年明けなのでちょっと先になりますけど、公的年金の源泉徴収票が来たときの話を今回書いてみます。
給与と年金両方もらえる人には確定申告が必要であることをお伝えするのですが、その時に冒頭の話をされるお客様が大変多いです。
公的年金には年末調整制度がない
勤務先から給与を受取っている方は、1年間の給与やボーナスと扶養控除等申告書などの申告書類をもとに年末調整をすることで所得税の精算を行います。
年末調整をするのは勤務先ですので給与を受け取っている人は自分で税金を計算をすることはありません。
自分でやるのは扶養控除等申告書や保険料控除等申告書、基礎控除等申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書の記入と生命保険料などの添付書類の提出です。
一方で、公的年金は国(日本年金機構)から支払われるものですが年末調整という制度はありません。
1年間の年金の支払額や所得税・社会保険料の額が書かれている源泉徴収票が翌年1月になると日本年金機構から本人に郵送されてきます。
これも一緒に勤務先に渡したら年末調整してもらえると勘違いされている方をお見受けします。
【事務所お知らせ】公的年金を受け取っている人の確定申告不要制度
給与と公的年金両方もらっている人は原則として確定申告が必要です。
ただし、公的年金を受け取っている人には確定申告をしなくてもいいという制度があります。
以下の2つの要件を両方満たしたら確定申告をする必要はありません。
- 1年間の公的年金等の収入金額が400万円以下であること
⇒障害年金や遺族年金は収入金額に含めません - 公的年金以外の所得が20万円以下であること
公的年金の収入金額が400万円を超える方は最近ほとんどいらっしゃらないかと思います。
共済年金に加入していた方で厚生年金にも加入していた場合に該当する方などが該当するくらいです。
ここで問題となるのは、公的年金以外の所得が20万円以下かどうかです。
公的年金以外の所得とは、収入から経費を差し引いた所得です。
給与所得は、給与収入から概算経費である給与所得控除を差し引いて求めます。
給与所得控除は給与収入額に応じて決められていて最低額が55万円となっていますから、20万円+55万円=75万円の給与収入を越えてしまうと要件を満たしません。
1年間の給与収入が75万円ということは月62,500円ですからアルバイトをしたら超えてしまう金額ですね。
給与収入がいくらあるかはお聞きしませんが、もし現在もお勤め中で厚生年金に加入中であれば厚生年金の加入記録から標準報酬月額がいくらかがわかります。
なので、給与と公的年金両方もらっていたら原則確定申告が必要であることはご案内しています。
確定申告はどうするの?
勤務先で給与をもらっていると年末調整されていることが一般的ですので確定申告をする必要がありません。
そのため、年金をもらい始めた途端確定申告が必要だと言われてどうしたらいいかわからないという方がいらっしゃいます。
まず、勤務先からもらう給与の源泉徴収票と、日本年金機構から送付されてくる公的年金等の源泉徴収票が必要です。
また、ほかに控除を受けたいものがあれば(例えば医療費控除など年末調整に含めていないもの)一緒に確定申告します。
確定申告の仕方がわからなければ、2月頭なら事前に予約すれば個別に相談を受けてもらえるはずです。
いきなり税務署に行っても待たされる可能性があるので事前予約は必須です。
その点は年金相談も同じですけどね。
ちなみに、確定申告書の提出と納付期限は2/16~3/15となっています。
まとめ
勤務先に公的年金の源泉徴収票を持ってくる従業員がいる話はよく耳にします。
公的年金のみで生活ができる人は少なくなってきていますが、あくまで確定申告が不要になるのは極端な話公的年金だけを受け取っている人なんですね。
なにかしらほかに収入があれば確定申告が必要で、税務署で手続きが必要だと押さえておけば確定申告を忘れるということはないかなと思います。
では。