研修中は同期と交流・勉強する

国税専門官として採用されると、4月1日から専門官基礎研修「基礎研」がスタートします。

以前も研修については書きましたが、今回はこの基礎研についてもっと深く書いてみたいと思います。

採用されてまもない右も左も分からない新人職員ばかりが集まります。

この基礎研が一番楽しかったなという記憶がありますね。

気の合う同期を見つける

基礎研は新人職員しかいません。

研修では30人前後ごとに班で分けられます。

基本的にはこの班で朝ミーテングをしますし行動をともにします。

「教授」と呼ばれる幹部職員がその班を指導することになります。

まずは、この班に集まった同期とコミュニケーションを取りましょう。

今後長年付き合っていく仲間です。

研修初日はさすがにみんな緊張していますので話せるような雰囲気ではありませんが、徐々に不安なことなどを共有していく話し相手が欲しくなってきます。

そして、その週末の金曜日、だいたい班ごとに飲み会が行われることが多いので、そこで一気に距離が縮まります。

私も研修初日はあまり記憶がないくらい緊張していましたし、とにかくなにか失敗していないか不安でした。

簿記委員という役割もありましたので班の同期とどう接していけばいいのか心配していました。

しかし、その週の後半あたりから簿記委員の活動が始まるにつれて会話が増え、飲み会で一気に話ができるようになりました。

その後、簿記委員で忙しい時に勉強時間が不足していた私を同期が支えてくれました。

税法のポイントを解説してくれたり、気分転換しようと飲み会を開いてくれたり。。

土日は休みですが、なぜか研修所へ足を運んでみんなで勉強したりショッピングや食事に行ってたわいもない話をしていました。

うれしかったのは、同期から私に「恥をかかせたくないから簿記頑張る!」と言ってくれたことでした。

委員としての働きができず毎回不安だった私にこんな言葉を言ってくれた同期に感謝しています。

そして、この簿記委員は各班に1人いましたので、全班を集めてミーティングがよく行われました。

ここで簿記委員グループが形成されて、この中からも知り合う同期がたくさんいました。

簿記委員のレベルはまちまちでした。班の中には公認会計士合格者や経験者・税理士合格者や科目合格者・簿記1級取得者がいた反面、多くの班は簿記2級取得者が簿記委員をやっていました。

簿記2級取得者が簿記委員ですので、簿記に相当な不安があるようでした。

教授もそのことを理解していて、簿記経験がある委員が中心となってほしいと言われていました。

私も一応公認会計士経験者でしたので、中心メンバーにカウントされていました。

問題解答作成や日商簿記検定の模試の試験監督、簿記の授業での質問対応など、研修終了後も教室に残っていましたね。

教室に残っていることでさらに同期と接する時間が増えましたし、税法の勉強も教えてもらえましたしね。

あと、同期の生い立ちを聞くというのもすごく楽しくて。

当時は同期といっても23歳から28歳まで幅がありましたので、大学卒業してすぐの人と民間経験者とがいるわけです。

出身地のこと、学生時代のこと、会社勤務をしていたときのこと、プライベートなことなどをみんなでわいわい言いながら話すのです。

私の班は全員仲がよくて、定期的な試験が終わる都度飲み会を開いていましたし、班で会津・奥日光へ旅行に行きました。夏は遊覧船に乗りましたし、バーベキューをしたことも。

極めつけは、研修終了前日に全員で飲みに行きお別れ会を開いたのですが、終電に乗り遅れカラオケボックスで一夜を過ごして早朝いったん帰宅。

その30分後に研修所へ行き終了式に出席というとんでもないことをしました(苦笑)。

もちろん眠くて大変でしたが、なんとか耐えました。

それくらい毎日楽しかったです(笑)。

この時の思い出はいまだにみんな語り合ってますね。

また、研修所には食堂があります。

昼食と夕食はそこで食べることができますので、ついつい研修所が閉まる夜10時までいることが多かったですね。

研修後に税務署へ配属になってからも、同期がいることで不安や悩み事を相談できますし、その同期と会って旅行をしたり気分転換ができます。

正直、余裕があるのはこの研修だけ。いろいろな同期と知り合いましょう。

勉強はしっかりと

基礎研は勉強をする場でもあります。現場に出るまでに必要な知識を学びます。

税法は当然ですが簿記の授業やマナー講座、税務調査の対応などもやります。

基礎研では税法は一通りすべて学びますが、基礎的な内容です。

定期的に試験が行われますので、点数が悪ければ補習をしたりすることも。

朝から晩まで授業ということもあります。

授業は教授が担当しますが、幹部職員ですのでその税法を研究している専門家ではない方が多いです。

中には相続時精算課税制度を作った教授が担当する授業もあり高度すぎることも。

ですので、授業中に眠くなることもしばしば。。

しかし、あくまで研修と言っても仕事です。基礎研中は給与とボーナスが出るのです。

勉強すれば給与が出るなんて恵まれてませんか?

つまり、しっかり授業を聞いて勉強しましょうということです。当然ですよね。

遊んでばかりではありません。メリハリが大事です。

私も早朝に最低30分は勉強してから出勤していましたし、土日は朝から勉強していることも。

あと、税法だけでなく外部講師からお話(「講話」といいます)を聞くという授業もあります。

私のときは落語家の三遊亭円楽さんが来られました。人とのコミュニケーションの取り方や話し方などとても楽しい講義だった記憶があります。

最初は授業を受けることだけでも相当疲れます。なにせ一日ずっとですからね。

しかも真新しいことばかりで緊張もしますし、たまに名指しされて発表することも。

ただそういうのも徐々に慣れてきます。

研修所には図書館もあり、過去の税務文献やデータベースなど見放題です。

書籍もたいていは揃っているので調べ物をしたいときは利用していました。

まとめ

今回は最初に行われる基礎研のことについて当時を振り返りつつ書いてみました。

とにかく、「同期と交流する・勉強する」、これにつきます。

こんなに仲間を増やせるのはこの時だけ。

思い出をたくさん作ってくださいね。

では。

[事務所お知らせ]

タイトルとURLをコピーしました