2種類しかないラーメン屋から考えたこと

先日行った和歌山ラーメンの「井出商店」さん。

このブログで編集後記として書いたように、ラーメンは2種類しかありません。

普通の「中華そば」と、チャーシューが多めの「特製中華そば」

この2種類だけで勝負している。ある意味すごいなと思うと同時に実は理にかなったとてもいいことなのかなと思っています。

客側の立場と店の立場と両方で考えてみます。

客から見てー注文に迷わない、ぶれないという安心感

こちら客側としては、まず注文するときに迷わないということがあります。

この2種類だけなので普通は定番の「中華そば」、ちょっと贅沢したいのなら「特製中華そば」を選べばいいだけです。

メニューが多かったりする店は選ぶのに時間がかかることと、提供まで待たされます。

スープを使い分ける手間もかかりますし、トッピングの内容も変わるわけですから。

あとは、この2種類ともにスープは豚骨醤油のみですので、ほかに味噌や塩やらを出すラーメン店とは違い味がぶれないという安心感はあります。

もちろん他の味もとことん追求することもありかもしれませんけど、この豚骨醬油のスープに専念できることで有名店になっていったのかもしれません。

店側から見てー回転させられる、その味に専念できる、差別化

一方店側から見てもメリットはあります。

まず客が来た時に注文に迷うことがなくなりますし、スープも豚骨醤油のみでいいので提供時間を短くすることができます。

待たされることがないので食べて帰ってもらえば次の客をどんどん入れることができ短時間で何回転も客を入れ替えることができます。

また、1種類のみにスープを絞ることでそれだけに専念して味の改良ができますし、仕込み時間も短縮できるかもしれません。

他の味のスープを作るとなるとおそらく開店の何時間も前から仕込みをするはずですから。

さらに、味を絞ることでその味に人気が出ると他の店との差別化が図られることになります。

今でさえ和歌山ラーメンは人気が出ていろいろなお店が出てきましたが、ここはずっと同じところで同じメニューでやってきているようです。

あと付け加えるとしたら、店自体も拡大していないということです。

ネット販売はしているようですが店舗は和歌山のここにしかありません。

しかも狭い店です。10人も入ったらいっぱいです。

しかし、店員さんはたくさんいて、先日行ったときは4人が接客をしていましたので提供から片づけからとてもスムーズに対応しておられました。

1店舗だけにすることで店員も集中することができるために接客にも気をつけることができるような気がします。

私に置き換えて考えてみる

このラーメン店を訪れてから今後開業するときのスタンスというのを改めて考えてみることにしました。

考えたこととしては以下の3つです。

  • メニューをしぼる
  • 専門化
  • 拡大しない

1つ1つ見ていくことにします。

メニューをしぼって分かりやすく

提供する業務メニューをしぼることでお客様から見て迷わないように分かりやすいものを、と考えています。

「何でも対応します」だとおそらく自分の能力の範囲を大幅にこえてしまい辛くなるなと思うからです。

自分ができる範囲で自分がやってみたいこと・経験したこと・得意なことをメニューとして提供することで自分も安心できるのかなと。

税務職員でしたので税務調査と税務署内部事務の経験両方ありますので、税務調査の対応をメインにしつつ、申告しなければならない方向けに申告書の作成も対応します。

しかし、法人ではなくて個人事業主&フリーランスの方のサポートに限定するつもりです。

いろいろ考えたあげく法人は取り扱わないこと、個人でも譲渡や相続・贈与は取り扱わないことにしました。

あと、自分がやりたいと思っていることとして社会保険労務士業があります。

ただ何をメインにするかまったく考えていませんでした。

しかし、今回開業するにあたってせっかく税務調査対応をメインにするなら社会保険労務士でも調査対応をやってみようと思うようになりました。

年金事務所と労働基準監督署の調査対応とそれに付随する届出書類などの作成の対応をさせていただくつもりです。

つまり、

  • 個人事業主&フリーランス向け税務調査対応
  • 個人事業主&フリーランス向け確定申告書作成
  • 年金事務所と労働基準監督署の調査対応と届出書作成

この3つの業務にしぼってしばらくは活動していくつもりにしています。

専門化する

1つ目と重なりますが、いろいろなものに手を出すより専門化していくほうが自分に合っているかと思ったのです。

もともと頭の中でいろいろ考えるのが苦手です。

ひとつのことに集中してやりたいタイプです。いわゆるマルチタスク(複数の仕事を同時並行する)は大の苦手です。

できるだけ業務内容を絞って専門化することで、自分も深くその内容を理解できるのかなと思うのです。

とにかくひとりで活動するからにはある程度の絞り込みは必要かなと思っていて、本当ならいろいろやるべきなのでしょうがそれはもう諦めました。

拡大しない

よく従業員を雇って売上を伸ばして事務を拡大している事務所を見かけることがあります。

それもひとつのやり方だと思いますが、私はあえてひとりを選びました。

事務所も自宅の部屋の1室です。事務所をあえて設けるということは今後もしないつもりです。

拡大志向がまったくありません。

自分のできる範囲でお客様に提供できるサービスを、と考えています。

もしいろいろ対応してほしいということで意にそぐわないのであれば他の税理士や社会保険労務士にお願いされるのがいいかなと思います。

あえて拡大しないことで自分にご依頼いただいた方に関してはきちんと向き合って対応したいと思っています。

もちろん経験不足でご迷惑をかけてしまうことがあるかもしれませんが、開業するからには努力し続けたいなと思っています。

まとめ

先日訪れたラーメン屋でメニューの少なさに驚いたことと、店の前に行列ができていて待たされるのかなと思いきやすぐ案内され料理もすぐ運ばれてきたことがうれしくなりました。

それとともにたぶんいろいろ戦略を考えられているのではないか、と思ったのでこの記事を書いてみることにしました。

あくまで私の感想ですので、考えは違うのかもしれませんけど。

こういう普段何気ないところから発想がわく瞬間が楽しいですね。

では。

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