個人事業主が税理士社労士に頼む基準

個人事業主の方の記帳指導や税務申告・年金相談のお手伝いをしていますと、税理士や社労士に依頼をするメリット・デメリットって何なんだろうなと考えることがあります。

「何を税理士社労士に求めるのか」で考えていただくのがいいのかなと。

無料相談は受けていません

年金相談員は街角の年金相談センターで行う無料相談でいわゆる行政協力という社労士会からの仕事の一環です。

税理士会が行っている確定申告期の無料税務相談も行政協力ですし、個人事業主への記帳指導も行政協力ですので無料で行っています。

自分が行っている業務メニューでは無料相談はありません。

事前面談があるものはその部分は無料にしていますが業務そのものを無料でしているわけではありません。

そこは線引きをしっかりもっているつもりです。

【事務所お知らせ】  

商工会や納税協会とは違う

商工会や納税協会(東京でいう青色申告会のような組織です)ですと、会費を支払えば確定申告書の作成の相談や代行提出をしてくれたりします。

本来税理士に確定申告書作成を依頼したら報酬を支払う必要がありますけど基本お金はかからないかと。

もちろん、自分で決算書の作成まで行わないといけないとか書類の準備をお願いされるかと思いますけどね。

もし、商工会や納税協会で申告書作成だけをお願いされるのならそれでもいいのかなと思います。

ほかにも、税理士会や社労士会が行う無料相談ですべて解決するのなら利用しない手はないかなと思います。

デメリットを理解しておく

例えば、商工会や納税協会で確定申告書の作成を依頼したとします。

基本的にお客様が作成された決算書や資料を基にしか確定申告書を作成しません。

…というかできません。

なぜなら専門家ではないため内容の検討まではしてはいけないわけです。

もしかしたら法律にのっとったところで有利な選択ができたかもしれない場合でも無視されてしまうのが一般的です。

また、確定申告書を提出したあと税務調査が来てもご自身で対応しなければなりません。

あくまで確定申告書の作成だけを依頼しているにすぎないのです。

ただ、それ以上のことを望むのなら専門家に頼むべきです。

また、年金相談でも同じです。

年金相談で自分の生活スタイルを事細かく説明される方がいらっしゃいますけど、あくまで年金相談を超えた話は基本受けることができません。

無料相談のデメリットは、あくまで一般的な回答に終始せざるを得ないことなんです。

ご本人がどういう状況なのかをいくら話されてもその日会った専門家は明確な回答はできません。

証拠書類やお話をしっかりお聞きしたうえでじゃないと回答できないからです。

無料相談でも回答する専門家側は責任問題がありますからうかつなことは話せないのです。

なので、私も年金相談中にきた質問には窓口を案内するとか一般的な取り扱いの説明しかしません。

怖くてできません。

無料相談で回答できる範囲はごく一部ですし、その得た回答が自分に当てはまるとは限らないことを納得したうえで利用いただくのがいいのかなと思います。

専門家に頼むメリット

お金がかかってでも専門家に頼むメリットがあります。

確定申告書の作成だけが税理士の仕事ではありません。

年金の請求書を作成するだけが社労士の仕事ではないのです。

もし合法の範囲内で節税をしたいとか、経理上の疑問を解消するのも税理士の役目です。

年金の繰り下げ支給、繰上げ支給など今の収入や生活費からアドバイスをするというのも社労士の役目です。

確定申告書を作成したら私はお客様に必ず報告をしています。

その際には以下の内容を記載した報告書をお渡ししています。

  • 今年1年間の売上と経費と所得額
  • 所得税や消費税の納税額
  • 住民税と国保の納付見込み
  • 前年以前との比較と業績報告
  • 経理上で気になったこと

確定申告書作成のみなら所得税や消費税の納税額しか伝えてもらえないかもしれません。

確定申告書が正しいかどうかは税務調査が来るまでわかりません。

その対応も税理士に依頼すればやってくれるでしょう。

正直私は税務調査当日以降のほうが大変だと思っていて、別に調査日当日の対応はお客様ご本人でもできると思っています。

調査日以降、いかに調査官とやり取りを進めていくのかが実はポイントになっていて、それを税理士に依頼されるのがおすすめです。

このほか、年金相談ですと障害年金の代理請求です。

障害年金を請求される際にご自身ひとりで行動されると結構大変だったりします。

年金事務所へ相談に行かれる場合は1回で終わることはありません。

少なくとも3回、いやそれ以上来訪いただくことになりますのでしんどいです。

社労士にも障害年金を専門に扱う方がいるくらい実は奥の深い大変難しい請求なんです。

それを自分で請求して不支給になってしまうともったいないです。

だったら最初から障害年金に詳しい社労士に依頼をして請求してもらうほうが安心だと思います。

まとめ

無料相談や商工会などの団体に依頼して悪いことはありません。

ただ自分が何を求めるのか。

  • 確定申告書作成だけでいい
  • 無料相談で解決できた

それで済むのなら有効利用してもらう価値ありです。

しかし、それ以上のことを望むのなら専門家に依頼すると決めてしまうのもいいのかもしれませんね。

では。

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