手書きノートでの経理から一歩進めてみる~「帳簿の様式例」の活用

毎年記帳指導を担当させていただいていますといろいろな経理の仕方を拝見します。

  • 会計ソフト
  • Excel
  • ノートに手書き

パソコンが使えない、これまでノートで手書きしていたという方向けに今日は書いてみたいと思います。

【事務所お知らせ】  

ノートに手書きをしている

記帳指導を担当している個人事業主の方で約4割の方は手書きされています。

青色申告者ですけど、勘定科目などは確定申告書における決算書をもとに自分で集計されていることが多いです。

ただ、フォーマットもないため家計簿とほぼ同じです。

お金の出し入れを集計しているわけですが、レシートや領収書からの転記もれや記入ミスがあると消しゴムで消されてしまうことと計算に電卓を使ったりしています。

几帳面の方はノートへの記入がもれていて追加があるとどうしたりいいのかわからないという方も。

ここで、まず青色申告特別控除10万円を取ることができる要件として、簡易帳簿の作成というものがあります。

簡易帳簿とは、現金出納帳・預金出納帳・売掛帳・買掛帳・売上帳・仕入帳・経費帳の7つを指しますが、事業内容によりすべてを使うわけではありません。

白色申告「帳簿の様式例」

青色申告と対比するものとして白色申告があります。

白色申告の簡易簿記と青色申告の簡易簿記の記帳方法に違いはありません。

ここでひとつご紹介したいのは、国税庁ホームページにある「帳簿の記帳のしかた」というパンフレットです。

これは、記帳指導の対象となっている個人事業主向けに税務署から送られてくるものですがネットからでもダウンロードできます。

この中に、白色申告者の「帳簿の様式例」というものがあります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou04.pdf

このほか、農業所得者用もあります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou06.pdf

これを使って日付・適要を入れていき、1年分を集計していくと損益計算書が作成できます。

ちなみに、数字に〇がついているのは、損益計算書に振られている番号に一致します。

また、経費科目のうち普段使わない科目があれば削除したり、空いている科目には自分でわかりやすい科目名で集計していただいてかまいません。

例えば、

  • 車のガソリン代を空いたところに「ガソリン代」や「車両費」という科目を追加してみる
  • 貸倒金という科目は普段使わないので別の科目に変える

などアレンジ可能です。

手書きノートをお使いの方でフォーマットがなくて不安だったということでこれを12枚(1年分)コピーしてもらってました。

これと現金出納帳や預金出納帳など事業で必要な帳簿を別にノートなどで整理してもらうようにしたら「ずいぶんわかりやすくなりました」と喜んでいただけました。

もちろん、これをExcelで集計できるようにするともっと効率的ですよね。

Excelでこのフォームを取り込み、別シートで現金出納帳などほかの帳簿を作成するということも可能です。

注意点

この帳簿の様式例をそのまま使える場合は、経理がそれほど複雑ではない場合です。

例えば、売上先が多くないとか、仕入がなく経費のみなど。

売上は入金ベースではなく出荷した・完成した日に計上をするものですので、工事の完成後年末を迎えた場合には、入金が来年であっても今年の売上に計上します。

この際に作る帳簿が売掛帳だったりするわけですが、この様式では売上金額だけ集計しますので正直どこにいくら売掛が残っているのかがよくわかりません。

なので、別途売掛帳を作成することが必要になります。

参考例がなかった

ノートに手書きで集計されていた方にこの様式例の説明をして取り入れていただくと喜んでいただけます。

パンフレットに帳簿の様式例があることすら知らなかったという方もいらっしゃるくらいです。

結局、日々の経理をもとに決算書を作成し確定申告書を作っていきますので、最初がつまづく・これでいいのかと不安になると嫌になりますよね。

簡易帳簿でかつExcelや手書きで普段から作成している場合にあえて会計ソフトを一から使えるようにすることよりもまずは本業に力を注いでほしいなと。

今使えるもので効率的に経理できるのがまず第一歩だと思いますし、これ以上を望まないのならまずは自分がやりやすい経理を目指しましょう。

まとめ

パソコンが苦手でノートで手書きで経理されている方で、これまで適当に集計してきたという方はこの様式例をプリントアウトして使っていただけたらと思います。

Excelで集計されている方も参考にしてみてはいかがでしょうか。

では。

 

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