ネット・SNSで情報を仕入れるときの注意点

税金相談や年金相談をお受けしていますと、YouTubeやネット情報を把握されているお客様がいらっしゃいます。

もちろん自分で勉強されることはすごく大事ですし素晴らしいことですが、情報の把握の方法を間違ってしまうと混乱しミスしてしまいます。

相談対応をする立場から

最近、年金相談で雇用保険と年金との調整について相談に来られたお客様がいらっしゃいました。

TVで話していた情報が正しいかどうかを確認したいということだったのですが、正しいことがわかると「どうすれば私は得になるのか」と聞かれました。

正直「うーん…」と考えてしまいました。

TVで話している情報はすべての人に当てはまるとは限りません。

どのような生活をしているのかが正直わかりませんので得も損も正直わかりません。

その点、聞いた情報が自分に当てはまらないとなったときに素直に受け入れてもらえないと正直対応しづらいですよね。

納得できないのなら自分の責任で申請・請求すればいいじゃないかと思うんですね。

別件ですが、今年4月に年金額が改定されました。

公表される前年金相談に来たお客様から、「YouTubeで令和6年4月から年金が2割減らされると言っていたけど本当か?」と聞かれました。

正直、非公式ではあったもののある程度の金額はわかっていました。

老齢基礎年金の満額は、

  • 令和5年4月から795,000円
  • 令和6年4月から816,000円

と多少増えています。

YouTubeで誰がどのように話していたかはわかりませんけど、2割減るという情報は聞いたことがありませんでした。

まだ非公式な段階だったので公表を待って確認いただけたらとお伝えするにとどめました。

しかし、なかなか引き下がらなかったんです。

もう情報が来ているはずだとか、年金が2割減るって本当に聞いていないのか、とか…。

もし年金が減るのなら繰り下げ制度を利用したかったようですけど、対応にすごく困りました。

情報が正しいかどうかの確認なら全然いいんです。

しかし、情報が間違っていたり自分に当てはまらない情報だったりして納得がいかないと言う方がいるので困ってしまいます。

【事務所お知らせ】  

1つの情報に振り回されないで

YouTubeを含めたネットやSNSを見るとたくさんの情報であふれかえっています。

私も実際ブログで税金や年金の情報を更新していますけど、ほかの同業者の情報も仕入れて比較しながら見ています。

ブログもそうですしSNSもそうですけど「その方のこの情報だけ」と絞って見ているわけではありません。

複数人が発信する情報を比較すると、同じテーマでも切り口が違ったり回答が違ったりすることは当然にあります。

決まった回答がない場合もありますからね。

また、立場が違えば回答も変わります。

例えば、事業収入から差し引かれる必要経費について。

経費になるかならないかはビジネスの内容や業種によって異なります。

美容師の場合にはメイク道具や化粧品は経費にできます。

一方で、ほかの業種の方が使う美容代や衣装代は経費として認められにくいでしょう。

しかし、YouTubeで「衣装代は必ず経費になる!」と言っている税理士がいたとしたらそれを信用してしまう可能性があります。

一方で、別の税理士が衣装代は経費になるかならないかの情報を発信していることもあります。

このように、一人が発信する情報だけを信用してしまいますとあとで取り返しのつかないことになってしまうこともありえます。

専門家の情報を複数比較する

SNSを見る機会がありますけど、専門家ではない方が情報を書いているケースがあります。

できれば、その道の専門家が発信する情報を仕入れていたほうがいいような気がします。

もちろん自分で勉強されてきて周りの方の参考になればという親切心で書かれている場合もあるので必ずしもその情報が間違っていると決めつけているわけではありません。

ただ難しいのは、結論は正しいかもしれないけど回答までのプロセスが違うことだってあると思うんです。

なので、私はその道の専門家かつ複数人の情報を比較して検討するようにしています。

例えば、税務なら税理士・年金なら社労士が専門家ですしね。

まとめ

ネットで情報をいくらでも仕入れることができる時代になっています。

その情報が正しいかどうか、もし間違っていたらその内容をいったん受け入れて考えて自分で対応できるのが実は大事なんじゃないかなと思います。

では。

 

 

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