一人親方の税務調査のポイント、3回目は外注費を取り上げます。
実は、一人親方が一番注意したいのはこの外注費の取り扱いです。
いったいどうしてなのでしょうか。
それは、一人親方の仕事に特徴があります。
【事務所お知らせ】一人で完成できる仕事ではない
例えば、土木工事業を営んでいる一人親方がいるとします。
一人親方が元請けの立場になることもあれば、会社からの下請けとなることもあります。
元請けの場合には、仕事の完成までは自己の責任でやっていくことになるわけですが、必ずしも自分ひとりでこの工事を完成させることはほぼできません。
例えば、建設機械の操作が自分ひとりでは無理だとなれば専門の建設業者や同業者に外注をお願いします。
その操作が完了したら外注費として建設業者などにお支払いをします。
つまり、一人親方だけで工事が完成することはないということです。
工事の完成までに誰かしら仕事を手伝ってもらう=「外注に出す」というのが一般的です。
実際、私の家業の建設会社でも機械操作や仕事の難しさにより外注を依頼してお支払いしています。
そのため、外注をお願いしてそれにかかったお金を外注費として経理を行うケースが非常に多く外注費としてきちんと処理されているのかがポイントになります。
外注費として計上できるかどうかのポイント
外注費は、外注先へ作業をお願いするときに支払ったことを経理するときに使います。外注工賃という科目で使われることもあります。
外注費を支払うときには、いつ・どこで・いくら支払ったかを明確にする必要があります。
作業をお願いすることで支払うものとして給与とする場合もありますよね。
給与と外注費の違いが問題となることがあり非常に難しい判断となりますけど、大きな違いがあるとすれば「作業を完了するかどうか」です。
外注費を支払うときは、作業をお願いしてその完了をもって支払います。
つまり、①工事の完了をもって(工事完了日など)②外注先の名前③支払う金額、を明確にすることが大事になります。
一方で、給与については、特にその期間に働いていたら作業の完了は関係がありません。
そのため外注費として判断されるために一番いいのは領収書を用意することです。
外注先に支払ったことをきちんと書いてもらい保管をしておけば問題はありません。
また、振込みの場合には相手からくる請求書などを保管しておくことが大事になります。
領収書がない場合
外注費を支払うときには現場で手渡しすることも多いかと思います。
その場で領収書を渡さないというケースもあります。
この場合には、外注費として支払った事実がわからなくなってしまうこともあり工事にかかった経費として認めてもらうのは難しくなります。
しかし、絶対に認められないかというとそうでもありません。
領収書がなくても外注費として認められることがあるケースとしては、手帳や出面帳などいつ・どこで・誰がその現場にいたかがわかるようなものが残っている場合です。
作業員の出勤簿やスケジュール表のようなもので勤怠簿を指します。
いつ、どの現場に、誰が、何時間作業したかといった情報が記載されます。
まとめ
今回は、一人親方の税務調査で一番気をつけたい外注費について書いてみました。
外注費の支払いで現金払いで領収書がない場合は調査官から厳しく指摘されることでしょう。
本当に外注費を払ったのか、経費としてふさわしいのか。
あらぬ疑いをかけられないように、外注費は気をつけたいところです。
では。