相談対応をしていますと、お客様から「確定申告書を作成したことがないのでどうしたらいいのか」というご相談をお受けします。
また、年金相談窓口でも確定申告のお話をさせていただくことがあるのですが、そのたびに確定申告は誰しも知識として持っておくべきだと思っています。
【事務所お知らせ】勤務先で年末調整をやってくれない?
市役所での確定申告相談で、令和5年に勤務先を退職したが年末調整はやってくれないのかという相談がありました。
ご夫婦でお見えになられましたがこれまで勤務先で年末調整をしてもらっていたので一度も確定申告をしたことがないということでした。
退職した勤務先からもらった源泉徴収票をお持ちになっていましたので、源泉所得税を精算する必要があるので確定申告をする必要があります、とお答えしました。
すると、「自分でやるのですか?」と聞かれたのです。
退職後の勤務先に資料を渡せばやってもらえると思っていたようなのです。
自分で計算をして申告するというのが原則ですのでとお伝えすると、「もっと早く知っておけばよかった」と言っておられました。
医療費控除などの話もしたら喜んでいただけました。
年金もらっても会社で年末調整してくれる?
先日、年金相談で対応したお客様から給与のほかに年金をもらえるようになった時の対応について相談を受けました。
年金にも税金がかかることはご存じだったようです。
「年金も年末調整をするから確定申告しなくていいですよね?」と聞かれました。
年末調整は給与の場合のみしかありませんので、年金と給与両方を受け取った場合は確定申告が必要です、とご説明したところこうおっしゃったのです。
「勤務先の経理に年金の源泉徴収票を渡したら確定申告してくれるんでしょ?」と。
源泉徴収票を勤務先に渡せば勤務先で確定申告してくれて自分は何もしなくていいと思っていたようです。
勤務先ではなくご自身で確定申告していただくことになります、とご説明したら一気に不機嫌な顔になりました。
「今まで確定申告などしたことがないので不安だ」と。
勤務先からもらう給与の源泉徴収票と日本年金機構から送付されてくる年金の源泉徴収票両方を足し合わせて確定申告をしてください、とお伝えしておきました。
自分には関係ないことだと決めつけていませんか?
このお二人のような質問はしょっちゅうお受けします。
最近はよくある質問だなーと思って聞いています。
勤務先で給与をもらっていると年末調整をすることで税金の精算が行われて確定申告をする必要がなくなります。
そのためか、自分には確定申告など関係ないという認識をお持ちの方がいらっしゃるのかなと思います。
年末調整で済んでしまうため、勤務先を退職してから不安になる方も多いですしそれこそ勤務先に確認してしまうということもあるようです。
毎回相談をお受けするたびにもっと確定申告への理解をもっていただけたらいいのになと思って説明を繰り返しています。
確定申告を一度経験してほしい
年末調整で済んでしまい確定申告が不要な方であったとしても確定申告を一度経験されることをおススメしています。
例えば、医療費控除を受ける場合ですと給与の源泉徴収票のほか医療費の領収書などがあれば集計することですでに納めている所得税の還付を受けることができます。
源泉徴収票の数字を入力したり、医療費を集計したりして年末調整の考え方や確定申告の仕方を理解いただくというのがいいのかなと思うわけです。
実際、確定申告を初めてされるケースですと、どの書類を準備したらいいのかわからないという方もおられます。
最初はなかなか時間がかかる作業かもしれませんけど、何度か経験を重ねていくうちに確定申告の理解も深まってくると感じます。
わからないことがあれば相談会を利用するのも大事かなと思います。
自分の都合のいいように解釈してしまうのが怖いところなので、最初は相談をしながら自分で確定申告をできるようにしてみるといいでしょうね。
まとめ
かくいう私も国税勤務時代は給与しか受け取っていませんでしたので年末調整で済むケースで確定申告はしていませんでした。
しかし、うつ病・パニック障害で医療費がかさみ毎年医療費控除の還付申告を毎年行っています。
私も初年度は不安で国税庁ホームページやら書籍やネットを見ながら確認して作った記憶がありますね。
なので確定申告は経験をしておくと誤解や不安は少なくなるのかなと感じます。
では。