私が所属する税理士会支部では、みかんや梅のほか、豆やミニトマトなどの栽培をしている農家が多くいらっしゃいます。
そのため、個人事業主の税務調査でも農家の方が選ばれることがあり相談をお受けすることがあります。
農家の記帳の特徴
多くの農家はJAを介して作物を売ったり種苗や肥料・農薬を買ったりしています。
JAを介して取引をした場合には、年間1,200円程度を支払えばJAで勘定科目別に集計された取引明細書(取引購買明細書)を作成してもらえます。
そのため、この取引明細書に書かれている勘定科目をそのまま青色申告決算書に転記できるようになっています。
中にはその他支出として分類できないものの中に経費にできるものがあったりしますけど大きな金額の違いはありません。
したがって、もしJAとの取引だけの場合には売上や経費に漏れはあまりないと考えられます。
【事務所お知らせ】農家の税務調査で気を付けたいこと
これを踏まえて農家の税務調査で気を付けたいポイントについてです。
JA以外の取引がある
JAとの取引だけの場合には売上や経費に漏れは少ないわけですけど、裏を返せばJA以外の取引があれば売上や経費の漏れは起こりうるということです。
例えば、販売先をJA以外に卸売市場にもっていくとか、産直に直接持っていく・スーパーに持っていく場合です。
市場ではJAと同じように先方から売上精算書が送付されてくるためそれに基づいて売上を集計すればいいです。
一方で産直・スーパーに対しては請求書を発行することになりますけど、販売を委託していますので先方からの取引明細書があるはずです。
それをもとに売上を集計すればいいわけですが、売上が振込ではなく現金受け取りだった場合に取引明細書がなかった場合には証拠書類がないことになります。
振込なら通帳に記帳されるためごまかしようがないのですが、現金受取の場合には証拠もないのなら売上集計しなくてもいいやって思ってしまうかもしれません。
しかし、このような現金売上については産直やスーパー側の領収書控えなどの書類を確認すれば入出金が一致しないことがわかります。
特に、個人のお客様に売ったり無人販売などでは現金売上かつ証拠書類が残らないことになってしまいますので、領収書を渡すとかメモなど証拠を残しておきましょう。
自動販売機、太陽光発電
農地に自動販売機を設置していますと、販売に応じて手数料収入が入ってきます。
これも収入として集計しないといけません。
このほか、ビニールハウスの上部に太陽光発電システムを設置して、そこで生まれた電力をビニールハウス内の暖房等に使うほか、余剰電力を電力会社に買い取ってもらいます。
このような営農型の太陽光発電による余剰電力の売却収入については収入として集計しないといけません。
太陽光発電については農家以外でも指摘されています。
経費の中にプライベート分の支出が含まれている
あとは経費の中にプライベート分の支出が含まれている場合です。
この場合もJAで買ったもの以外から指摘を受けやすいです。
例えば、現金で支払ったレシートや領収書をチェックされる可能性があります。
JA取引以外も正確に経理
先ほど挙げた3点のポイントにはある共通点があります。
それは、
というところです。
JAとの取引についてはJAが作成する取引報告書により集計ができますので漏れることはあまりありません。
むしろ、JA取引以外の売上や経費をもれなく集計できるかにかかっています。
そのためには、請求書や領収書・レシートなど証拠書類をきちんと保管しておくことや、書類がない場合には伝票やメモを残しておくことが大事になります。
まとめ
農家の方にお伺いすると、JA取引以外のところで指摘を受けていることが多いです。
税務署もそこを狙っていると思われますので正確な記帳をしていただくようにお願いします。
では。