これからも働くので年金手続きしなくてもいい??

年金相談をしていると「働いていて給与があるので年金の手続きってしなくていいでしょ?」とおっしゃる方がいます。

これは勘違いしているケースのひとつです。

特にご夫婦の場合には夫妻ともに勘違いをしてしまうとあとで大変な目にあうことになります。

【事務所お知らせ】  

支給開始年齢が来たら必ず手続きを

会社で働いていると厚生年金に加入されています。

厚生年金に加入しているから年金の手続きができない、退職しないと年金ってもらえないというのは間違いです。

支給開始年齢とは、年金を受取ることができる年齢です。

令和6年度は男性64歳、女性62歳の方です。

65歳までの老齢年金を、特別支給の老齢厚生年金といい、65歳以降は制度が変わって老齢基礎年金と老齢厚生年金の2階建てになります。

支給開始年齢の3か月前に日本年金機構からあらかじめ氏名や住所等が印字された年金請求書が届きます。

支給開始年齢の前日以降になると提出することができますが、この請求を必ずしておかないと自分の年金の権利が確保されたことになりません。

特別支給の老齢厚生年金については、年金の受け取りを先延ばしにして増やすという「支給の繰下げの制度」がありません。

そのため、請求せずに放っておくと5年目以降は時効により年金が受け取れなくなります。

在職中って年金の調整されるよね?

よく質問をお受けするのが、会社で働いていて給与やボーナスをもらっていると一定金額を超えたら年金が一部または全額が停止になる制度についてです。

令和6年度は、月給与(ボーナス÷12)+老齢厚生年金の報酬比例部分=月50万円がラインです。

もし会社の代表取締役など役職があって会社から多額の給与やボーナスをもらっていると、「年金はどうせもらえないから請求しなくてもいいや」って思ってしまいます。

しかし、在職中のため年金の全額や一部が支給停止になっていたとしても年金の請求をしておけばその後給与やボーナスに変更があったら年金額を再計算してくれます。

つまり、新しい支給額や調整額の案内がきちんと送られてくるんですね。

もし請求していなければ給与やボーナスに変更があって本来なら年金がもらえる金額だったのにもらえないという状況に陥ってしまいます。

こういうご相談の多くは、給与水準の比較的高い方や会社の代表者の方が多い印象です。

給与の高い人は年金の請求をしないほうがいい?

これも実は間違いです。

退職してから手続きをすれば停止されていた期間の年金がすべて受け取れるのかというとそれも違います。

例えば、62歳に特別支給の老齢厚生年金を受け取れる男性の方がいたとします。

退職時の年齢が68歳でそれまで給与とボーナスをたくさんもらっていたから年金がもらえないと思って一切年金の請求をしていませんでした。

この場合、もし68歳で年金の手続きをしますと支給開始年齢にさかのぼって当時の給与やボーナスとの調整が行われます。

退職時の給与やボーナスをもとに調整がされるわけではないんですね。

調整した結果、支給される年金があればさかのぼって受取ることができますけど、5年より前の年金は時効で受け取れなくなります。

また、この調整した結果年金は5年分一括で受け取ることになりますが、税務上は各年分ごとに源泉徴収票が送られてきます。

ということは、5年分の税金の計算をしたうえで確定申告をしないといけない(または修正申告をしないといけない)ため税金がかかってくる可能性があります。

まとめ

「これからも働くので年金手続きしなくてもいい??」は間違いで、必ず支給開始年齢になったら手続きをしてください。

日本年金機構から年金請求書が来ますので、書類を見て内容がよくわからなければ年金事務所や街角の年金相談センターで相談をお受けしています。

年金の記録を確認してからのご案内が一番ですので事前に予約を取っていただいてからしっかりとご相談をお受けいただいたほうがよろしいかと思います。

では。

 

タイトルとURLをコピーしました