公的年金と雇用保険の課税関係を整理してみた

公的年金や雇用保険(失業給付)を受け取りますとお金が入ってきますがそれに税金がかかる場合があります。

税金がかかるかかからないかを「課税関係」と言ったりしますけど、今日はその課税関係について整理してみたいと思います。

公的年金を受け取った場合

まず、年金には公的年金と私的年金があります。

私的年金とは自分で加入して掛金を払って受け取るというものでゆうちょ年金や生命保険契約による年金などがあります。

この私的年金は雑所得(その他)に分類され、受け取った金額から支払った掛金を差し引いて計算をします。その雑所得に対して税金がかかります。

一方で、公的年金については大きく老齢・障害・遺族の3種類があります。これを3つにグループ化してみます。

  • 老齢グループ:老齢基礎年金、付加年金、老齢厚生年金、退職共済年金、国民年金基金、厚生年金基金、iDeCo(確定拠出年金)
  • 障害グループ:障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金、障害手当金
  • 遺族グループ:遺族基礎年金、遺族厚生年金、遺族共済年金、寡婦年金、死亡一時金

このうち、税金がかかるのは老齢グループだけです。

障害グループ・遺族グループは税金がかかりません。

税金のかかる老齢グループは雑所得(公的年金等)に区分され、収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算されます。

このうち、iDeCoについて一時金で受け取ることを選択した場合には退職所得となり別で計算されます。

昭和16年4月1日以前生まれの方が受け取る脱退手当金や日本国籍を有しない方が受け取る脱退一時金については雑所得ではなく退職所得となります。

あと、消費税率引き上げ分を活用し公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準額以下の方が受ける年金生活者支援給付金にも税金はかかりません。

図解でまとめてみました。

【事務所お知らせ】  

失業給付を受け取った場合

お勤め先で雇用保険をかけている場合には、失業し求職中の場合失業給付を受け取ることができます。

  • 65歳までに退職し求職中であれば基本手当
  • 65歳以降に退職し求職中であれば高年齢求職者給付金

基本手当は給付日数で支払われますが、高年齢求職者給付金は一時金です。

このほか、雇用保険に加入しており60歳以降の給与が60歳時点より75%未満に低下した場合に高年齢雇用継続給付が行われます。

このほか、再就職した場合には再就職手当など雇用保険からの給付金があります。

これら雇用保険から給付される給付金はすべて税金はかかりません。

税金がかからない理由

障害年金や遺族年金・雇用保険の給付金に税金がかからないのは福祉的な意味合いがあります。

障害を負っている方や亡くなった方の遺族、休職中の方の今後の生活を考えたときにその生活費を賄う収入源に税金をかけるのはおかしいというわけです。

しかし、現状はこのような取り扱いになっているものの今後遺族年金にも税金をかけようという方向性に向かいつつあるようです。

まとめ

今回は、公的年金や雇用保険の課税関係について整理してみました。

将来的にどうなるのかわかりません。

また、税金と保険料で取り扱いが大きく異なっていますので注意したいところです。

では。

タイトルとURLをコピーしました