同業者の税務調査があると要注意

9月は税務調査最盛期です。

同業者の仲間内で「うち、税務調査きたよ」という話題が出たらそろそろ覚悟はしておいたほうがいいと思います。

税務調査先を選ぶとき

税務署では管理職である統括官が税務調査先を選んでいきます。

その際、基本同じ業種ばかりを調査することは少ないです。

しかし、国税局が毎年施策として特定の業種を重点的に調査をすることがあります。

例えば、最近では猟銃駆除(ハンター)や、富裕層向け、さらに建設業とか。

無申告者が多いと想定される業種が狙われやすい傾向にあります。

【事務所お知らせ】    

建設業の税務調査

建設業は税務調査が多いとされています。

これは法人・個人事業主問わずです。

脱税など不正割合が毎年上位にくる傾向があることと、無申告者が多いことにあります。

実際、同じ税務署管轄の建設業者に税務調査が入ったら「そろそろ自分ところに来るかもしれない」と事前準備をしておくべきです。

建設業に特化した調査をされている可能性があるからです。

また、元請けの建設会社に税務調査が入った場合、その下請法人や一人親方に芋づる式に調査が来る可能性もあります。

理由は外注費の支払いが多い業種だからです。

自分の会社だけで工事を完成させることは不可能です。

建設機械をリースする、ブロック積工を得意とする会社に外注する、吹付専門の一人親方に依頼するとか…。

依頼するためには外注費を支払いますけど、その支払いが本当にあったのかどうかという経費性と、受取側の状況を確認します。

具体的には、下請会社や一人親方の確定申告状況を確認します。

無申告者なら経費性がますます疑われます。

ひょっとしたら架空の外注費をでっちあげているかもしれませんから。

また、下請会社や一人親方がもし外注費を受け取っていたら売上や収入に計上しておかなければならないのにそれがされていない可能性もあります。

収入がもれているだけの場合もありますけど、無申告者だったらじゃあこれらの会社や一人親方も税務調査したいと思うのは当然です。

元請会社の税務調査の一環で調査官が必要と認めた場合には、下請会社や一人親方に反面調査が行われます。

外注費を受け取っているかどうか、いくら受け取ったか、どんな取引内容だったのかを相手に確認します。

もし元請会社の主張と齟齬が生じたらどちらかが嘘をついていることになります。

そうすると、無申告者のあぶり出しもできることになりますので税務調査で芋づる式に不正が発覚することはよくあることです。

対応策

では、同業者に税務調査が入ったときに何をすべきか。

もちろんまだ確実に税務調査が来ると決まったわけではありませんので過度に不安になる必要はありません。

決算書や確定申告書を作成するときに必要な証拠書類(領収書や請求書・契約書など)をきちんと整理しておくこと。

判断に迷うところはメモを取って記録に残しておくこと。

いつ税務調査が来ても大丈夫だと思えるくらい準備をしておくと安心です。

私はチェックした内容をメモに残しておくことをおススメしています。

税務調査はこのあとすぐなのか数年後になるか正直わかりません。

そんなときチェックした内容を記憶にとどめておくだけでは不安ですし忘れてしまうこともあるでしょう。

メモに残して資料と一緒に保管をしておくと万が一のときに見返せば思い出す時間が節約できます。

あと、もし疑問点があるのならスポット相談を活用して解決しておくことも大事です。

まとめ

先日、居酒屋で隣の席にいた建設業者の方たちが税務調査の話をしていましたので今回の記事を書くヒントになりました。

「自分ところには来ないよ」と思っていても来るときは来ますので売上の規模関係なく準備はしておいたほうがいいと思います。

では。

 

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