自動車整備業の経理ポイント

今回の記帳指導で自動車整備業の方がいらっしゃいます。

経理をするときに多いのは、自動車の車検費用や修繕費を支払ったという場合ですが、今回は受け取る側の話です。

自動車整備業の経理ポイントは、整備における入金関係だと思っています。

自動車整備業の経理ポイント

自動車整備業といっても板金塗装をする場合や自動車を整備した後自分で販売する(中古車販売)をする場合もあろうかと思います。

ここでは、一般的な自動車整備業ということでお話を進めていきたいと思います。

以下の仕訳例の金額については、架空のものですのでご了解ください。

売上

売上のポイントとしては、

  • 売上の計上時期の確認
  • 整備における入金関係

があります。

【事務所お知らせ】  

売上の計上時期

1つ目の売上計上時期ですが、これはどの業種でも確認すべきことだと思います。

売上の計上時期としては、原則として引き渡しがあった日とされています。

つまり、入金時ではないということです。

自動車整備業の場合、

  • 見積り
  • 相手から自動車を預かる
  • 整備
  • 請求
  • 入金

という流れになろうかと思いますが、整備という作業が完了した時に売上を計上することになります。入金時ではありません。

したがって、12月末の段階ですでに作業が完了しているけどまだ入金されていないものも売上に計上しなければなりません。

その場合は、入金がまだありませんので、売掛金(未収金)で仕訳をして入金時に相殺することになります。

以下、仕訳例を見てみます。

  • 12月末に作業が完了しているが未入金の場合
借方 貸方 摘要
12月末 売掛金(未収金) 売上 〇〇整備代など
  • 1月〇日 作業完了分について相手から入金があった
借方 貸方 摘要
1月〇日 現金預金 売掛金(未収金) ○○整備代入金

整備における入金関係

今回のポイントはここです。

先ほどの売上計上時期にも関わってきます。

車検をお願いすると、請求書には以下のような項目が書かれているかと思います。

①整備料、手数料

②自賠責保険料

③検査登録印紙代

④自動車重量税

これらを受け取った場合、①と②~④で大きく考え方が違います。

①整備料、手数料(事務手数料など)は、自分が作業をしたことに対して受け取るものですので、売上になります。

一方で、

②自賠責保険料については、保険会社へ支払う部分を相手からいったん預かっているだけ
③検査登録印紙代も、登録印紙代を相手から預かっているだけ
④自動車重量税も、税金の支払分を相手から預かっているだけということになり、②~④は、売上ではなく預り金として処理します。

では、仕訳例を見てみます。

  • 10月1日 自動車整備を行った。整備料50,000円、手数料5,000円、自賠責保険料6,000円、検査登録印紙代4,000円、自動車重量税3,000円を受け取った場合
借方 貸方 摘要
10/1 現金預金            68,000 売上-  整備料       50,000 自動車整備料
売上- 手数料     5,000
預り金-自賠責          6,000
預り金-印紙代     4,000
預り金-重量税     3,000

売上と預り金と仕訳をするだけでもいいのですが、会計ソフトですと補助科目の設定ができます。

売上や預り金の内訳(例:預り金-自賠責)などを作って管理しておくほうがいいのかなと感じます。

特に預り金の場合、この後保険会社などに支払っていくことになります。

その場合、どこに・いくら支払ったかというのを記録しておくことで、支払いもれを防ぐことができます。

  • 10月20日 保険会社などに自賠責保険料6,000円、検査登録印紙代4,000円、自動車重量税3,000円を支払った
借方 貸方 摘要
10/20 預り金-自賠責          6,000 現金預金        13,000 ○○会社
預り金-印紙代     4,000
預り金-重量税     3,000

 

まとめ

ほかにも経費や残高管理などがありますが、これは一般的な事業所得者とそれほど変わらないかなと。

注意を要するのは売上だと考えています。

では。

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