大学受験や資格試験を受験しているときに「基本が大事ですよ」とか、「基本がわかっていないと理解できていないと一緒です」と先生や講師から言われたことがあります。
税理士・社労士業を始めてから「基本って何なんだろう」と考えることがあります。
【事務所お知らせ】基本って何?
そもそも基本って何を意味しているのでしょう?
例えば、資格試験でいえば、基本とは試験で必ず得点をしないといけないとか、解答に時間がかからない簡単な問題というイメージですね。
ランク表や重要度でA・B・Cなどと表記されているならAランクを指すのかなと。
ただ、試験でいう基本と税理士・社労士業務でいう基本は違うのかなと感じます。
例えば、税務調査対応における基本って何かと言われたら、事前の準備から調査当日、調査当日以降の対応を含めた流れの把握なのかなと。
税務相談だったら本を見たらだれでも回答できそうな内容なのかなとか。
年金相談ならお客様にお渡しするパンフレットを見れば回答がわかるとか…。
基本という位置づけ
資格試験においては、試験合格を目指すという目標がありますから絶対得点すべき問題への解答が求められます。
解答に時間がかかったとしても得点すべき問題なら基本という位置づけになるのかなと。
一方で、税理士・社労士実務においては、問題が与えられているわけではなくそのお客様からの相談や仕事内容によりそもそも異なっています。
何を聞きたいのかにダイレクトに回答できるのが基本の位置づけなのかなと。
自分にとって基本でもお客様は基本ではない
大学受験や資格試験で講師から「これは基本だから間違えてはダメ」と言われて素直になれなかったことってありませんか?
講師目線で基本って言われても受講生からは全然基本じゃないよねとか…。
実はこれは税理士・社労士業務においても共通するところかなと思ったりします。
特に、相談業務をしていると自分は理解できていて基本だと思っているところだと何度も同じ説明をして慣れているのでさらっと省略しようと考えてしまうことがあります。
けど、その相談をしている相手が違えば本来は丁寧な対応をこころがけるべきでありそれが基本なんですよね。
相手は税務・年金の専門家ではありませんからまず言葉の説明からしないと理解できずにさらにもやもやしてしまいます。
自分にとっては基本だと思ってもお客様にとってはその基本すら理解できていない可能性があります。
重要度なんて関係ない
業務において重要度なんて無関係だと思っています。
仕事をする以上、お客様からの依頼はすべて重要なわけで。
その中で順番を考えることはありますよね。
期限が決められた届出書の提出や相談をお受けしたら早く確実に回答するとか。
つまり、重要度はぜんぶAランクなんですよね。
順番をつけるからといってそれをしないという選択肢はないわけですから。
使いたくない言葉「ご存じのように」
基本という言葉を発するときに、「皆様ご存じのように…」という枕詞を付けて説明される方がいます。
正直個人的には使いたくない言葉のひとつです。
聞いている側からしたら知らないのが恥ずかしいと感じてしまいます。私は特に。
得てして説明も省略されがちなので結局訳がわからずに置いてけぼりを食らうことになりかねません。
ただ気を付けないと私も知らず知らずのうちに使っていそうな言葉である気がします。
もし使っていたらほんと申し訳ありません…。
まとめ
とりとめのない話になってしまいましたが、基本が大事って実はとらえ方次第で大きく意味が異なると感じています。
基本って実は頻繁に使っていい言葉ではないんじゃないかなと感じる今日この頃です。
では。