ネイリストの方は、市区町村の国民健康保険に加入をして保険料を支払うことにより病院にかかったときに3割負担にしてもらうことができます。
国民健康保険は前年の所得（もうけ）により金額が決まるため、収入が順調に増えてくれば所得が増えるのが一般的であるため保険料の負担が大きくなりがちです。
そこで、ネイリストが加入できる国民健康保険というものがあります。
「市町村国保」と「職域国保」の違い
国民健康保険は、企業などの社会保険に加入していない人を対象とした健康保険で、フリーランスや個人事業主・学生や年金受給者などが加入できます。
国民健康保険は、「市町村国保」と「職域国保」に分けられます。
市町村国保は、都道府県あるいは市区町村が保険者となる国民健康保険をいいます。
一方、職域国保は、地域の同業者が設立した国民健康保険組合が保険者となる国民健康保険をいいます。
ネイリストが加入できる職域国保として以下のものがあります。
- 全日本理美容健康保険組合（理美けんぽ）
- 東京美容国民健康保険組合（美容国保）
- 大阪府整容国民健康保険組合（整容国保）
このうち、フリーランスや個人事業主のネイリストが加入できるのは「東京美容国民健康保険組合（美容国保）」のみです。
美容国保に加入するためには以下の要件を満たす必要があります。
- 東京都内にサロンがあること
- 東京（島しょを除く）およびその周辺の首都圏（神奈川・埼玉・千葉・茨城・山梨）に在住している
つまり、すべてのネイリストに当てはまるわけではないというところが注意です。
「東京美容国民健康保険組合（美容国保）」のメリットとデメリット
美容国保に加入するメリットとしては、市町村国保のように所得に応じて保険料が決まるものではなく、保険料は一定額です。
そのため、所得が増えてきた場合でも保険料が変わりませんのでサロン経営が順調であるときは保険料を減らすことができます。
その一方で、所得が少ない段階で美容国保に入った場合には市町村国保よりも保険料の負担が重くなる可能性があります。
また、美容国保には入院手当金や出産手当金などが支給されます。
市町村国保はこれらの支給はありませんので保険給付が充実していると言えるでしょう。
また、家族を扶養に入れることができるというのもメリットのひとつです。
ですので、
といいかもしれません。
美容国保の保険料は2024年6月現在、40歳未満の方で、
- 事業主：月20,000円
- 従業員：月14,500円
となっています。
美容国保の概要と保険料
では、美容国保の概要と保険料をまとめておきます。
まず、美容国保の内容についてです。
- 加入単位：個人
- 療養費（病院にかかる費用）：原則3割負担
- 高額療養費：所得により給付額が異なる
- 出産一時金：一児につき50万円
- 出産手当金：5,000円×30人分＝15万円
- 傷病手当金：事業主5,000円・従業員4,000円（最長30日、入院時のみ支給）
次に、美容国保の1人あたりの保険料です。
- 事業主：20,000円/月（40歳未満の方）
- 従業員：14,500円/月（40歳未満の方）
- 同一生計家族：9,500円/月（未就学児6,000円/月）
- 40歳～64歳：上記の金額に＋3,000円/月
まとめ
ネイリストの方でも一定の要件を満たせば、市町村国保ではなく美容国保を選択することができます。
特に所得が多いネイリストの方が美容国保を選択するメリットはあると感じます。
では。