同人漫画家の経理で注意したいこと

漫画家は活動内容により経理方法で気を付けるべき点があります。

今回は同人漫画家にスポットをあてて書いてみたいと思います。

同人漫画家の取引の流れ

今回ご紹介する同人漫画家は、以下のような流れで漫画を頒布していきます。

  • 漫画を描く
  • 印刷所に入れて本にする
  • 即売会で頒布したり同人誌ショップで頒布

この中で特に気を付けたいのは売上と在庫の集計です。

【事務所お知らせ】  

即売会と同人誌ショップの売上集計

即売会の売上の集計については、以下の内容を集計したエクセル表を作っておくと便利です。

  • 日付
  • イベント名
  • 売上タイトル
  • 単価
  • 冊数
  • 売上金額

また、同人誌ショップに販売を委託をした分の売上集計については、同人誌ショップから販売期間や冊数・売上高を記載している売上集計表が送られてくるはずです。

メールやポータルサイトのマイページなどで閲覧できたりするものがあります。

このように即売会や同人誌ショップからの売上集計をしたものを月別の売上集計表にまとめていくといいでしょう。

経理が終わった後の損益計算書には1月から12月の月別の売上高を集計する必要があるためです。

販売期間は気をつける

同人誌ショップから送られてくる売上集計表には、販売集計期間がいつからいつまでと記載されているかと思います。

この期間はあくまで1月から12月までの部分を集計することになります。

入金時点ではないところに注意が必要です。

在庫の集計もれに注意

経費の中で気を付けたいのは在庫です。

自分で印刷をするため印刷費がかかります。

売上を得るために直接支払ったものは経費になりますが、手元に保管しているもののほか委託先に預けられている在庫は経費から除く必要があります。

在庫の計算方法としては、まず作品ごとの冊数と印刷費がどれだけかかったのかを集計します。

そのうえで12月31日時点での作品ごとの1冊あたりの金額を計算して、在庫として残っている冊数を掛け算しますと在庫の計算が完成します。

例えば、

  • O作品:1,000冊で印刷代200,000円・12月31日の在庫200冊の場合
    →①1冊あたり金額 200,000円÷1,000冊=200円
    →②在庫計算 200円×200冊=40,000円
  • P作品:2,500冊で印刷代300,000円・12月31日の在庫500冊の場合
    →①1冊あたり金額 300,000円÷2,500冊=120円
    →②在庫計算 120円×500冊=60,000円
  • O作品+P作品の在庫合計 40,000円+60,000円=100,000円

となります。

これを損益計算書にある売上原価欄に集計をします。

自宅兼事務所の経費按分

同人漫画家は自宅兼事務所で作業をされているケースが多いように思います。

経費については事業で使う部分だけを経費にすることができます。

そのため、自宅兼事務所両方でかかってくる経費については事業部分を按分して計算をすることになります。

考えられる経費としては以下のものです。

  • 地代家賃:自宅兼事務所として部屋を借りている場合
  • 通信費:自宅兼事務所のインターネット代
  • 水道光熱費:水道代・電気代・ガス代のうち事務所で使う部分(このうちガスを事務所で使うことはあまり考えられないので経費にできない可能性が高い

まとめ

今回は、同人漫画家の経理について注意点を書いてみました。

売上の集計をいかに正確にできるのかがポイントになると考えています。

では。

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