税理士業・社労士業1本にしなかった理由

私は今現在税理士・社会保険労務士として活動しています。

元税務職員でしたので税理士の資格を活かしていくつもりでしたがそれ1本に絞りませんでした。

その理由について書いてみたいと思います。

興味があった社会保険労務士

税理士試験は税務署で勤務し始めてから勉強を始めました。

しかしある時期仕事での悩みから社会保険労務士の資格を目指すことにしました。

勉強を始めてみると、当時源泉所得税担当をしており意外と業務につながるのではないかと思えたことと、「働くって何か」を真剣に考えることができました。

当時職場で人間関係に疲れていたこともあって資格試験の勉強をすることで忘れようとしていたのかもしれません。

年金については最終的に得意科目になっていったこともあってあらたな興味がわいてきたのです。

試験は1回で合格したのですがその後退職までたまにテキストを読み返すくらいで仕事で直接役に立ったことはありませんでした。

ただ、もし退職して税理士登録したら社会保険労務士としての仕事もやっていけたらいいなというのは当時から漠然と考えていました。

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自分がやりたいと思う仕事がそれぞれあった

税理士業では、税務申告・税務調査など税理士にしかできない仕事もたくさんあります。

一方で、社労士業でも手続き業務や給与計算・就業規則や年金相談など社労士にしかできない仕事もあります。

自分がやりたいと思う仕事を考えたときに、どちらかに絞れなかったというのが理由です。

例えば、税務調査は税理士の資格・障害年金なら社労士の資格がないとできないわけです。

給与計算ひとつとっても、年末調整ができるのは原則税理士だけです。

一連の業務なのにもかかわらず資格によってできる範囲が異なってしまうのもお客様の立場からしたらめんどくさいでしょうね。

社労士業で仕事がなかったら廃業

開業当初社労士業はすぐに廃業するかもしれないな、と思っていました。

というのは、社労士業の実務経験がほとんどなく何をやろうかまったく決めていなかったからです。

給与計算ならなんとかできるかもしれないけど自信がないなという状況でした。

しかし、開業直後に社労士会からお誘いをいただき年金相談や労働相談のお仕事をいただき、さらに年金相談員として活動できるようになりました。

その年金相談の経験を踏まえてもっと年金制度に興味を持ってもらえるように活動できないかと思って今に至ります。

廃業を決めていたらこんな経験もできなかったでしょう。

行政協力から社労士業で柱となる仕事が見つかったので続けていてよかったなと思います。

どちらかの収入で食べていける

仕事には波があって当然です。

確定申告時期はお客様からのご依頼がある一方で閑散としている時期もあります。

一方で年金相談は毎週1回入っていますのでいわば毎月安定した顧問料をいただいているような感覚ですね。

私の場合は税理士業の収入が不安定なので、少ないときは年金相談をやっていることで生活費を補てんできることになります。

税理士業が忙しくなる確定申告時期は年金相談の入る日数を調整させていただけるのでありがたいことです。

「毎月安定額が入る年金相談+臨時の税務調査・源泉所得税・障害年金・確定申告書作成」という形で今落ち着いています。

今後は税務顧問や労務顧問のお仕事も来ればいいなとは思っていますが…。

対応業務を少し増やしたい

ひとりで税理士・社労士業をやることは決めていましたのであらゆるお仕事をお受けするのではなく業務範囲を絞ってご提供することは決めていました。

その中で税務調査などは早くから決めていたわけですが。

ただ、範囲を狭めたとしてもお客様が来ないと生活できませんよね。

そのさじ加減が難しいところで、もし税理士業だけだったら苦手なところまで仕事しないといけないのかもという不安があったんです。

だったら苦手な業務はあえてやらずにもうひとつの社労士業で興味のある仕事をやっていったほうが自分の気持ちも楽になるのかなと。

税理士業も社労士業も嫌々やるのは正直失礼だしやりたくありません。

せっかくなら自分が興味をもった仕事をやっていきたいじゃないですか。

そのために社労士業の中でも対応できる業務は絞っています。

就業規則の作成はやっていませんし、助成金の申請もお受けしていません。

まとめ

以前、社労士の方から税理士業1本にしなかったのか聞かれたことがあります。

税理士として活動するだけでも安定した生活を送れるだろう。

なぜ低報酬の年金相談なんかやるんだ、と。

私はお金をたくさん稼いで贅沢をしたいということではなく、興味のある仕事をやっていきたいという思いがあります。

開業すると目指す方向性は様々だと思います。

自分が好きなように人生設計していけるのが開業の醍醐味です。

では。

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