退職直後は確定申告をお忘れなく

令和6年中に退職をされて次の就職先が決まっていないとか定年になったから年金をもらいながらゆっくりする、個人で事業を始めるという方もいらっしゃるかもしれません。

退職後に転職をしない場合には年末調整が済んでいませんので確定申告することを忘れないようにしたいところです。

所得税を多く払いすぎてしまっている可能性があります。

年の途中で退職をした場合は年末調整されないのが原則

年の途中で退職をすると、給与の源泉徴収票が交付されます。

この源泉徴収票には、給与支給額とこれまでに天引きした所得税の源泉徴収税額と社会保険料の金額が記載されています。

摘要欄に「年末調整未済」と書いてくれているところもあります。

給与の源泉徴収税額を計算するときには税額表を使います。

税額表は以下のような特徴があります。

  • 税額表の作り方:年間を通じて毎月の給与が変動しないものと仮定して作成されている
  • 老人控除対象配偶者や特定扶養親族・障害者控除額など割増がある控除のものも一般の控除対象扶養親族と同じ金額であると仮定している
  • 扶養親族等の数に異動があっても過去にさかぼって修正しない
  • 生命保険料控除や地震保険料控除が税額表に反映されていない

税額表はあくまで簡易的に決めたものであり、毎月の給与で計算した源泉徴収税額は年末調整という手続きを踏むことにより正しい税額に調整することになります。

その差額として還付が出たり不足が出たりするわけです。

で、年の途中で退職をした場合には原則として年末調整はしないことになります。

次の就職先が決まっていればその就職先に源泉徴収票を提出すれば就職先で年末調整をしてもらえます。

しかし、まだ次の就職先が決まっていないとか退職後年金暮らしをするとか個人で事業を始める場合などは年末調整が行われていないため簡易的な計算しかできていません。

この場合は確定申告で正しい税額に調整をします。

【事務所お知らせ】  

納付になることも還付になることも

確定申告をすることにより正しい税金が計算された結果、納付になることもあれば還付されることもあります。

給与を受け取っていた方の控除関係や扶養情報により変わりますので一概に言えません。

ただ、例えば扶養関係は変わらないけど生命保険料控除や地震保険料控除、医療費控除がある場合など、控除を確定申告で受ける場合には還付になることが多いです。

書類の準備を

年の中途で退職された場合には年末調整がされていない源泉徴収票が手元にあるかと思います。これをもとに確定申告を行うのが最低限の書類です。

このほか、生命保険料や地震保険料の控除証明書、医療費控除を受ける場合には医療費の明細書を準備しておき控除金額を確定申告に反映させます。

このほか、扶養情報についても確定申告に反映させて控除額を正しく計算します。

これらの書類は退職したから関係ないから捨ててしまうという方がいますが、確定申告をするために必要な書類になりますので捨てずに置いておきましょう。

確定申告をする際には国税庁ホームページにある確定申告書等作成コーナーを利用するといいでしょう。

ちなみに、給与の源泉徴収票がないとダメなのかというとそういうわけではありません。

お勤め先からもらっていた給与明細で給与金額と社会保険料・源泉徴収税額が確認できるのなら確定申告で使用することができます。

過去5年間は確定申告できる

もし過去退職した際に何も手続きをしていない場合もあろうかと思います。

この場合、年末調整が済んでいない給与でほかに控除額がある場合には還付を受けることができる可能性があります。

還付を受けるための確定申告自体は過去5年間にさかぼって行うことができます。

現在ですと令和2年分以降のものなら申告をすることができますので、中途退職した時に年末調整されていない給与の源泉徴収票があれば計算してみてもいいでしょうね。

まとめ

中途退職した方が確定申告をしておらず、生命保険料控除の控除証明書などはあるけどこれまで何もしてこなかったというケースをお聞きしました。

確定申告をすると還付になることが多いのでもったいないなと感じることがあります。

では。

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