税理士・社労士業を始める前に税務署で法人税等の税務調査や源泉所得税を中心に仕事をしてきました。
これまで経験してきた分野の仕事だけを業務にしたいところでしたが実際はそうはいきません。
会計事務所での勤務経験もなかったので未経験の仕事にどう向かっていけばいいのか不安でした。
未経験分野は手探りだった
税務調査も源泉所得税も、メインはチェックです。
帳簿をきちんとつけているか・添付書類は保管されているか、届出書や請求書の記入は正しいか・添付書類はあるか…。
一から書類を作るという経験がなく、立場が変わって自分で書類を作成するとなったときに不安になったのを覚えています。
確定申告書の作成自体、まず記帳ができないといけませんからそれもやったことがなく。
税務調査の経験はあっても、確定申告書の作成までを一からやることすら未経験の仕事でした。
開業するまで家業の経理でそれらを一通り学んだりして、そこから税理士会支部の行事に参加することで経験を積んでいきました。
具体的には、
- 確定申告期の無料相談
- 税を考える週間の税務相談
- 個人事業主の記帳指導
これらは開業して3年たった今も続けていて毎回勉強させていただいています。
あとは実際お客様からご依頼がある都度対応をしている、という感じです。
また、社労士業についてはほぼ未経験分野でした。
当初税務署で源泉所得税担当をしていたこともあり給与計算くらいはできるだろうと思って家業の給与計算の対応していましたけど不安でした。
給与計算の本を読んだりしながらなんとか対応していた感じです。
今社労士業のメインは年金相談です。
これは全く無知でしたが、最近年金相談で税金や社会保険料のことを聞かれることが多いため意外と税理士と親和性があるなと感じています。
【事務所お知らせ】経験分野と未経験分野の組み合わせ
今私が業務メニューにしているものは、過去に経験をしていたものと今現在経験を積んでいるもの(=未経験)とを組み合わせています。
例えば、以下のものは組み合わせですね。
- 税務調査対応:チェックする立場を経験+チェックされる立場は未経験
- 顧問業務や確定申告書作成:チェックする立場を経験+一から作成するのは未経験
- スポット相談:源泉所得税の相談対応は経験+その他の相談は未経験
- 年金相談:税理士の仕事を経験+年金知識や相談は未経験
- 障害年金:年金相談を経験+障害年金は未経験
障害年金については、年金相談対応に少しずつ慣れてきたから始めた、という感じです。
結局、一つの業務をするのに全部の仕事が経験済みだということがなかったのです。
先日スポット相談をいただいたのが「外国税額控除と源泉徴収(租税条約との関係)」についてでした。
源泉徴収や租税条約に関する相談は源泉所得税担当で経験していますけど、外国税額控除は申告書をチェックした経験はあっても作成をした経験がありません。
経験分野の回答についてはスムーズに進みましたけど、外国税額控除をどう申告するのかは手引きや専門書を片手に情報をまとめていきました。
結局、どの仕事をするにしてもすべて経験済みで完璧かというとそれはないと思っています。
とはいえ未経験分野があると不安ですよね。
じゃあそれをどう克服するのかですが、それは当たって砕けろの精神です。
トライ&エラー
経験したことないのならそこに飛び込んでいくしかないのかなと思っています。
先ほどの外国税額控除の申告書についてはそれに関する専門書を3冊購入して読みました。
相手国がアメリカでしたので源泉徴収を還付請求をする場合の申告書や添付書類についても参考になる専門書を買いました。
もしあとで間違っていることがわかったら素直に謝ります。
言い訳するのは失礼ですし、決して未経験だからとは言いません。
ただ未経験なことを一から全部こなすことは業務にしていません。
今提供しているのはあくまで経験したことのある仕事がある前提です。
もちろんトライ&エラーは最初はとても大事です。
でも次の対応ではミスしないように心掛けることも必要ですし、そのエラーを回避するためにやらないという判断もしたいところです。
対応が終わり喜んでいただけるととてもうれしくやりがいを感じるようになります。
まとめ
私は税務署退職後、会計事務所での経験がないことにコンプレックスを持っていました。
未経験の仕事が多すぎて唖然としましたけど、でもとりあえず最初はトライしてみてミスをしてもいいのかなと感じています。
開業間もない方は参考にしていただけたらと思います。
では。