本日より3日間税理士試験が始まりますね。
私も4科目受験をした経験がありますが、すべて税務署に勤務しているときでした。
毎年この時期になると当時のことを思い出します。
税務署配属直後の受験
初めて受験をしたのは国税専門官として採用され、専門官基礎研修が終了後7月に税務署に配属になった直後でした。
当時1年目の調査官だったこともあって上司や先輩から「試験受けてていいの?」という冷ややかな態度を取られました。
でも私は気にしていませんでした。
当時若手職員は税理士試験の試験監督として会場で手伝いをすることになっていました。
総務課から声がかかりましたが私は受験生なのでお断りしたら嫌な顔をされました。
「新人がいきなり税理士試験を受験するなんて」と煙たがるのもわかりますけど今になって思うのはこの判断は正しかったと思っています。
【事務所お知らせ】来年受験できないかもしれない
税理士試験ですけど、国税で一定期間勤務をすると税理士試験が一部または全部が免除になり税理士資格を取ることができます。
私が税理士試験を受けようと思ったのは、
- もしこの職場や仕事が嫌になって辞めたいなと思った時の逃げ道を作っておきたかった
- 税理士試験レベルの税法の知識を早く身に着けて審理面を鍛えたかった
がありました。
簿記論と財務諸表論の2科目に合格すれば、調査や賦課部門で10年間勤務をすると税法科目が免除になります。
また、もともと公認会計士受験生だったので今ここで資格試験の勉強をあきらめるのはもったいないなと。
ただ、果たして来年同じ環境にあるのかどうかが全く分からなかったんですね。
いきなり調査部門に配属になりましたので税務調査のイロハから学ばなければなりませんでした。
仕事が終わってから勉強をする気力も正直あまりありません。
1年目はまだ上司や先輩がフォローしてくれるかと思いますけど、2年目になると一人で調査に行くのは当然のことひとりで基本何もかもしないといけなくなります。
さらに3年目、4年目と年数を重ねるとそれなりに責任を負う立場になりますし。
私も結果的に3年目で法人特別調査部門の付職員になり精神的にも参ってしまいました。
もし勉強できる環境にあるのなら1年も早く取り組んでおきたいところです。
私はその後うつ病とパニック障害を患います。
休職復職を繰り返す中で、結果的に仕事も人間関係も嫌になりました。
税理士と社労士資格があったから退職へと舵を切ることができました。
逃げ道を作っておこう
私の同期で出世の早い人は今管理職についていたりします。
財務省や国税庁へ出向していたり、国税局で最前線で勤務をしているのを確認してはすごいなと思ったりします。
ただ、そこまでにはたくさんの苦労をしてきているんじゃないかなと。
むしろ、たくさん経験をしてきているからこそ管理職というポストでもやっていけているのだろうと感じます。
一方で、私のように病気にならないまでも精神的につらいとかしんどいと感じている人がいるのも事実です。
そんなときに無理にその仕事にしがみつく必要が果たしてあるのかどうか。
もちろん家庭があればそれなりに制約があるのかもしれませんので決めつけるわけにはいきません。
ただ、もし自分が仕事を辞めたいと思っていて、家庭の了解が得られたのであれば逃げてしまうのもひとつではないかと考えています。
私は正直逃げて正解でした。
安定した給与と休職制度があっても、です。
じゃあどうやって逃げ道を作るのか。
それは別の方向で生活していくための方法を考えることです。
一番最初に思いつくのは、税理士資格でしょうね。
それこそ23年勤続していたら税理士資格がもらえますから。
「資格があれば生活できる」とは言い切れなくなってきてはいますけど、資格を活かして他の会社や会計事務所などに転職をするというのも手です。
そのため、在職中は与えられた仕事を全うするとともに、空いた時間で別の道を考えておくことも大事なのかなと。
実際、私は空いた時間で社労士資格を取りました。
今年金相談員としてひとつの売上の柱になっています。
逃げ道をマイナスに捉えるのではなくプラスに考えていきましょう。
まとめ
初日の簿記論と財務諸表論を一緒に受験した時は本当に疲れました。
税法科目は法人税と消費税を受験しましたけど、試験勉強で相当審理面が鍛えられました。
審理担当への相談の仕方が変わったり、税務調査への取り組み方が変わりましたね。
なので、税理士試験は税務署勤務中でも受験することをお勧めします。
では。