戸籍謄本が必要かどうかの判断が難しい

年金相談をしていて、老齢年金の請求でお越しの際には戸籍謄本が必要になることがあります。

その判断を間違ってしまうことがあり申し訳ないなと思うことがあります。

【事務所お知らせ】  

戸籍謄本が必要になるケース

戸籍謄本が必要なケースはご夫婦の場合です。

例えば、厚生年金に20年以上加入されている夫がいて妻は厚生年金20年未満の場合には、夫が65歳から妻が65歳になるまで配偶者加給金という配偶者手当が加算されます。

この場合、妻は65歳以降、妻の年金に振り替える形で上乗せ(=振替加算)されて支給されます。

年金を請求するときには夫婦それぞれ戸籍謄本が必要になります。

戸籍謄本と戸籍抄本

戸籍謄本とは、戸籍の全部事項証明書であり、配偶者・子と請求者の続柄、配偶者と子の氏名・生年月日が載っていますので全員の身分がわかります。

戸籍抄本とは、戸籍の一部事項証明書で、一人または複数人の身分を証明するものです。

年金請求時には、年金の請求者と配偶者・子の身分関係(婚姻関係にあるかなど)を確認するので戸籍謄本の持参をお願いしています。

戸籍抄本を持参された場合には、別途世帯全員の住民票の写しが必要になるのが原則的な取り扱いとなっています。

マイナンバーの意味

請求者に配偶者加給金がつくときには、戸籍謄本のほか、世帯全員の住民票や配偶者の収入が確認できる書類(所得証明)が必要です。

請求者に振替加算がつくときには、戸籍謄本のほか、世帯全員の住民票や請求者本人の収入が確認できる書類(所得証明)が必要です。

ただし、マイナンバーが登録されている場合には、世帯全員の住民票や所得証明は不要ですので、実質戸籍謄本の添付だけで済むようになっています。

夫婦ともに厚生年金に20年以上加入している場合

夫婦ともに厚生年金に20年以上加入しているケースなら、「配偶者加給金や振替加算はつかないから戸籍謄本はいらないんじゃないか」と思いきやそうではありません。

夫婦ともに厚生年金20年以上加入していた場合でも、例えば請求者が夫で妻が65歳未満なら戸籍謄本が必要です。

一方で、妻が65歳以上なら戸籍謄本は不要です。

これは、「配偶者加給金が夫65歳から妻65歳になるまで加算される」と関係しているとされています。

妻が65歳以上ということは夫に配偶者加給金がつくことはもうありません。

一方で、妻が65歳未満なら配偶者加給金がつく可能性が少しでも残ることがあるので、戸籍謄本が必要となります。

戸籍謄本の要否の判断

個人的にミスをしてしまうのは夫婦ともに厚生年金に20年以上加入されているケースです。

戸籍謄本が必要だと案内してしまって、あとで配偶者が65歳以上だったから結局戸籍謄本はいらなかった場合なんです。

つまり、配偶者の年齢の確認ミスです。

戸籍謄本をとっていただくにはお金もかかりますので申し訳ないなと思いつつ、ただもし逆のケースだったらもっとやってはいけません。

「戸籍謄本はいらないと聞いていたのに戸籍謄本が必要だ」なんて言われたらムッとしませんか?

なので、言い訳になってしまいますが個人的には戸籍謄本はとってもらっておいて不要ならそれでもかまわないかなと。

後で必要といわれるよりはましかなとは思っています…。すいません。

戸籍謄本が不要になる!?

戸籍法の改正により今年中に年金請求時の戸籍謄本の添付が不要になるそうです。

ただ明確にいつから不要になるかはわかっていません。

なのでしばらくは戸籍謄本の添付の案内は続けることになりそうです。

まとめ

先日の年金相談で間違った案内をしてしまったので改めて整理してみました。

戸籍謄本が必要かどうかは判断できないとダメなのですが、相談時間が決まっていて慌てているとと案内ミスをしてしまいます。

それが請求前の確認でわざわざお越しいただいていたりすると申し訳なく感じます。

ただ、もうすぐ戸籍謄本の添付が不要になると思うと「悩まなくても済むのにな…」とは思います。

では。

 

 

 

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