1年間の年金額から差し引かれる保険料

前回は、1年間の年金から差し引かれる税金について書いてみました。

今回は、年金から差し引かれる保険料について書いてみたいと思います。

65歳以降の方は年金を受け取る際には保険料も差し引かれていますので、通帳を見て「少ないよ!」と感じられるかもしれません。

介護保険料

65歳以降は、本人の前年の所得や世帯全員の課税状況(課税か非課税か)に応じて所得区分に応じた計算式を使って介護保険料が決まります。

介護保険料は年金から差し引かれます。

しかし、65歳になって半年から1年程度までは差し引かれる方式に切り替わらず市区町村から送られてくる納付書で納付します。

介護保険料の計算の基準となる月額は全国平均で6,225円となっています。

令和6年後から令和8年度までの3年間にわたってこの基準をもとに計算が行われます。

年金からの天引きは、年金を1年間で18万円以上受け取っている人が対象です。

ここでいう年金は、老齢年金だけではなく障害年金や遺族年金を受け取っている人も含まれます。

【事務所お知らせ】  

国民健康保険料(税)

お住まいの市区町村により国民健康保険料だったり国民健康保険税だったりしますが計算の仕組みは同じです。

65歳以降の国民健康保険料は、所得割と均等割の合計額で計算されるのが一般的です。

国民健康保険料は世帯主と被保険者全員の所得によって保険料が高くなったり安くなったりします。

年金から介護保険料が差し引かれていて年金を年間18万円以上受取っている世帯主の年金から国民健康保険料を差し引きます。

ここでいう年金は、老齢年金だけではなく障害年金や遺族年金を受け取っている人も含まれます。

後期高齢者医療保険料

75歳以上(障害のある方は65歳以上)の方を対象とした医療制度です。

今まで加入していた医療保険(国民健康保険・健康保険・共済保険など)から自動的に移行されます。

後期高齢者医療保険料は、均等割と所得割の合計で一人ひとり支払います。

後期高齢者医療保険料が年金から差し引かれるのは、年金から介護保険料が引かれていて年金を年18万円以上受取っている人が対象です。

ここでいう年金は、老齢年金だけではなく障害年金や遺族年金を受け取っている人も含まれます。

そして、国民健康保険から後期高齢者医療保険に変更した際は6か月間納付書で納める形を取るとされています。

社会保険料控除との関係

所得税の確定申告書を提出する際、1年間に支払った介護保険料や国民健康保険料・後期高齢者医療保険料は全額が社会保険料控除となります。

以下のような公的年金等の源泉徴収票が毎年1月に送付されてきます。

令和5年分 公的年金等の源泉徴収票 より

この「社会保険料の額」を社会保険料控除の金額とするわけですが、社会保険料の額はあくまで年金から差し引かれたものだけしか集計されていません。

つまり、年金からの差し引かれる方式に間に合わず納付書で納めたものはここには入ってきていません。

当然納付書で納めたものも社会保険料控除の対象ですので、もし年金から差し引かれているもの以外で控除を受けたい場合には確定申告が必要です。

ただし、年金収入のみの方の場合、公的年金等の源泉徴収票に記載されている源泉徴収税額が0円なら「年金から差し引かれる税金がない」ということなので確定申告をして税金の還付を受けることができません。

まとめ

2回にわたって、ざっくりと年金から差し引かれる税金と保険料についてまとめてみました。

保険料のポイントとしては、老齢年金のほか、障害年金や遺族年金を受取っている人も支払うこと。

そして、1年間で18万円もらう人が年金から差し引かれるということです。

保険料は確定申告時に社会保険料控除として所得からマイナスすることができますので税金を安くする働きがあります。

この点、保険料のほうが払った分税金を安くしてくれる、という実感がわきやすいのかなと感じますね。

では。

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