インボイス制度で見聞きする誤解

10月からインボイス制度がスタートしましたね。

記帳指導や各種相談会に参加すると質問をお受けしますが、インボイス制度について誤った理解をされている方もちらほらいらっしゃいます。

そこで、今回私が今まで見聞きしたインボイス制度の誤解を何点か挙げてみたいと思います。

【事務所お知らせ】  

インボイスは絶対に登録しないといけない!?

インボイスには必ず登録しなければならないのかというとそうではありません。

取引先との関係によります。

例えば、学習塾や美容師など一般のお客様を対象としている場合はインボイスを登録しなくてもかまいません。

消費税を納めるのはあくまで事業者ですので、得意先が法人や個人事業主でなく一般のお客様であればそもそも消費税を自分で計算しません。

もし10月1日以降インボイス登録を取り消したい場合、免税事業者からインボイス登録をして課税事業者になった方は「登録取消届出書」を提出すれば免税事業者に戻れます。

ただし、この規定は令和5年10月1日から令和11年9月30日の期間に登録を受けた免税事業者に限ります。

例えば、

登録取消届出書について、個人事業主が令和6年1月1日から取消したい場合には令和5年12月17日までに提出をする必要があります。

ちなみに、この場合、

取り消せるのは翌年からとなりますので、令和5年中に提出したとしても令和5年10月1日~12月31日については消費税申告書の提出は必要です。

インボイス登録しないと経費にならない?

これ、本当によく耳にします。

あくまでインボイス制度は消費税のお話であり、法人税や所得税における経費とは関係がありません。法人税や所得税の経費は当然認められます。

消費税の申告の際に、経費に含まれている消費税を差し引けるのかどうかだけで経費が認められないわけではありません。

先日、Twitter(X)で税理士が以下のような注意喚起されていました。

「インボイスでない領収書は経費にできないは誤解!」
インボイス制度は消費税のルール変更で、所得税や法人税の取扱いには影響がない。消費税の申告計算時に仕入税額控除ができない(原則課税の場合)のがインボイスによる変更点!インボイスでなくても経費計上は可能

インボイス登録したけど消費税の申告はいつ?

今回のインボイス登録により消費税を納める事業者(課税事業者)になった方のお話です。

令和5年分(R5.1.1~12.31)の消費税を申告するにあたって、いつの分をいつまでに申告・納付しなければならないのかが分からないと。

この場合は10月~12月分の取引をもとに翌年3月末までに申告を行います。

所得税の確定申告期限である翌年3/15とは異なります。

あと、インボイス登録をして課税事業者になった方向けに、売上に含まれている消費税の2割を納めるという特例が認められています。

また、簡易課税を選択されている場合には、売上に含まれている消費税に一定の率をかけて消費税額を直接計算します。

つまり、売上をきちんと集計できるのかがひとつポイントになります。

TVやネット情報を鵜呑みにする

最近多いのは、TVやネット情報がすべて自分の事業に当てはまると思い込んでいる方。

特に専門家でない方の意見をそのまま受けれてしまう方がいらっしゃいます。

あくまでTVやネットの情報は参考程度にとどめておくべきです。

特にいいとこどりをしてしまうのはよくありません。

インボイス制度も例外ではなく、人それぞれなんですよね。

自分にも適用があると思っていたら実は違うってことはよくあります。

さきほど挙げた「インボイス登録をしないと経費にならない」という誤解も、ネット上から出てきたものです。

周りの意見に流されないようにしましょう。

まずは専門家に相談をすることです。

もちろん情報を仕入れておくことは大事なことですが、それをあたかも正しいように伝えてしまうのは専門家以外やらないでほしいなと思ったりします。

まとめ

今回は、インボイスで見聞きするようになった誤解について取り上げてみました。

参考になれば幸いです。

では。

 

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