開業したら一番気になっていることがあります。
きちんとした態度でお客様と接することができるかどうか。
依頼を受けた時に、判断に迷わず意にそぐわないことであればお断りできるのか。
お客様の意見に耳を傾けつつ自分の判断を下したいところです。
これまであまりやってこなかったことをこれからはやっていかなければならないのかなと思っています。
学生時代から税務署勤務時代
はっきりとお断りすることが得意ではありませんでした。
人の顔色をうかがって、その人の機嫌に合わせて物事を判断することもありました。
もちろん、税務職員の時は職務専念義務というものが課せられていますので、自分がやりたくないと思っても従わざるをえませんでした。
上司から無理難題を言われても、それにできるだけ近づけられるように努力するようにしていました。
ただ時には反発することもありましたし、喧嘩になったこともあります。
なぜそういうことをしなければならないのか、なぜこういう風に処理する必要があるのか、という説明を求めても、上司から「何も言わずやれ」と言われたらムッとしたものです。
他部署の話も納得できなければ話すこともありましたし、上司に別の方法があるのではと提案したこともあります。
書類チェックの方法や、申告書処理の方法など。
しかし、上司の意見が最優先。納得できない私もひねくれていたな、と当時を振り返って思いますね。
税務調査や内部事務でのお客様対応
お客様対応をするときに、無理難題を言われることがありました。
こういう処理は課税されないという税務署側のお墨付きがほしいと。
実際には税務調査でお伺いした時に、判断するのが通常です。
事後に起こりうるであろう税務調査のための保険で事前に確認しておきたいとおっしゃる方がいます。
もちろん、その事実がすでに発生していれば対応ができるかもしれませんが、まだ契約書すらできておらず仮にこういう事実が発生し支払った場合には、など仮の話をされても対応できません。
税務調査時もそうです。
調査時に関連している事項での質問であればお答えすることも当然できますが、今後起こりうるであろう想定で質問されてもお答えできません。
当初、そういった仮定の話もできるだけ回答するようにしていましたが、上司からやめといた方がいいとアドバイスされました。
こうしたらいいと税務署側が判断して回答した場合、仮定の話のまま実現するかどうか分からないわけです。似たような話が出てきてもお客様の解釈で税務署が認めたという回答になってしまうと。
なので、仮定の話は実現した時に再度連絡を依頼するようにと言われました。
なるほどなと。実現していない話を判断するのもおかしいなと。
徐々に自分の考えを改め、仮定の話は回答を差し控えるようになりました。
また、課税かそうでないかという判断も、できるだけ口頭で回答するのはさけるようにしました。
文書や根拠資料がない以上、お客様の言い方だけで判断するのは危険だなと。
それでも食い下がられたら、「お答えできません」とはっきり言うようにしました。
断るときの相手の顔が気になっていた
電話でも対面でもそうですが、「回答できない」とお断りすると相手の顔が気になったりしていました。
口調が強くなる、顔が怖くなる、けんか腰になる。。
最初はそれで自分が委縮してしまっていましたし、最後まで苦しんだところです。
嫌な顔をされたくない。誰でもそうなのかなと思ったりします。
しかし、もしそれでOKを出し引き受けた場合、後で自分も苦しむし相手も意図しない結果になってしまう可能性が出てきます。
自分が納得できていないのに、相手の要望を受け入れざるを得ないわけですから。
自分も相手も辛いですよね。
そう考えるようになって、自分の納得できる仕事をしていきたいと思ったらはっきりと断る精神力は必要だなと思えるようになりました。
これからの対応策
自分のことを理解してもらえるように
私のことを理解してもらい仕事をしたいなと思っていただけるように、考えていることや私自身のことをブログで情報発信することで、お客様にご判断いただきたいなと。
お互いのミスマッチを避ける意味もありますね。
こういう仕事はやりませんという「やらないことリスト」も開業したら掲載する予定です。
今もすでに自己紹介で苦手なことを列挙させていただいております。
税理士&社会保険労務士であるという自覚をいつも持つ
登録すると国家資格を持つ地位に立つわけです。
この資格がなければ業務ができないものもあります。
そのため、安易にお客様の意見を鵜呑みにして脱税ほう助をしたり誤った判断をしてしまうと資格停止処分などの処罰を受けることになってしまいます。
無理なお願いだと思ったらお断りする勇気は必要だなと。
自分にも生活がある、資格があって今活かさせているという自覚をいつも持っているといいのかなと思ったりしています。
相手の話をよく聞くこと
コミュニケーションは大事になると思っています。
お客様はできるだけ納付する税金や保険料を安くしたいという気持ちは持っていると思うので、その意向を聞きつつ適切な処理をできるようにしなければならないなと思うのです。
そのために、正しく処理をしたということをしっかり税務署などの役所側に主張するというコミュニケーションも必要になるかなと。
そのため、できるだけコミュニケーションを取れる能力をもっと磨きたいなと思ったりしています。
まとめ
今回はダメと言える精神力をもつということを書きました。
なかなか難しいかもしれないのですが、いつも心にとどめておくと抑止力につながるのかなと思っています。
もちろん、無理なお願いや脱税行為・違法行為は絶対にお受けしません。
ダメと言える勇気、しっかり持ち続けていきたいです。
では。
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