済んだから終了!
ではなく、その後住民税や事業税・国民健康保険まで影響が出てくることになります。
今回は、住民税・事業税・国民健康保険について書いてみたいと思います。
住民税について
住民税とは、前年の所得税にもとづいてお住まいの市区町村で計算されるものです。
なので、令和4年3月15日が期限の令和3年分の所得税確定申告書を提出すると、その申告書データが各市区町村に送付されます。
それをもとに住民税を計算して通知がされます。
あくまで住民税は各市区町村が計算してくれますのでご自身で計算する必要はありません。
しかし、いくらくらいかかるのかある程度計算しておきたいもの。
住民税は、市町村民税と道府県民税から成り立っており、その中で住民が均等に負担する「均等割」と前年の所得の金額に応じて負担する「所得割」があります。
各自治体ごとに均等割と所得割は決めることができますので多少誤差は出てきますが、標準の税率というのが決まっています。それを標準税率といいます。
まず均等割ですが、市町村民税3,500円と道府県民税1,500円の合計5,000円となっています。(復興税500円がそれぞれ加算されています)
また所得割ですが、市町村民税は6%・道府県民税は4%となっています。
ですので、まず前年の所得金額が分かれば、
で住民税の概算額がわかります。
ただし、均等割や所得割が課されない人もいます。
また、所得税における生命保険料控除や配偶者控除・扶養控除などの所得控除は住民税にもありますが金額が多少違います。
それを調整する規定が別に設けられていたり、ふるさと納税の規定など住民税特有のものがありますので、詳細に計算しようとすると大変です。
しかし、お住まいの各自治体のホームページには住民税概算額をシミュレーションしていただけるものもありますので確認してみるといいかもしれません。
ネットで「住民税 シミュレーション」と検索するといろいろ出てきます。
ちなみに和歌山市と大阪市は同じシステムのようですね。
その計算した税額ですが、市区町村から道府県民税と市町村民税の合計額を6月・8月・10月・1月の4回に分けて納付していきます。これを普通徴収と言います。
その際は納付書が市区町村から送られてきます。
一方、給与所得だけの人であれば特別徴収といって、市区町村が会社に通知した税額の×1/12を毎年6月から翌年5月まで、会社が毎月の給与の支払の際に徴収し納付します。
事業税について
事業税も地方税として納めていく税金です。
前年の所得金額をもとに事業ごとに決められた税率をかけて計算をします。
税率は以下のように分けられていますが、基本5%だと覚えておけばいいかなと。
畜産・水産など:4%
医・理美容・クリーニング・自由業等:5%
あんま・はり・マッサージ業:3%
ただし、事業税を計算するときの所得金額は所得税のものとは異なります。
大きく違うものとして、
- 所得税の青色申告特別控除は控除しない
- 事業主控除(年290万)が差し引ける
というものがあります。
計算式にしてみると、
で事業税が計算されます。
つまり、事業主控除で年間290万円ありますのでそれ以上の所得がないと事業税は発生してきません。
ちなみに、納める時期は8月と11月で納付書により納付します。
国民健康保険料(税)について
国民健康保険料ですが、これは自営業者の方など健康保険に加入していない方が入らなければならないものです。
病院に行ったら保険証を見せると3割負担になったりしますよね。
自治体によって国民健康保険税という税方式で納めることになっているところもありますが仕組みは料でも税でも基本的に同じです。(以下、料で説明)
国民健康保険料は、世帯の世帯主が支払うことになっています。もし家族の中の誰かが国民健康保険に加入していたとしても世帯主が支払うことになります。
ちなみに計算方法についてはお住まいの地域によって差がありますが、
の4つの合計額が1年間(4月から翌年3月まで)の保険料になることが多いです。
ちなみに、この中で前年の所得に影響するのが所得割です。
所得割とは、国民健康保険加入者全員の前年の所得に一定率をかけて計算したものです。
この前年の所得とは所得税で計算した所得金額ですので、個人事業主であれば自営業者ですので所得金額により国民健康保険料も影響を受けることになります。
ただし、所得金額が少ない場合は保険料額が安くなったりしますので各自治体からの情報を確認していただければと思います。
まとめ
今回は所得税で計算した所得金額が影響を受ける、住民税・事業税・国民健康保険料について書いてみました。
意外と多いですよね。
安心したとしても納めるものはほかにもあります。
今後の資金繰りの予測をしておくというのも大事になってきます。
では。