税法は研修が始まってからで十分

4月に税務職員として採用されるとしばらく研修が行われます。

数か月にわたりますが、簿記の授業や税法・社会人としてのマナー・調査手法など税務職員としてまず最低限必要な知識を学んでから現場である税務署へ配属されていきます。

この研修が行われるまでの期間何か勉強しておくことがあるかと言われたら、「簿記」だと思います。

しかし、他のことは後回しでいいと思います。特に税法は研修が始まってから勉強しましょう。

研修中は毎日税法の授業がある

税法は基本的なところから網羅的に勉強します。

法人税や所得税・相続税・消費税のほか、印紙税や国税通則法・国税徴収法も当然に全員勉強します。

たばこ税や酒税も勉強します。国税は全部ひととおり勉強できます。

嫌でも毎日何かしら税法に接します。

しかも自分が興味のある税法だけでなく、よく分からない・興味のない税法も勉強します。

中にはテストが行われる税法もあります。

最初は配属先も決まっていないので、どういう専門分野(部署)に行くのかも分かりません。

そもそも興味のある税法すら分からなと思いますし。

採用前から意気込んで税法を勉強してきている人は、税理士試験の勉強をしてきていた人だけじゃないかなと。

研修でどっぷり勉強できる時間があるので、それまでは他のことを勉強してもいいですし。

正直、放っておいても研修後半は頭の中で税法の条文がぐるぐる回る時期が来ます(笑)。

指導教授から生の講義を聞いたほうがいい

研修が始まると、教授から税法の講義を受けます。

教授とは、税務署長や副署長の経験があって調査の最前線で活躍してきた幹部・税法を作成したりして税法に精通している幹部でもちろん全員が税務職員です。

自分の経験を踏まえたりしながら講義をされるので、資格試験の受験勉強とは違った雰囲気になります。

テストもあるので気は抜けませんし、講義中は居眠り厳禁です。

たまに指名され発表させられることもあり緊張感はありました。

条文の使い方から教わることができる

まず最初、税法条文集の引き方から教わります。

2条に定義があって、法人税法第22条が基本となって・・というようなところから始まり、

 

  • 条文を読むときには条文集にマーカーをつけて読む
  • かっこ書きはいったん飛ばす
  • テキストにでてきた条文番号は逐一条文集へ戻って確認する

 

というところまでも教えていただきました。

税法の条文が命の職場です。

逆に「条文を暗記しなさい」とは一言も言われませんでした。

そもそもテストが行われても、条文集は持ち込めます。

条文をいかに使いこなせるか。これが税務職員だと教わりました。

税理士の勉強をしていて、一番つらかったのが税法条文の暗記でした。

条文は暗記するものではないという考えが身についてしまったからかもしれません。

ただ、なんども条文集を見ているとなんとなくキーワードだけ覚えていったりします。

条文集は貸与されます(最終的にもらえます)。使い倒すくらいの勢いで勉強しました。

条文の引き方から教えてくださるので、それまで税法条文は触れなくてもいいと思います。

研修が始まると一生勉強

研修が始まると税務職員となり、周りからしたら税法に詳しい人になってしまいます。

税法に詳しくなるには勉強しなければならないです。

研修が始まったら嫌でも税法は勉強しなければ仕事になりません。

これから一生税法とつき合うことになります。

もちろん、自分の専門分野が決まればその税法がメインになりますが、税法にはなにかしら毎日触れます。

研修が始まったら税法は深く勉強する機会はなんどもあります。

現場で身につくこともあります。

研修が始まるまでは税法はいったん置いておいていいと思いますよ。

まとめ

今回は、「研修が始まってから税法は勉強しよう」ということを書きました。

採用前まで時間があるので勉強しようと思っている方もおられるかもしれません。

そういうときは簿記や他のことを勉強してください。

逆に研修が始まると簿記を勉強する時間はほんとうに少なくなります。

その分研修が始まれば税法にはいくらでも時間をかけて勉強できます。

税法は研修が始まってから勉強を始めましょう!

では。

[事務所お知らせ]

編集後記

昨日、大阪国税局OB税理士が持続化給付金の不正受給を指南したとして逮捕される事件が起こりました。

本当につらいしあってはならないこと。

私も国税を退職して税理士&社労士として登録しようとしている身です。

これから国税OB税理士の風当たりが強まってしまうような気がしています。

でも一生懸命仕事をされているOB税理士もたくさんおられます。

法に触れてしまうことはいけないことです。

しかし、これに近いことが今後自分の身に降りかかってきてしまうおそれも否定できません。

「自分を律する力、お断りする力」を身に着けないといけないなと思っています。

それと同時に、もっと自己研鑽を積んでいかないといけないなと改めて考えさせられた事件でした。

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