試験に実務を絡めてしまうと合格が遠のくと思ったこと

6月に入り夏に行われる各国家試験の直前期を迎えていることと思います。

私も税理士試験と社労士試験を受験していましたけど、働きながら勉強をしているとつい自分がやっている仕事と絡めて考えてしまいがちです。

そうなると合格が遠のいてしまうのかなと思った出来事を今日は書いてみたいと思います。

資格予備校の教室にて

その出来事とは、社労士試験でTAC池袋校に通っていた時の話です。

日曜日丸1日で2コマ講義がありましたが、教室はいつも満席状態。

みんな授業前から真剣に勉強されていました。

人事労務でお勤めされている方の中で平日お忙しいから日曜日の授業しか受けられないという方がほとんどでした。

授業終わりも講師の先生に質問をして帰られていました。

私も授業が終わったら今日の講義で使ったレジュメなどをテキストに貼り付けたり軽くテキストを読んで分からないところがあれば質問して帰るようにしていました。

その時に残って質問をされている受講生の話を聞いていると、

  • うちの会社ではこのように手続きしているけど試験との関係はあるのか
  • 保険料の計算がうちの会社と違う
  • テキストにはこう書かれてあるけど仮にうちの会社では…

などと、今仕事でかかわっていることと授業とを絡めて質問している方が意外と多かったのです。

【事務所お知らせ】  

複数回受験していた

冬になりこのクラス全体で飲み会が行われました。

100人近く集まり私も参加させていただきました。

その中で毎回残って質問をされている方たちとお話する機会があったのですが、みなさん3回・4回と何度も受験されていることがわかりました。

「仕事と資格試験を結び付けて勉強すると楽しいので」とおっしゃっておられました。

ただ別のテーブルにいた講師からは、「まず合格だけ目指してほしい」と。

「実務を絡めてしまうと混乱してしまって合格が遠のいてしまうよ、と何度も言っているんだけどね…」とおっしゃっておられたのが印象的でした。

資格を取りに来たんじゃないのか

その後も相変わらず授業終了後に仕事のことを話す受講生が後を絶ちませんでした。

結局合格した方のお話を後で聞くと、最初は周りの勉強熱心さに驚いていたけど意外と遠回りをしている人が多いことに気づいたと。

それは、実務と試験を絡めてしまい、

  • 実務で使わないなら試験では出ないと割り切ってしまって模試で出題されて焦る
  • 実務でやっているのが正しいのだから試験が間違っていると錯覚してしまう
  • 実務との違いで混乱してしまい点数が伸びない

ということで、試験だけに集中したら点数が伸びて合格したとおっしゃっておられました。

私も1回の試験で合格できたのは、特に勉強時間が多かったわけではありません。

自分が資格試験の勉強をして合格をしたいから年間20万円もの大金を支払って資格予備校に来ているわけです。

まずは資格試験の合格が最優先

それを実務との関連を考えてしまうと混乱してしまうのは目に見えています。

試験はあくまで理論上・法律上のお話であり実務と差異が生じるのは当たり前です。

一番こじらせてしまうのは仮の状態を作り出してしまうこと。

実務でも起こっていないような想定を資格試験の予備校の講師に質問するものではないと思うんです。

それを平気でやっている受講生が多いことに驚くとともに、「この受講生には勝てるな」と思ったものです。

いったん試験のことだけ考えて

せっかく資格予備校を申し込んだのですから1年でも早く合格したいわけです。

決めたのであればまずは試験合格だけを目指しませんか?

質問もテキストや授業で分からない部分だけにしてみる。

実務はいったん切り離すくらいの覚悟があってもいいのではないでしょうか。

社労士試験は科目数も多く範囲も膨大です。

まず覚えることが多いのに実務を絡めてしまうと混乱します。

実務のことは試験が終わってからでもいいでしょう。

実務はずっと続いていくわけでその時にじっくりと考えていけばいいし、周りの実務家である社労士にいくらでも相談できます。

割り切りも大事です。

まとめ

今回は社労士試験を取り上げましたが、税理士試験も同じことがいえるのではないでしょうか。

税理士事務所などで働きながら勉強をしていると税法科目になると実務と絡めてしまい疑問に思ったりすることもあるでしょう。

でもそこはいったん試験だと割り切って合格までは最短距離で行きたいものです。

では。

 

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