令和7年度(2025年)から国税専門官試験が変わる⁉

数日前に国税庁ホームページに「令和7年度に国税専門官採用試験が変わる」という案内が掲載されました。

国税専門官試験を受験して税務職員になった私も気になる情報なので整理してみたいと思います。

国税専門官試験の変更点

人事院で今日現在公開されている情報をもとに国税専門官試験の変更点を見てみたいと思います。

今回変更になるのは大きく2点です。

  • 国税専門官A区分の専門試験(選択式)における選択方式の見直し
  • 国税専門官A・B区分の人物試験配点比率の引き上げ

です。

国税専門官A区分は従来からある試験方式であり、B区分はデジタル・理工系の試験区分で2024年度ではA区分1,000人・B区分100人の採用予定となっています。

【事務所お知らせ】    

国税専門官A区分の専門試験(選択式)における選択方式の見直し

人事院で公表された資料によりますと、従来は以下のような専門試験でした。

民法・商法と会計学の合計16題は必ず全員が解答しなければいけませんでした。

そして、今回の変更はこちら。

必ず解答しなければならない民法・商法と会計学が4題と大幅に減り選択必須と選択という枠ができたというのが大きなポイントです。

解答方法も以下のようにバリエーションが増えるような形です。

ですので、試験戦略としては満遍なく勉強するよりも勉強する科目を絞って選択していくことが求められます。

ちなみに、私が受験生のとき勉強する科目を絞っていましたので、

  • 民法・商法
  • 会計学
  • 憲法・行政法
  • 経済学
  • 財政学
  • 経営学
  • 政治学、社会学、社会事情

だけを勉強し、英語・商業英語は問題文を見て解けそうなら解く形にしていました。

確か商業英語を数問解答して自信のない専門科目の数問は解答しなかった気がします

今回の変更により私なら、

  • 民法・商法+会計学(必須)4題
  • 民法・商法(選択必須)6題
  • 会計学(選択必須)6題
  • 憲法・行政法(選択必須)6題
  • 経済学(選択必須)6題
  • 財政学、経営学、政治学・社会学・社会事情、商業英語から12題
    ⇒解答の理想は財政学6題、経営学6題の12題

という戦略を取っていたと思います。

国税専門官A・B区分の人物試験配点比率の引き上げ

国税専門官試験では、人物試験(面接)が行われます。

従来よりも人物試験の配点が高くなるということで、ペーパー試験だけで評価しないことの現れがさらに顕著になってきていますね。

ちなみに、私が受験した当時の感想ですけど人物試験は厳しめでした。

ただ、第1次試験の専門試験(記述式)の成績がかなり良かったので最終的にはかなり高い順位で合格できました。

人物試験も大事ですけど第1次試験の専門試験(記述)の出来も左右するのかなと思います。

なぜ試験内容の変更をするのか

そもそもなぜ今試験内容を変更することになったのでしょうか?

私の推測ではもっと国税専門官の受験生を増やして優秀な人材を確保したいという思惑があるように感じます。

そもそも、国税専門官試験のネックが会計学が科されていることでした。

会計学はほかの公務員の職種で8題も出題されることはありませんし、内容も簿記の知識や財務諸表の知識がないと解けない問題も複数含まれています。

簿記の知識がなければそもそも受験したいとは思わないでしょうね。

今回の試験で会計学を解答しなければならない比率が大幅に減ったことでほかの職種を希望する受験生も獲得したいのではないでしょうか。

現在国税の職場は人手不足です。

2024年度の試験実施情報が公表されていました。

注目してほしいのは、最終合格者数/第1次試験受験者数(b/c)が国税専門Aで2.6倍という低い倍率になっていることです。

2024年度の採用人数は1,000人で最終合格者を約3,200人も取っているのはなぜかというとほかの職種の採用が決まって辞退する人を見越して多く合格させているためです。

つまり、実際の競争倍率はもっと低いかもしれません。

試験制度を変えることでもっとたくさんの人に受験してほしい。

そのなかから人物試験の配点を大きくすることで優秀な人材を採用したいという思いが感じられます。

まとめ

今後公表される受験案内には、注意事項やこの試験内容の詳細が掲載されるとのことです。

私もまた新たな情報が入ったらこのブログでも書いていきたいなと思っています。

では。

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