半独学のすすめ

私は今まで資格試験をいくつか受験した経験があります。

学習期間にもよりますが、結果的にうまくいったのはすべてを受験予備校に頼るのではなく独学する時間を持っておくこと。

いわば、半分独学=「半独学」をしていたことでした。

今日はそのことについて書いてみたいと思います。

半独学のメリット

資格試験の受験をしようとすると、大きく2つのパターンに分かれるかと思います。

  • テキストや問題集を購入して自分で勉強する(いわゆる独学)
  • 受験予備校に申し込んでそのカリキュラムにそって勉強する

私が今までやってきた半独学というのは、この2つの中間に位置します。

つまり、受験当初は独学で受験直前期から受験予備校に申し込む、というやり方です。

このやり方のメリットをいくつか挙げてみたいと思います。

費用があまりかからない

例えば税理士試験。

TACや大原などの受験予備校ですと、一般的に1年間のコースで1科目20万円などと結構高額になりがちです。

その他いわゆる国家資格と呼ばれる資格ですとそれなりに高額な受講料を支払うことになります。

受験予備校のカリキュラムには、

「基礎期→応用期→直前期」という3つの期があります。

基礎期と応用期は授業中心、直前期から試験を想定した実践対策が行われます。

実践対策は、いわゆる答案練習や模擬試験といったものを経験することで本試験に似たような問題を解いて感覚を養っていきます。

もちろん直前期でも総まとめのような授業は行われます。

直前期は、各受験予備校では個別で別途申し込むことができるようになっています。

なぜなら、各社ともこの直前期の答案練習から本試験的中をねらい合格者がたくさん出ましたとアピールをしたいために受験生を囲みこむのです。

しかも、この直前期から申し込む場合、通年で申し込むよりも当然期間が短いですから割安です。

最初独学でやってみて検討できる

先ほどの費用がかからないという話から続くことなのですが、受験予備校に申し込んだ場合、そのカリキュラムにそって授業が行われていきます。

しかし、もしその受験する資格が勉強してみてちょっと違うなと思った場合、なかなか中途解約するのって勇気がいったりします。

もちろん中途解約することは可能ですし返金もしてもらえます(全額ではありません)が、手続きをする煩雑さとまだ続けられるかもという淡い期待もあってついつい先延ばしになりがちです。

なので、学習当初は試しにテキストを購入して自分で勉強してみるのもいいのかなと思うのです。

もしそれだけでなんとかなりそうなら独学で突き進むのもありですし。

すべての資格がそうだと思うのですが、受験予備校にすべてをゆだねるのはちょっと危険だなと思ったりするのです。

もしそのカリキュラムに遅れてしまったりすると取り返すのが大変になって途中で挫折しかねませんし、授業を教える講師との相性でモチベーションが上がらなくなることも考えられます。

一番こわいのは自分で解く・考えることがなかなかできなくなってしまうことです。

カリキュラムにそってただ何も考えずに過ごすのはもったいないなと思うのです。

どちらかというとカリキュラムは標準的な進め方であって、受験経験者が多い資格だとすでに何年も同じカリキュラムを経験し先取りしています。

カリキュラムどおり進めて絶対合格できるかと言われたら無理だろうなと。

受験予備校に頼るにしても、自分から進んで勉強する意欲がないと失敗し続けます。

自分から進んで勉強することを経験するためにも、独学する時期を設けるのは有効だと思います。

直前期で軌道修正できる

ただ全てを独学で勉強していても不安になります。

実践的な問題練習をしていませんし、勉強してきたことが本当に大丈夫なのか、間違って理解していることもあるかもしれません。

そこで、試験直前期だけ受験予備校を利用することで独学で勉強してきたことの再確認と軌道修正をします。

よく合格者の方の体験談を見ていると、直前期の過ごし方がいかに大事かということをおっしゃっています。

この直前期で合否が分かれるくらい大切な時期になります。

直前期に受験予備校に頼るのにはもうひとつ訳がありまして、他の受験生と差がつかないようにするというのがあります。

情報収集をするのです。

受験予備校が予想する問題には、過去の本試験の内容も踏まえて出題されますがその問題には予想論点や改正された論点も多く含まれます。

独学ですとなかなか予想や改正論点まで手が回りませんので、他の受験生と差がついてしまいます。

多くの受験生が正解できるところができていないとなると不合格になる可能性が高まってしまいます。

そこで、この受験予備校が提供する予想問題を手に入れて情報収集するという目的もあります。

半独学のデメリット

一方で半独学にもデメリットがあります。

当初の段階で挫折してしまう

勉強したいと思っていた当初から分厚いテキストを購入してみてもまったく進まず挫折してしまうことが考えられます。

特に、自分がまったく過去に勉強したり経験したことのない資格だと挫折しがちです。

どう進めていいか分からないこともありますからね。

自分のペースで勉強できてしまう

受験するにあたって、お勤めの方ですと勉強する時間が取れないという場合も出てきます。

そのため自分のペースでやっていきたいと思って独学を選択される方もいるかもしれません。

しかし、それはそれで問題で最後は受験するわけです。

いつか追い込みをする時期が来てしまうはずで、自分のペースで勉強したらいつ受験してもいいという甘えが出てきてしまうような気がします。それが一番危ない。

そして、いざ直前期から受験予備校に申し込んでも、勉強できていない自分にショックを受けるだけです。

半独学を活かすー資格の種類・受験経験で使い分ける

私が半独学をして合格した資格にはある共通点があります。

  • 簿記の知識の活かした資格
  • 過去問や答案練習で対応できる
  • 受験経験がある

つまり、一度経験をしていることで受験予備校のカリキュラムを一から受講しなくてもいいなと思えるものです。

では、初めてその資格勉強したい人は半独学をすすめないのかというとそういうわけではありません。

例えば、基礎期・応用期だけ受験予備校の授業を受けてみるというのも十分ありだと思います。

学習当初の挫折を防ぐという効果もありますし、ベースができるので後に独学するときもやりやすくなると思うからです。

また、直前期は市販教材で対応できる資格もあります。

あと、受験初年度は受験予備校の授業を受けていたのであれば、翌年は直前期だけ申し込んでみるというのも十分ありです。

また一から同じカリキュラムだと飽きてきてしまうこともあります(もちろん知識不足を確認できるというメリットもあります)。

自分の経験と照らし合わせて半独学という方法を考えてみるのもいいのかなと思います。

まとめ

今回は、私が多くの資格でやってきた半独学について書いてみました。

特に簿記関係で取得した資格、

  • 日商簿記1級
  • 建設業経理士1級
  • 全経簿記上級
  • 税理士簿記論
  • 税理士財務諸表論

すべて半独学で取得しました。

受験当初は独学・直前期から受験予備校に申し込んでいました。

直前期は講義も申し込んでいました。(資料だけを申し込むのはあまりお勧めしません。問題の解説こそ重要だと思っているので。)

簿記という前提知識があったから、というのも大きいかもしれませんね。

もちろん建設業経理士のように建設業特有の知識が必要になってしまい直前期に大変な思いをしたこともありますけど、半独学だったからこそ自分で決めて勉強てきたこともあります。

内容を先取りしてもいいですしね。

半独学は直前期が大変になります。今までの軌道修正も必要になりますから。

でもそこを乗り切れたら意外と効率的に合格できると思っています。

特に受験経験者の方は一度考えてみてはいかかでしょうか。

では。

[事務所お知らせ]

タイトルとURLをコピーしました