前回、住民税の仕組みと住民税がかからない目安について書いてみました。
では実際に所得税の確定申告から住民税がいくらかかるのか試算してみよう、というのが今回のお話です。
住民税は前年の所得が基準
令和4年分所得税の確定申告を令和5年3月15日までに提出した場合、その結果に基づいて令和5年6月から1年間にわたって住民税がかかってきます。
つまり、令和5年6月からの住民税の計算は、前年の令和4年1月から12月までの所得が基準となります。
【事務所お知らせ】「住民税額シミュレーション」を使ってみる
お住まいの市区町村のホームページを見ますと、住民税がどれだけかかるのかを自動計算し申告書の作成までできるものがあります。
引用:和歌山市 住民税額シミュレーション
ただし、あくまで試算ですので確定税額ではないということと、所得税の確定申告書を提出している場合には住民税の申告書の提出は不要です。
例:和歌山市の住民税シミュレーション
「和歌山市 住民税シミュレーション」で検索します。
このような画面が出てきますので、下の「同意する」をクリックすると試算開始です。
今回は、住民税がかからない目安の金額を実際に入力してみてそれが正しいのかを検証してみようと思います。
所得割がかからない夫婦と子1人:35万円×本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計数(3人)+32万円+10万円=147万円
均等割がかからない夫婦と子1人の所得:31.5万円×本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計数(3人)+18.9万円+10万円=123.4万円
給与所得者(夫婦と子1人):給与収入187.9万円以下
年金受給者(夫婦・65歳以上):年金収入211万円以下
給与所得者(夫婦と子1人)の場合
「同意する」をクリックすると、以下の画面が表示されます。
試算年度は令和5年度(令和4年中収入)ですのでそのままでOK。
生年月日を入力して「該当の方」をクリックします。
今回は昭和50年12月1日生まれの方だとして、「給与収入のみの方」をクリックします。
すると、以下のような給与所得の源泉徴収票の入力画面が出てきますので、数字を入力していきます。
今回は以下のように入力してみました。
- 支払金額に住民税がかからない給与収入目安の1,879,000円
- 源泉徴収税額0円
- 控除対象配偶者の有無の有を選択
- 控除対象扶養親族の数(その他)に1
入力が終わったら下部にある「税額試算」をクリックします。
そうしますと、以下の計算結果が表示されます。
赤枠が税額試算、その他は計算の詳細が表示されています。
住民税はすべて0円と表示されていることから検証は正しいことが分かりました。
年金受給者(夫婦・65歳以上)の場合
では、今度は年金受給者の場合の住民税シミュレーションです。
先ほどと同じように、試算年度はそのまま・生年月日は65歳以上の方(昭和33年1月1日以前生まれの方が65歳以上です)だとして昭和32年12月1日としてあります。
そして、「年金収入のみの方」をクリックします。
そうしますと、年金の源泉徴収票の入力画面が出てきます。
今回は以下のように入力してみました。
- 所得税法203条の3第1号・第4号適用分の支払金額に住民税がかからない年金収入の2,110,000円
- 源泉徴収税額0円
- 源泉控除対象配偶者の有無の一般にチェック
- 控除対象扶養親族の数(その他)に1
入力が終わったら下部にある「税額試算」をクリックします。
そうしますと、以下の計算結果が表示されます。
赤枠が税額試算、その他は計算の詳細が表示されています。
住民税はすべて0円と表示されていることから検証は正しいことが分かりました。
まとめ
今回は実際に住民税シミュレーションを使った試算方法について解説してみました。
あくまで目安であるということは否めませんが、せっかく所得税の確定申告書を提出したのだからこれからかかる住民税を計算してみるというのもおススメです。
ちなみにあまりに早い時期だとシミュレーションが公開されていないことがあります。
そのため所得税の確定申告書を提出した後で計算してみるのがいいのかなと思います。
では。