相談会などでお会いするお客様から、
「これって経費にしてバレないですか?」
「保険料支払わなくても大丈夫ですか?バレませんか?」
と聞かれることがあります。
税理士・社労士に確認して安心感を得たいのかもしれません。
しかし、まずその質問を専門家にしてくる時点で「アウト」だと思っています。
バレる=ごまかそうとしているのはダメ!
そもそもバレるかどうかを聞いてくる段階で、ウソをついてごまかしてやろうという意図があります。
先ほどの相談ですと、経費にしてバレないかどうかというのは、本来経費じゃないものを経費として計上し利益を少なく見せようとしています。
また、社会保険料だと、本来厚生年金に加入しなければならない従業員を国民年金のままにしているということもあるかもしれません。
法律でやってはいけないことをやることは違法行為であり、その時点では大丈夫だと思っているのかもしれませんけど後に重たい罰金になって跳ね返ってきます。
税金も保険料もそんなに払っていないから多少ごまかしても大丈夫だって思うかもしれませんが、その考え自体やめたほうがいいかなと。
例えば、令和3年分の所得税確定申告は令和4年3月15日が期限でしたね(延長は4月15日)。
もし令和3年分で経費を意図的に多く計上してみた場合、おそらく税務署はすぐに動いて来ないかもしれません。
しかし、3年~5年の間隔をあけて忘れたときに税務調査が来るかもしれません。
経費をごまかして計上した場合は不正ですから「重加算税」という罰金が課されるうえ、期間が過ぎている分の延滞税も課されます。
場合によっては刑事告発されることもあります。
保険料も同じように是正書や追加保険料の徴収がおこなわれ、最悪の場合は事務所名公表などの措置が取られてしまう可能性もあります。
「バレないようにする」という発想もやめておく
では、「バレないようにするにはどうしたらいいですか?」という相談が来たとしてもそんな甘っちょろい考えはやめてください、とお伝えしています。
自分ではうまくバレないようにできたと思っていても、他人から見たら一発でわかるということもあるでしょう。
例えば、旦那はバレないように不倫をしているつもりだけど妻はすべてお見通しで後でバレて謝るという、ドラマのワンシーンのようなもの。
これって調査対応しているとよくある話で、バレないようにするなんて不可能です。
年数がたつと忘れてつじつまが合わなくなっていく。
そして調査で指摘され大打撃を受ける。
そんな風景を毎年のように見てきました。
家族離散や取引の停止などで事業が行き詰まるケースも中にはあります。
そもそもバレないようにするという発想自体が間違っています。
バレないようにってダメに決まっています。
やるならご自分の判断でどうぞ。
専門家はきっとダメだって言いますから。
バレるかどうかを聞いてくる方との距離を置く
そもそもそんな相談をされるお客様とお付き合いをしたいとは思いません。
私の事務所HPにある「当事務所の特徴」にも書いていますが、脱税やごまかしの相談は一切お断りしています。
バレないようにしたいと質問してくる人なんていないって思われるかもしれませんけど、税理士会などの無料相談ですと普通にいます。
税務署で勤務しているときも質問されたことがありビックリしたことを覚えています。
調査来たらどうするのって(苦笑)。
事業の厳しさゆえごまかして税金を少なくしたい、保険料の負担をしたくないという発想が出てくるということなのでしょう。
しかし、ダメなものはダメ。
そこはしっかりと線引きをしておかないといけないなと思っています。
それでお客様からの依頼がなくなってもいいと思っています。
だってやってはいけないことですからね。
バレないようにってまず無理です。
情報はすでに役所に握られていて行動に移していないだけ。
ウソがばれてしまった原因をさぐる人もいますが、そもそもそんなウソがばれるようなことをやった本人が恥じるべきです。
冗談交じりに聞いてくる場合でも私はお答えしませんし、その人とは距離を置くようにしています。
まとめ
バレないですか?バレないようにしたいのですが?という質問を専門家である税理士・社労士にしてくる段階で問題だとは思います。
でも一定数いるのは確かです。
やってはいけないのは分かっているけど、「ちょっとだったら大丈夫でしょ?」という安易な考えによるのかもしれません。
「塵も積もれば山となる」とありますが、たとえ金額は少なくても不正は不正です。
1つの不正から調査が厳しくなっていく可能性があります。
きちんとやっておけばよかったと後悔する前にバレるようなことはやめましょう。
では。