私は現在個人事業主・フリーランス・一人親方の税務や労働保険・社会保険、個人の方向けの年金対応など個人の方のサポートをメインにさせていただいています。
もともと法人中心の業務をしようとしていたのになぜ方向転換をしたのか、その理由を今日は書いてみたいと思います。
法人課税部門の職員でした
15年間勤務した税務署では法人課税部門の職員でした。
法人税や消費税の税務調査対応や、法人に対する源泉所得税対応などを担当していました。
なので法人税や消費税の決算書申告書の作成やチェックはまだ理解できますが個人事業主の決算書申告書は、確定申告時期に応援要請があったときに審査をする程度でした。
源泉所得税担当をしていたときに社労士資格を取得したので、給与計算を含めて法人の税務労務顧問をワンストップで対応できたら将来いいのかなと思っていました。
ただひとりでの開業を決めていましたので、安く請け負って件数を増やすのではなく1件1件丁寧に対応をさせていただくために顧問は増やさない方針にしようと。
この方針は今も変わらず顧問は少ないままです。
【事務所お知らせ】記帳指導や税務相談の対応から方向転換
開業は地元和歌山に戻ってからでした。
開業直後から税務署から依頼を受けて個人事業主の記帳指導を担当させていただいています。
また、地元スーパーや市役所・納税協会で行われている税務相談会に参加をすることにより個人のお客様と接する機会が多くありました。
逆に法人が少ない地域ですからあまり入っていく余地もなく…。
そんな中思ったのは、
- 相談ができる場所が少ないこと
- 間違えた処理を続けていても気づいていない方が多いこと
- 税務調査など来ないと思っていたけど来てしまった
- 確定申告は適当でいいやと思っていたという発言を見聞きしたこと
- 労働保険の手続きが必要だと知らなかった
- 確定申告が必要だと知らなかった
個人の方は相談できないというか何を相談したらいいのか分からないという現状にあるように感じたのです。
個人事業主にも税理士を関与を
個人の方が申告をする所得税の税理士関与率は、国税庁実績評価書令和3事務年度によりますと20%前後だと言われています。法人税なら90%弱なのにも関わらず…。
確定申告書作成だけなら国税庁ホームページから作成して提出することができますけど、その前段階の決算書の作成、もっと前の経理の段階で躓いている方が多いのかなと。
それにもかかわらず確定申告書を提出することだけなら自分でもできると思い税理士にお金を払ってまでお願いする必要はないと感じてしまうのかもしれません。
ただ、税理士の仕事は確定申告書の提出代行をするだけではありません。
確定申告書提出のほか、来年1年間の納税予測や、過去3年間の業績推移、決算書から見る注意点や問題点のご説明などは依頼するから受けることができます。
記帳指導を担当した中で今後もサポートをしてほしいという個人事業主の方も実際いらっしゃいます。
法人の顧問が少ない理由
一方で法人のお客様の顧問が少ないのは私の性格にも問題があります。
それは組織への抵抗があるからです。
自分が公務員を辞めたのは組織の人間関係が苦手だったというのもあります。
幹部や上司や先輩に気を使って仕事をする、上の指示する仕事の進め方に納得がいかなくてもそれに従わないといけない…。
私がもし法人の顧問を担当することになったら、会社には社長がいて部長がいて経理担当者や従業員がいるわけですよね。
そのような人たちとうまくコミュニケーションがとっていけるのか心配になります。
社長や経理担当者の言いなりになってしまわないか。
ダメなものはダメとはっきり指摘できるのか。
そんなことを考えて、ひとりで事業をされている個人事業主・フリーランス・一人親方のサポートだと1対1でしっかり伝えられそうな気がしたのです。
1対1での会話のほうが言った・言わないのリスクは少ないですよね。
法人の税務調査を担当していた時に、社長が知らないところで経理担当者が不正を働いていたという場面に遭遇したことがあります。
他人が複数介してしまうと何かしら問題が発生するということを知ってしまったのです。
人的トラブルを抱える仕事はしたくない。
私がひとりで仕事をしている理由のひとつです。
対応をするために心掛けていること
私の事務所では無料相談はしていません。
必ず料金はお支払いしていただいています。
無料相談なら税務署や市役所・年金事務所などで行っていますからそちらを利用いただだければいいのかなと。
税理士や社労士に頼むメリットは申告書や申請書を提出するだけではないということ。
提出だけなら自分でもできますしそれで大丈夫なら税理士や社労士に頼まなくてもいいです。
本業の仕事をまずはしっかり稼いでほしい、バックオフィス業務全般を税理士や社労士にお任せする。
無料相談とは一線を画しているのは、無料相談よりも具体的に資料をお見せしながら丁寧な対応をしたいからです。
そのため基本即答はしないことにしてお調べする時間を取って対応するように心掛けています。
まとめ
長々と書いてしまいましたが、今後も個人事業主・フリーランス・一人親方など個人の方向けの業務を中心にやっていく予定です。
最近相続や贈与の相談も増えてきているので、そのあたりも勉強しつつ対応できたらなと考えています。
では。