障害年金を受け取るための要件として大きく3つあります。
- 初診日に公的年金(国民年金や厚生年金など)に加入していること
- 保険料を納めていること
- 障害の程度が等級に該当していること
その中で今回は初診日に注目をして書いてみたいと思います。
初診日が大事
初診日は、ほかの2つの要件(保険料納付・障害の程度)にも関わってくる非常に重要な日です。
初診日に加入していた年金制度(国民年金や厚生年金など)で請求する年金が決まります。
初診日の要件
初診日において、公的年金(国民年金や厚生年金など)に加入している人や20歳未満の人、公的年金に加入していた60歳以上65歳未満の人が請求できます。
必ずしも確定診断があった日(病名が判明した・病名が確定した)ではありません。
初診日は初めて医師または歯科医師の診療を受けた日とされているので、医師または歯科医師ではない、例えば整骨院などは初診日とはなりません。
最初の受診ではすぐに診断名がつかなかったり誤診だったりすることもありますが、その場合でも基本的に最初にかかった病院が初診になります。
具体的には、同じ病気やけがで転医(転院)がある場合、1番初めに医師または歯科医師の診断を受けた日となります。
ただし、病気やケガによっては治療を開始した病院や発症が確認された日・確定診断があった日を初診日とするケースもあります。
【事務所お知らせ】健康診断後に病院を受診した場合
健康診断で異常を指摘され、その後病院を受診した場合には、原則としてその医師の診療を受けた日が初診日になります。
例外として、一定の条件を満たせば健康診断の日を初診日と認められることもあります。
相当因果関係がある傷病の受診がある場合
請求する病気やケガの受診の前に、相当因果関係がある傷病の受診がある場合、前の病気やケガの受診日が初診日となります。
「前の病気やケガがなかったら今の病気やケガがなかっただろう」と考えられる場合は、同一の病気やケガとして扱うということです。
例えば、事故または脳血管疾患で治療をした人がその後精神疾患になった場合には相当因果関係があると認められます。
この場合、事故または脳血管疾患ではじめて医師にかかった日が初診日となります。
一方で、相当因果関係がないもの、と扱われることがあります。
例えば、高血圧で治療をしていた人がその後脳梗塞を発症した場合は、相当因果関係は認められないとされ、後の脳梗塞で医師にかかった日が初診日となります。
いったん治癒して再発した場合
ある病気やケガが治癒した(治った)あと、しばらくして再発した場合にはその後はじめて医師の診察を受けた日が初診日となります。
ただ、治癒の認定はケースバイケースで、病気やケガの種類や再発までの期間により異なります。
治癒したとは認められない場合には、病気やケガが継続していると判断されます。
上記のお話は、「医学的な治癒」と言われています。
一方で、医学的には治癒したと認められなくても一定期間症状が安定して治療の必要がなく社会生活を送っていた場合もあるかと思います。
この場合にも「社会的に治癒している」と判断され、その後にはじめて病院を受診した日を初診日として扱うこともあります。
初診日が複数考えられるときこそ専門家へ
再発をしたときや因果関係があるかもしれない傷病で受診したことがあるなど、初診日が複数考えられるなと思ったら自分で判断せずに専門家に相談したほうがいいです。
初診日が複数考えられる場合には、ここが初診日だと主張できる証拠書類を提出します。
まとめ
今回は、障害年金を受け取るための要件の1つである初診日について書いてみました。
原則を中心に書いてみましたが、例外も多々あります。
ただはじめて医師または歯科医師の診療を受けた日=初診日という考え方そのものは変わりませんのでまずは基本から確認してみるといいかなと思います。
では。